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第五章 トリプルブッキング  3

ここまで読んでくださりありがとうございます。

「可愛いぃ~」

ハートが何百個も飛び出しているような様子でウサギを抱きしめる九月。

若干ウサギが怯えているように見えるのは気のせいだろうか。

「ほら九月」

俺はウサギに夢中な九月の顔の前に袋を出す。

「何? これ」

「餌だって、そこで売ってた。あげてみれば?」

「うん。ありがとう!」

く、九月がお礼を? 俺がえもいえぬ感動を味わっていると

「きゃ、くすぐったい」

本人は手の平に乗せた餌を食べられくすぐったそうにしている。

こうして見ると本当に普通な女の子だよなぁ。寧ろいい子だよ。どうして仕事中はあんなにツンツンしてんのかな?

そんなとりとめのない事を考えながら俺がヤギに餌をあげていると。

「あ! お姉ちゃん!」

明るく元気な声がした。ちらっと見るととショートパンツを穿いた。ショートカットの高校生くらいの女の子がトテトテと走ってくる。

おお~中々可愛い。それにどことなく九月に似ている。九月も昔はあんな感じだったのかなぁ。

(あん)!」

すると隣でウサギに餌をあげていた。九月が驚いたような声をあげる。

「ええ! お前の妹?」

俺も驚いて九月を見る。何故妹が急に出て来る。

妹さんの杏ちゃんは俺達の前までくると

「何してるの? おね~ちゃん」

愛くるしい笑顔。顔が似ているせいで九月が満面の笑顔をしてるようで軽く目眩がする。

「な、なん、何で貴方がここに居るの?」

九月の表情は変わってないが激しく動揺しているのが分かる。

「だって~お姉ちゃん急に用事があるっていうから買い物出来ないし~暇だからパンダさん見に来たの!」

そう言ってパンダのぬいぐるみを差し出す杏ちゃん。

「そ、そう……」

珍しく汗を流す九月。というか姉妹で行動が似てる。

「で? お姉ちゃんは何してるの?」

自分の番が回って来て焦る九月。

「わ、私は動物園に――」

「その人誰? 彼氏?」

俺を指差して純粋に尋ねる杏ちゃん

「なぁ――」

九月絶句

「はい。レナさんの彼氏です」

「なぁ――」

九月再び絶句。

「何を言ってるの貴方!」

九月絶叫。

「そうかぁ。お姉ちゃんにもついに彼氏が。最近良く話題に出てるよ。沢田くんだっけ?」

「はい。その沢田です」

「ちょっと! 私は話題に出してないし。坂本も適当な事言うな!」

九月の焦った様子が面白いのか杏ちゃんはニコニコ機嫌良さげだ。

「あれ~お姉ちゃん何を怒ってるのかな? 不思議だね~坂本くん」

「ね~」

二人で首を傾げる。意外と俺と杏ちゃんは相性がいいのかもしれない。

九月はそんな俺達を見て俯き怒りにブルブルと震えると。

「あらそう。あ~そう。分かった。分かりました。さ・か・も・と・君! 良かったわね若くて可愛い子とお近づきになれて、祝福するわ……そして、杏。貴方がお姉ちゃんをからかう何て、随分成長したわね。この様子ならこれから先、おこずかいも、家事も全部自分で出来るわね? ありがとう。お姉ちゃんとても助かるわ」

そう言って浮かんだ顔は全く感情のない笑顔でした。

『ごめんなさい』

二人で同時に頭を下げた。なんというか、その時俺はこの世には逆らってはいけない人がいるのだと知った。

「分かればいいのよ」

普段なら丸一日は許してくれないであろう九月さんだが今日はパンダパワーなのか驚くほど寛容だった。

「でもさぁ~お姉ちゃんが男の人と遊んでる何て本当に初めてじゃない」

杏ちゃん何故蒸し返すような事を! 俺はマジで焦ったが。

「いいでしょ別に」

さすがに付き合いが長いだけあって姉の心理状態は熟知しているようだった。



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