エンドレス(?)
君は信じることができるであろうか。
空がこんなにも青く、同じほどにきっと海も透き通った青なのだろうに、今僕はこの目の前の現実のせいで土砂降りの中をぬかるんだ大地を踏みしめて懸命に走っているような気分になってしまっている。
なぜに僕の心の中だけにそこまでの大雨がふり、大地までもがゆっくりとしか歩けないようになってるのか、それは先ほどから言っているように信じられないような出来事が起こったからだ。
万が一君がこの今まさに僕が直面しているような状況に陥ったとして、今の僕のように淡々と心内描写を語ることなどできないであろうとここに断言することだってできる。
、、、まあ、君が当事者である以上君が僕の立場に立って、僕のように少々焦りながらもこのように語ることなど土台あり得ない話であるわけなのだが。それにしても僕にはどうしても解せないことがある。どうして君がそんなことを?といういたって普通に、こんな状況であればそれこそ僕でなくとも、そうだなたとえばあの田山何某とやらにだって考えつきそうな、否、思わず考えてしまいそうな、そんなまったくもって僕らしくもない疑問だ。
しかし、なぜか今の僕には僕がそう考えてしまうことさえも、ひどく自然なことのように思えた。肉食動物が肉を食うように、そのくらいの自然さが僕の今の思考の中には存在している。一度君も冷静になって考えてみるといい。自分がどれほどおかしなことをしてるのか、どれほど冷静に考えれば普通ではない、自然ではないことをしているのかがわかるはずだ。
そろそろ落ち着いてくれたであろうと僕は君がいつもの様子に戻ったのを確認してからもう一度言うよ。
「僕と付き合ってください」
「ごめんなさい」
どうやらまだわかってくれていないようだ。