表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界商売記  作者: 桜木桜
第三章 拡大編 第三部
37/60

第36話 決戦

戦争描写は自信ない。

 「丘は取られてしまったか……兵力でも地の利でも負けるとは」

 フリードリヒは丘の上に堂々と布陣する帝国軍を睨んだ。


 王国軍が王都を出撃したのはザルトラン辺境伯の敗北の報が届いてから次の日だった。その後四日かけてゲリア平原に到着した。王国軍が到着した時にはすでに帝国軍はゲリア平原の高台に陣を張っていたのだ。


 「制海権を奪われたのが痛かったな」

 フリードリヒは苦々しく呟く。


 もし帝国が制海権を奪えなかったら、帝国は兵站を陸路に頼らなくてはならない。兵站が覚束なければ帝国は短期決戦のために王国深くまで進軍する必要がある。後は伸びた兵站を騎兵の機動力で潰したり、地の利を生かして奇襲をかけることもできた。


 「まあ、過ぎてしまったことは仕方がない。それにわが軍は騎兵が中心。このゲリア平原は騎兵を使うにはもってこいの場所だ」

 フリードリヒは開き直った。兵力では負けていても練度では王国軍が上だろう。フリードリヒには勝利する自信があった。


 「懐かしいな。第四次帝王戦争ではこの平原で帝国軍を打ち破り、余は王位を手にしたのだ」

 フリードリヒは思いを馳せた。


______


 「それにしても遅い到着だな。王国軍は。丸一日待ってしまったぞ」

 ウェストリアは王国軍を眺めながら言った。余裕の表情だ。

 「王国が街道があまり整備されていませんからな。それに飢饉で兵糧が思うように集まらなかったのでしょう」

 マルクスは答える。


 「さて敵はどれくらいの兵力だ?」

 ウェストリアは遠眼鏡で王国軍を眺める。

 「大体歩兵は十万、重騎兵が三万、軽騎兵が五万、竜騎兵が二百といったところでしょう」

 つまり総勢十八万。帝国軍が約二十七万であることを考えれば数ではかなり有利だ。

 「どうだ。勝てるか?」

 ウェストリアがマルクスに聞く。マルクスは大きく頷いた。

 「質では負けていますが、そこは数でカバーして見せましょう。敵に騎兵が後二万ほどあったら厳しかったですが」

 マルクスの答えを聞いてウェストリアは満足げな表情を浮かべる。

 「必ず勝ってくれ。この戦で勝てば我々の勝利は確定だからな」


_____


 帝国軍は中央に歩兵二十万、右側面には軽騎兵二万、左側面に重騎兵一万と騎馬民族一万を配置した。王国の騎兵による側面攻撃を警戒しての布陣だ。また歩兵の後ろには大砲五十門と平衡錘投石器(トレビュシェット)三十機が並ぶ。歩兵は前列と後列に分けられ、間に砂漠の民三百、戦象五百、重装歩兵三万が配置された。ウェストリアとマルクスのいる本陣はこの重装歩兵の中だ。


 これを見たフリードリヒは中央に歩兵十万、右側面には重騎兵三万を、左側面には軽騎兵五万を配置した。王国の騎兵の突撃力を信じての布陣だ。また歩兵は中央に隙間を作り、後ろに竜騎兵を配置した。帝国の二十万を竜騎兵の破壊力で抜くためだ。


 王国軍はゆっくりと前進を始める。


 後にゲリア平原の戦いと呼ばれる戦いが始まろうとしていた。


______



 王国軍が進軍を始めてしばらくすると、大砲と平衡錘投石器(トレビュシェット)の射程圏内に入る。王国軍を岩や砲弾、火薬の入った陶器が襲った。

 岩や砲弾が兵馬を押しつぶし、陶器の破片が兵馬の体を切り裂いていく。帝国の一方的な攻撃だ。


 「騎兵を突撃させろ!」

 帝国の一方的な攻撃を止めるため、フリードリヒは王国の騎兵に突撃を命じる。帝国軍は王国の騎兵に攻撃を加えるが、騎兵の勢いは衰えない。

 王国の騎兵は帝国軍の側面に回り込もうとし、帝国の騎兵がそれを阻止する。


 「右翼は優勢で左翼は拮抗状態か……」

 右翼の王国重騎兵は帝国軽騎兵二万を押し込んでいた。突撃力は重騎兵の方が軽騎兵よりも優れている。練度の差でも数でも優っている王国騎兵が有利だった。


 一方左翼の王国軽騎兵は帝国重騎兵一万と騎馬民族一万に押しとどめられていた。数の上では王国が二倍以上だが、重騎兵は防御力が高い。さらに厄介なのは騎馬民族が放つ矢だ。軽騎兵は重騎兵に比べると軽装で、矢による攻撃に弱い。重騎兵により動きを阻まれた後、弓によって射殺されてしまうのだ。


 「あと軽騎兵が一万もいれば戦況はこちらに傾くのだが……」

 フリードリヒは帝国に加担している騎馬民族を睨んだ。本来は王国の軽騎兵は六万だったのだ。だが北東の騎馬民族が不穏な動きを見せていたため、どうしても一万を北東に送る必要があったのだ。

 

 帝国軍に騎馬民族が加わっている以上、帝国と騎馬民族の同盟は確定だ。おそらく王国領土を山分けする条約と取り付けているのだろう。


 「側面に圧力を加えられただけども良しとしよう。中央から崩せばいい。……竜騎兵を動かせ!!」

 ついに竜騎兵が動き出した。


_____


 「ふむ、右翼は劣勢、左翼は拮抗か。中央の歩兵は……優勢だな。まあ歩兵は二倍だから当然だが」

 ウェストリアは遠眼鏡を覗きながら呑気に言った。今のところ計算通りに進んでいる。

 「次は一時撤退か竜騎兵のどちらかですな。フリードリヒ王の性格なら撤退はあり得ませんが」

 マルクスは顎に手を当てて言う。二人とも冷静だ。

 「お! 王国の歩兵が動いたぞ」

 ウェストリアは遠眼鏡を覗きながら言った。


 王国の歩兵は左右に分かれ、隙間ができる。そこから現れたのは竜騎兵だ。

 「おお! やはり竜騎兵はかっこいいな。本当になんで廃止してしまったのか……」

 ウェストリアは王国の竜騎兵を見ながら楽しそうに言う。ウェストリアとマルクスが呑気に会話をしている内に竜騎兵は加速を続け、帝国歩兵に突撃した。


 「すさまじい破壊力ですな……」

 「こちらの歩兵が手も足も出ない……」

 ウェストリアとマルクスの顔に焦りが見え始める。帝国の歩兵は竜騎兵から雲の子を散らすように逃げていく。


 「前列、壊滅しました!!」


 誰かの声が響く。


 「前列は十万だったはずですが……」

 「わずか二百の竜騎兵に崩されるとはな。まったくだらしがない」

 ウェストリアとマルクスは緊張した顔で言った。王国の竜騎兵はすぐそこまで迫っていた。


 「頼んだぞファリス。お前が頼りだ」

 ウェストリアは迫る王国軍を睨んだ。


_______



 「大したことないな。帝国軍は!!」

 竜騎兵隊隊長、アヒム大佐は叫んだ。アヒム率いる竜騎兵が突撃すると、帝国軍はあっという間に崩れていく。何人かは運の悪い隊員は弓で射落とされたが、大勢に影響はない。

 「何万用意しようが竜騎兵の突撃は止められんよ。帝国の軟弱な兵ではな!!」

 

 地竜は馬の約二倍の速度で走ることができる。体重も馬の数倍だ。騎馬突撃とは破壊力が違うのだ。また地竜の皮膚は非常に硬い。人間が振るう槍では貫くことは敵わない。槍の密集陣形である程度防ぐことのできる騎馬突撃とは違い、竜騎兵の突撃を防ぐことは不可能だ。


 「ん? あれは象か。まさか象で我々の突撃を防げると思ったのか?」

 アヒムは鼻で笑う。地竜とはいえ象に踏みつぶされればひとたまりもない。だがそれは踏みつぶされればの話だ。竜騎兵の速度に象がついてこられるとは思えない。


 「象の鼻と足を斬りつけてやれ!!」 

 アヒムは指示を出す。斬りつけられた象は大暴走するだろう。帝国軍が味合う大惨事を思い、アヒムはニヤリと笑った。


 しばらくすると帝国軍の前列を抜ける。ここまで押し切られてしまえば中央は崩壊したも同然だろう。アヒム率いる竜騎兵隊は戦象五百頭が守る帝国軍本陣に突撃しようとする。


 「ん?」

 アヒムは目を凝らした。象の目の前に歩兵が並んでいたのだ。数は約三百。彼らは全員大人の腕ほどもある槍を持っていた。肌の色は褐色であることからロマーノ人でもガリア人でもゲルマニス人でもないことが分かる。彼らは竜騎兵をまっすぐ見つめて微動だにしない。


 「帝国軍にも勇猛な兵がいるということか。だが我ら竜騎兵は人の力では止まらんぞ!」

 アヒムは三百の歩兵の中で一際屈強そうな男に地竜を向けた。


 「「死ね!!」」

 二人の声が重なった。


_____



 「隊長、地竜が来ました」

 砂漠の民の男がファリスに言った。ファリスは地竜を睨んだまま軽く頷く。

 「お前ら、久しぶりの狩りだ。あまり羽目を外し過ぎるなよ」

 ファリスの言葉に砂漠の民達がにやりと笑う。


 竜騎兵が砂漠の民を蹂躙するために速度を上げる。竜騎兵の先頭がファリスに襲い掛かった。


 「「死ね!!」」

 ファリスはそう言って跳躍して竜騎兵を躱す。そして持っていた槍を竜に叩きつけた。ガラスが割れるような音とともに地竜の鱗が砕け散り、騎手の体が吹きとぶ。

 「如何に速くとも、如何にその牙が強靭であろうとも、上から叩き斬れば地竜は殺せる」


 ファリスが先頭の地竜を殺したのを合図に、砂漠の民が地竜に襲い掛かった。


 それは殺戮だった。砂漠の民は次々と地竜を殺していく。地竜は自分の半分の大きさもない砂漠の民になすすべもない。


 「死ね! 化け物が!!」

 竜騎兵が砂漠の民の少女に襲い掛かる。少女は地竜の牙をあっさりと避け、槍で騎手を吹き飛ばした。乗り手を失った地竜は怯えて逃げていく。

 「みんな興奮し過ぎ。地竜じゃなくて騎手を殺せば簡単なのに。まあ気持ちは分かるけどさあ」

 少女はため息をつく。

 「戦友の敵だ!!」

 「ぶっ殺してやる!!」

 二騎の竜騎兵が再び少女に襲い掛かる。竜騎兵は少女を左右から挟み撃ちにしようとする。

 

 「ちっ」

 少女は舌打ちをして飛び上がった。勢い余った竜騎兵は衝突する。

 「うるせえんだよ、トカゲ野郎!!」

 

 少女はそう叫んで地竜に槍を振るう。二頭の地竜は騎手ごと吹き飛ばされる。吹き飛ばされた地竜は怯えたように体を竦ませてから騎手を踏みつぶしながら逃げていく。


 騎手を失った地竜は砂漠の民に追い立てられるように逃げていく。逃げる先は王国歩兵のいる方向だ。意気揚々と帝国軍本陣に向かう王国歩兵に暴走した地竜が襲い掛かった。

 想定していなかった事態に王国歩兵は浮足立つ。


 そこに止めと言わんばかりに戦象が突撃した。四十キロにまで加速した五千キロ以上の巨体が王国歩兵を踏みつぶしていく。


 戦況は大きく帝国に傾いていた。


______


 「さすがファリスだ!! よくやった!」

 「本当に連れてきて良かったですなあ」

 ウェストリアとマルクスは興奮しきった顔で言った。


 元々竜騎兵は歩兵十万で足止めし、大砲と火の秘薬で殺すつもりだったのだ。だがもし歩兵十万では止められなかった場合、帝国軍の敗退は確実になる。だからウェストリアは急遽、砂漠の民を連れてきたのだ。

 

 「それにしてもエンダールス帝は歩兵三万で竜騎兵三百を完封したというのに……我々の歩兵は十万で二百の竜騎兵も防げないのか。我が国の兵は随分と弱くなったものだ」

 ウェストリアはため息をついた。

 「とはいえ戦況がこちらに傾いたのだ。今が好機。突撃するぞ」

 「本当に陛下みずから突撃なされるつもりですか?」

 マルクスは鎧を着こみ、宝剣竜殺し(ドラゴンキラー)を腰に下げて馬にまたがるウェストリアを心配そうな目で見ながら言った。


 「ああ、少しはいいところを見せないとくっ付いて来ただけなんて言われるからな。後のことを考えるとこういうところで点数を稼がないとな。心配するな。俺には矢避けの加護と剣の加護を持っているから」

 「そうですか……くれぐれも無理はなさらないでくださいね」

 マルクスはウェストリアに念を押す。ウェストリアは軽く頷く。


 「さあ、行くぞ!!」

 ウェストリアがそう叫んで、重装歩兵と後列の歩兵を率いて王国軍に突撃した。


 王国軍の歩兵は地竜と戦象、砂漠の民によって大混乱していた。そこに十三万の大軍が突撃したのだからたまらない。王国軍の歩兵は壊滅した。本隊である歩兵十万が壊滅したことで王国軍は撤退を始める。帝国騎兵を相手に有利に戦っていた王国騎兵も撤退に従わざるを得ず、帝国騎兵の激しい追撃を受けた。


_______



 「陛下!! 私頑張ったよ」

 クレアは王国軍を追撃している最中にウェストリアを見つけて声をかけた。

 「さすがだクレア。お前のおかげだよ」

 ウェストリアは笑いながら片手で馬を操作しながらクレアの頭を撫でた。

 

 「陛下!!」

 再び声が聞こえる。ウェストリアとクレアが声のした方を向くとファリスがいた。

 「どうした? お前も撫でて欲しいのか? 生憎俺には男の頭を撫でる趣味は……」

 ウェストリアが上機嫌で言った。帝国の勝利がゆるぎない状態になったのがうれしいのだろう。

 「違います!! ここは危険です。そろそろ戻られた方がいいと思います」

 ファリスはウェストリアに進言する。


 「いや、まだ一人も敵将を討ってないんだぞ? 手ぶらで帰るのはなあ」

 ウェストリアが不満そうに言う。


 「陛下!! 地竜です!!」

 重装歩兵の一人が叫ぶ。とっさにウェストリアは背後を振り返るとそこには地竜が迫っていた。ウェストリアは慌てて馬を操作し、地竜を躱す。地竜は鼻息を荒くしながら振り返り、再びウェストリアに襲い掛かる。

 「生きの良い奴だな」

 ウェストリアはにやりと笑うと、跳躍して地竜に飛び乗った。地竜は暴れるが、ウェストリアが地竜に何かを話しかけると大人しくなる。


 「陛下!! なんて危険なことを!!」

 ファリスは真っ青な顔で言った。ウェストリアはその言葉を無視して言う。

 「ファリス、お前は俺の馬に乗れ。命令だ」

 ウェストリアの命令に逆らうわけにはいかない。ファリスはウェストリアの馬に跨る。


 「こいつの話によるとここからすぐ西の方にフリードリヒ五世がいるらしい。おそらく乱戦ではぐれたのだろうな。クレア、ファリス。一緒にフリードリヒを殺しに行くぞ。お前らがついて来ないなら俺は一人で行くが」

 ウェストリアの言葉に二人はため息をつく。

 「もう、陛下ったら。しょうがないんだから」

 「分かりました。止めても無駄でしょう。せめて守らせていただきます」

 二人の返答にウェストリアは満足げに頷く。


 三人は西に向かった。


______

 

 フリードリヒとその護衛は全力で馬を走らせていた。なぜなら戦場の真ん中に居るからだ。

 フリードリヒは歩兵の後列に本陣を置いていた。だが歩兵が象と地竜によって壊滅したことで本陣も壊滅。フリードリヒは象に潰されないように逃げているうちに本隊とはぐれてしまったのだ。


 「陛下!! もうすぐ戦場から離脱できます」

 「ああ、まったく。こんなことになるとは……」

 フリードリヒは呟いた。途中までは完全に王国が優勢だったのだ。それが竜騎兵の敗北で完全に崩れてしまった。


 「急いで王都に戻り軍を再編成しましょう。王都だけは守りぬかなくて、ッガ」

 フリードリヒと並走していた騎士がうめき声を上げて落馬する。その背には矢が刺さっていた。

 次々とフリードリヒを守っていた騎士が射殺されていく。フリードリヒが慌てて後ろを振り返るとそこには地竜に跨った青年と二人の騎兵がいた。騎兵のうちの一人は弓を携えている。


 「フリードリヒ五世、覚悟!!」

 地竜に跨った青年が叫ぶ。慌てて周りの騎士たちが三人を撃退しに向かう。


 「「陛下の邪魔をするなあ!!」」

 騎兵のうち、大人の腕ほどの槍を持った青年が騎士たちを吹き飛ばし、弓を携えた騎兵が騎士を射殺す。


 「ありがとな、クレア、ファリス!!]

 地竜に跨った青年は二人の騎兵にそう言ってフリードリヒに迫る。


 「名は何と言う。青年」

 観念したフリードリヒは青年に向き直って尋ねる。青年はニヤリと笑う。

 「ウェストリア一世、帝国皇帝だ。その命、踏み台にさせて貰おう」

 そう言ってウェストリアは宝剣竜殺し(ドラゴンキラー)を引き抜く。太陽の光を受けて美しく光る剣がフリードリヒの首を跳ね飛ばした。


 こうしてゲリア平原の戦いは帝国の圧勝で終結した。


__________

 

 王国大敗とフリードリヒ五世の討死の報はその日のうちに王都に伝わった。


 「ど、どうする、元帥!!」

 王国王太子は陸軍元帥に意見を求める。元帥は額の汗を拭きながら答える。

 

 「まずは比較的損害の小さい騎兵を使って帝国軍をできるだけ足止めしましょう。ゲリア平原より東は伏兵に適した地形が多いですから。その間に諸侯に呼びかけて兵を再編成し、王都に立てこもるのです。帝国の兵は徴兵された兵が中心。戦が長引けば故郷が恋しくなり、士気は低下します。それを狙って講和するしか……」

 「急報です!!」

 元帥の言葉を遮るように声が響き渡った。元帥は声を上げた兵を睨む。


 「何だ。今我々は殿下と重要な会議をしているのだぞ?」

 「申し訳ございません、閣下。ですが至急陛下のお耳に入れておきたいことが!!」

 肩で息をしながら兵は言った。王太子は元帥を下がらせ、兵に発言を許可する。


 「騎馬民族三万が我が国の軽騎兵一万を破り、国境を越えました! 略奪を続けながら南下しています。また、ドレイス伯爵、ライフェルス侯爵、ハノール公爵が謀反を起こしました! この王都へ兵を進めています!!」


 王太子は頭を抱えて倒れた。

帝国軍

歩兵十五万(損失五万)

重装歩兵三万(ほとんどなし)

重騎兵九千(一千)

軽騎兵一万五千(五千)

騎馬民族一万(ほとんどなし)

戦象五百(ほとんどなし)

砂漠の民三百(ほとんどなし)

______


王国軍

歩兵四万(損失六万)

重装歩兵二万(損失一万)

軽騎兵三万(損失二万)

竜騎兵(全滅)


______

 new!

騎馬民族三万

反乱貴族軍二万

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ