かんらかんらケだん
ハレとケ。
ハレは非日常、ケは日常。
かんら‐かんら、ごついおっさんが高らかに笑う声。
談はしゃべる、盛んに語る。
ある日の寝苦しい夜。
とづぜん「かんらかんらケだん」って言葉が閃いた。
そうして、なんとなく口にしてみた自分。
もの凄く殴りたい!
「高尾どの高尾どの!見て、見てくだされ。このおなご。なんと破廉恥な」
「うわはははははっはは!!」
「……」
なんか甲冑着た落武者みたいなおっさんが召喚された。
幽霊らしく、切りかかってもなにしても俺にダメージは一切無い。
だけど、おっさんの攻撃をよけた時にうっかり点いたテレビを見て。
「うわっはははははっーーくぅうう」
バシバシと膝をたたきながら、おっさんが深夜テレビを見ている。
高らかに笑った後、長ったらしく解説するのがうっとおしい。
意味が分からない。
「かんらかんらケだん」
絶対に唱えてはならない呪文だ。
おっさんの名前は三浦義意。wikiで調べるとなんとも微妙な豪傑だ。
俺は一体どうしたらいいのだろうか?
とりあえず、最近寝不足でストレスがマッハ。
なんとも楽しそうなおっさん。
「かんらかんらケだん」の反対を唱えればお帰りいただけるだろうか?
「んだケらんからんか」は意味が無かった。
非日常はあこがれるけども、こういう日常はちょっといらない。