裏42話 水着回
注意、今日は二話連続投稿です。ブックマークから来た人は注意してください。42話を読んでない人は『前の話』をクリックしてください。
ちなみにこの話は作者の都合で時空が歪んでます。
リンガはクラリスよりも西にある都市国家だ。南北キリシアでは最大、帝国全体では三番目の規模の港を持つ。リンガが大きな港を持ち、物流の拠点という地位に着くことができたのはアンダールス一世とクラリスのおかげだ。
アンダールス一世は東征での兵站を支えるためにリンガに港を整備した。東征が打ち切られたあとは西方から物産を集めてクラリスに送り、クラリスに集まった東方の物産を西方全体に運ぶという中継貿易で栄えた。帝国から独立したあとはその経済力で西方最大規模の海軍を編成し、都市国家連合の制海権の維持に貢献した。
「というのがリンガの歴史です。まあ海軍は帝国海軍に敗れて海の藻屑になってしまったようですが……って聞いてますか!」
「すまん寝てた。取り敢えずアンダールス一世が港を整備するために莫大な資金を費やしたところまで起きてた。その後は?」
ハルトは目を擦りながら聞いた。アルトでの用をすましたハルトたちはリンガに向かっているのだ。その道中にロアにリンガの成り立ちについて説明してもらっていたのだ。
「全然聞いてないじゃないですか! 三分の一くらいですよ。そこの部分は」
「ロアの説明長すぎ。もっと簡潔に言ってよ。私はリンガが漁業で栄えたあたりから寝落ちしたからそこからよろしく」
アイーシャはあくびをして言う。ロアは頬を膨らました。
「そこは説明してから十分くらいしか経ってません! 十分の一ですよ」
「大体都市国家一つの説明で百分も使ってる方がおかしいんだよ」
「な! これでも短い方です。文化とか経済史とか偉人エピソードも交えるとあと三倍は必要です」
ハルトとアイーシャは大きなため息をついた。アイーシャはめんどくさそうに言う。
「取り敢えず過去はもういいから今の話してよ。どうなってるの? 帝国に支配されてどう変わったの?」
するとロアは目線を宙に浮かせた。
「えっとそれはですね……」
「もしかして知らない?」
「……」
アイーシャは深いため息をついた。ロアは肩を震わせながら怒鳴る。
「な、何か悪いですか? まだそんな新し情報は本には書いてないんですよ!」
ハルトはアイーシャに掴みかかる勢いのロアを止めて言う。
「今のリンガについては俺が知ってるから問題ないよ。話によればリンガには帝国の艦隊が置かれてるみたいだよ。あのヒュピア将軍の精鋭艦隊だそうだ。一応早期に降伏したから比較的寛容な支配がされてるらしい。商売する上なら何の問題もない」
ハルトはロアをフォローする。アイーシャは大きく頷いた。
「そうそう。そういう情報が欲しいんだよ。歴史とかどうでもいいから」
「……殴っていいですか?」
ロアは拳を握り締める。ハルトは二人の間に割って入り、喧嘩を止めた。
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城門にいたのはキリシア人だった。つまり警吏などの治安維持組織は解体されていないようだ。帝国もできれば費用を浮かせたいのだろう。リンガもクラリスと同じように親帝国派の都市国家なのだ。
ハルトたちは取り敢えず砂浜に向かった。つまり観光だ。支店の購入はいつでもできるというのがロアとアイーシャの言い分だ。それなら観光もいつでもできるだろうとハルトは思ったが、口には出さなかった。面倒なことになりそうだからだ。
「うわあ、海ですよ。海。すごいですね!」
「これが海かあ。なんだか砂漠に似てるね」
海を初めてみるロアとアイーシャは大はしゃぎだ。一方海に囲まれた島国育ちのハルトからすれば海は大して珍しくない。ただのでかい水たまりだ。
「うわあ、しょっぱい!」
「すごいですね。海水全部を塩に加工したらどれくらい取れるんでしょう? 大儲けですよ」
そんな大量に塩を量産したら値崩れして経済が大変なことになりそうだとハルトは思った。口には出さない。折角楽しんで居るところに水を差すような真似はしない。
「ところでハルトさん。あの人たちは何で下着姿でいるんですか?」
「本当だ。羞恥心とか無いの?」
ロアとアイーシャは砂浜で遊んでいる他の観光客を指さす。
「あれは水着だ。海に入ると濡れるだろ? 濡れてもいいようにああいうのを着るんだ」
ハルトは水着を着ている人達を眺める。ビキニにワンピース型、ブーメラン型など種類がかなり豊富だ。
(あれ何で出来てるんだろ……ナイロンか? いやそんなものあるはずないよな。ということは絹か? そう言えば初期の水着は絹で出来ていたとどっかで見たような気がするぞ)
ハルトはそんなことを思った。それにしても先進的だ。今まで気にしてこなかったがロアもアイーシャもブラジャーを付けている。時代錯誤甚だしい。おそらく地球人が絡んでいるんだろう。
「でもあれ下着ですよね?」
ロアは顔を少し赤らめながら言う。
「いや、水着だろ。水着と下着は別ものさ」
「そんなものですか……ところで私に着てほしいですか?」
ハルトは水着を着ているロアを想像する。ビキニとワンピースどちらが似合うだろうか。たぶんどっちも似合うだろうが。
「にやけないでくださいよ……分かりました。買いに行きますね。アイーシャさんも来ますか?」
ロアはアイーシャを誘う。一人で破廉恥?な恰好をするのは心細いのだろう。
「えっと私はその、そういう肌を晒すのはちょっと」
砂漠では常に太陽が降り注いでいる。だから肌を晒すのは避けるのだ。それが風習となり、女性はみだりに肌を晒してはならないという慣習になっているのだ。つまり砂漠の民の女性にとって肌を晒すのは一番避けることだ。実際アイーシャは夏でも半袖にならない。
アイーシャが断るとロアはにんまりと笑う。
「そうですか。残念です。じゃあ私だけハルトさんのために着てきますね。ハルトさんの為ならこれくらい全然平気ですから」
ロアの挑発的な言葉を聞いてアイーシャは叫ぶ。
「やっぱり私も行く!」
二人は水着を売って居る店に駆けていく。ハルトは二人を期待の込めたまなざしで見送った。
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「あれ? お前ら水着はどうした」
しばらくして戻ってきた二人は白い半袖のTシャツと短パンを履いていた。メイド服じゃないロアも半袖のアイーシャも新鮮ではあるが、ハルトが見たいのは水着だ。
「着てますよ。下にですけど。これから脱いで場を盛り上げるわけです」
「なるほど。サービス精神旺盛だな」
ハルトはちらっとアイーシャを見る。半袖の状態でも恥ずかしそうだ。
「それにしても何で暑いんですかね? 今は十二月ですよ」
「リンガだけ時空がねじ曲がってるんだろ。そんなことよりも早く脱げよ。読者が待ってるぞ」
「分かってますよ。でも心の準備が必要なんです。ほらアイーシャさん見てくださいよ。さっきから一言も発してませんよ」
ハルトはそう言われてアイーシャを見る。顔を赤くして俯いている。
「別に嫌なら脱がなくていいんだぞ?」
ハルトがそう言うとアイーシャは顔を上げて首を大きく横に振った。
「いや、別に嫌じゃないけど。ほら、その、心の準備がさあ」
恥ずかしがっているアイーシャはとても新鮮だ。
「ところでハルトさんは水着着ないんですか? 私たちにだけ脱がせるのは不公平です」
「ああ大丈夫だ。すでに下に着ている。何なら俺が最初に脱ぐか?」
ハルトはそう言って服を脱いで水着になった。服をたたんでロアとアイーシャを見ると、二人とも顔を真っ赤にして手で顔を覆い隠している。
「何やってるんだよ。特にロア。何度も見合った仲だろ?」
「いやだってこういうのは新しいじゃないですか。なんか雰囲気というか。お風呂で脱ぐのは当然ですが外で脱ぐのは変でしょう?」
手で顔を覆い隠しながら言った。指の隙間からこちらをチラチラ見ているのはご愛嬌だ。
「とにかく俺も脱いだんだからお前らも早く脱げよ」
ハルトがそう言って急かすと、ロアはズボンに手をかけた。
「下から行くのか」
「そっちの方が盛り上がるでしょう?」
ロアはそう言ってズボンを脱いだ。白い腿と黒い生地が姿を現す。
「黒か」
「そんなしみじみとした声を出さないで下さいよ」
ロアはそう言ってシャツを掴んで下に伸ばし、隠そうとする。隠れるわけないが、思わずやってしまったのだろう。そのしぐさがとても可愛らしい。
「とりゃあ!」
アイーシャがそんな声を上げてズボンを突然脱いだ。褐色色の健康的な腿と白い生地が姿を現した。
「なるほど、こっちは白。色の対比がいいな」
「そ、そんなにじろじろ見ないで!」
アイーシャはもじもじする。
「あとは上だけですか。いっせいので脱ぎましょう」
そう言ってロアとアイーシャは上のシャツも脱ぎ捨てた。
「二人ともビキニか……うん、いいな」
ハルトは二人のビキニ姿を眺めた。ロアは黒い生地のビキニだ。白い肌に良く似合っている。一方アイーシャは白いビキニだ。こっちも褐色の肌に良く似合っていた。
「どうですか?」
「どうかな?」
二人は肌をほんのりピンクに染めながらハルトに聞いた。
「うん、似合って居るよ!」
ハルトは大きく頷いた。
こうして見るとやはりアイーシャの胸は大きい。Eはあるのではないだろうか?腰も括れている為胸とお尻が際立って見える。足と腕はすらっとしていて長い。とても素晴らしいスタイルだ。
一方ロアも負けていない。胸はアイーシャと比べると小さいがそれなりの膨らみを持って居る。お椀型というやつだ。腰もしっかりと括れていてお尻もしっかりと出ている。汗ばんだ白い肌がとてもエロい。
(そう言えばこいつら美少女だった)
ハルトは思いなおした。普段から一緒にいるせいで忘れがちだが二人は美少女なのだ。こんな美少女二人に言い寄られる自分はなんて幸せなんだろう。異世界様様だ。なにしろこんな超美少女を生み出し、ハルトを呼んでくれたのだから。
(素晴らしいのは夢じゃないことだ!)
両親が死んでいろいろ不幸な目にあってきたハルトだが、今は幸せだ。最高だ。今死んでもいいかもしれない。いや、それは言い過ぎだが。
「ハルトさん? どうしました」
ロアは明後日の方向を向いているハルトに声をかけ、顔を近づけた。
「いや、ちょっと幸せを感じてたところだよ」
ハルトはロアの胸の谷間をチラ見しながら言った。
「ところでハルトって泳げる?」
アイーシャがハルトに抱き付きながら言った。腕を寄せて胸に押し付ける。肌を晒してしまったのだからいっそ一気に攻めてしまおうという気なのだろう。
「泳げるよ。泳げないなら教えようか?」
泳ぎを教えるためにはアイーシャの肌に触れる必要がある。仕方ないことなのだ。そう、致し方がないことだ。決して邪な考えがあるわけではない。
「じゃあ私もお願いします。私も泳げないんです」
ロアもアイーシャに負けじとハルトの腕に絡みつき、胸を押し付ける。ハルトは生唾を飲み込んだ。
「分かった。まあ三日もあれば多少泳げるようになるだろうからな。よし行くぞ」
こうしてハルトとロアとアイーシャは三日間、海で遊んだ。
少し簡潔にしました。具体的に言うと今まで書いていた各石鹸の材料費を一つにまとめました。ついでに傭兵の給料とか奴隷の維持費も一まとめにしました。
収入 7000万(石鹸20万個)+2億(高級石鹸5万個)+5000万(牛乳石鹸1万個)合計3億2000万
支出 7142万(材料費)1875万(人経費)8000万(従業員の買収費用)6000万(奴隷二百人)8億(工場の土地)8億(アスマ商会本部)3億5千万(支店)100万(旅費)960万(売上税)3200万(所得税)合計22億2277万
売上-支出=-19億2277万
負債 0
残金 8億3473万
実質残金 8億3473万
奴隷 200
従業員
会計担当兼奴隷取締役 ロア・サマラス
会計輔佐 デニス →給料45万
現場指揮 アッシュ兄弟(姉妹)→給料20万
正規雇用労働者 20人→給料15万
傭兵 ラスク&プリン ラング・タルト
労働者 200人(第1工場100人・第2工場100人)




