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異世界商売記  作者: 桜木桜
第三章 拡大編 第一部
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第19話 嘘

 「すごい!もう読めるようになるなんて。」

 「まあ、言葉を覚えるのは得意なんだ。」


 ハルトはアイーシャと図書館に来ていた。暇を見つけて1か月間図書館に通った結果、ハルトは砂漠の民の言葉を完全に覚えることができた。


 「得意ねえ……それ嘘でしょ。たぶん加護……。違う?」

 そう言ってアイーシャは目を細める。

 「さあ?俺は昔から覚えるのが得意だったからな。そう言われてみればそうかもしれない。」

 ハルトがとぼけると、アイーシャはハルトの目を見つめる。


 「今少し瞳が動いた。心拍数が少し上がってる。砂漠の民の五感をなめないで。」

 嘘は通用しないらしい。ハルトは降参した、というように手を挙げた。


 「まあ、加護は普通隠すものだから別に気にしないけどね。代わりといったら何だけど、私の加護も教えてあげる。私の加護は『闘争の加護』。身体能力を常人の数十倍に引き上げる加護だよ。砂漠の民はみんな持ってるから珍しくはないけどね。」

 アイーシャは笑って言った。ハルトはため息をつく。


 「それチートすぎないか?嘘が分かるなんて。商人殺しだな。」

 「まあね。でも私たちでも見抜けないほど上手に嘘を付ける人はいるよ。砂漠の民と商売しているクラリスの商人の一部は心を隠すのがすごく上手い。」

 「隠す方法もあるのか……。訓練させてもらえないか?俺も砂漠の民と商売するかもしれないからさ。」

 アイーシャは苦笑する。


 「私も砂漠の民なんだけど……。いいよ。じゃあ特訓しよう。そうだなあ……試しに嘘ついてみて。」

 「俺は王国出身何だ。」

 ハルトが嘘をつくと、アイーシャは首を横に振った。


 「全然だめだね。さっきよりも悪いよ。大事なのは嘘がばれないように意識するんじゃなくて、嘘なんてついてないって思いこむこと。嘘の中に本当のことを混ぜると上手くいくよ。」

 ハルトは少し考えてから、新しく嘘を言う。


 「俺のしてる借金は3000万だよ。」

 この場合借金をしているのは本当だが、額は2000万なので嘘だ。

 

 「あ!いい感じだよ。この調子で続けようか?」

 「嘘の練習は家でもできるからいいよ。それより砂漠の民について教えてくれ。お前らの言葉で書いてあった本はある程度読んだからなんとなく分かるけど。」

 

 ハルトはどうしてもココナッツオイルが欲しかった。ココナッツオイルは石鹸を固くする効果がある。だがココナッツは東方が原産だ。砂漠の民との交易で手に入れるしかない。交易をするなら砂漠の民について知っておいて損はない。


 「別にいいですよ。何が聞きたいんですか?」

 「そうだな。お前らは狩猟と交易で生計を立ててると書いてあったが……。砂漠では何を狩ってるんだ?」

 ハルトが聞くと、アイーシャは快く答える。


 「竜を狩ってるよ。肉は食べれるし、鱗や牙は装飾品になるから。あ!竜といっても肉食の竜だから。クラリスでよく歩いてる間抜けそうな……失礼、穏やかそうな草食の奴じゃないよ。」

 ハルトはユージェックの飼っている竜を思い浮かべる。たしかにあの竜は間抜けそうな顔をしていた。どうして人を襲わないのか疑問だったが、草食だったらしい。たしかにあの口では肉は食べれないだろう。


 「それに狩猟や交易だけで食べている訳じゃないよ?オアシスで農業や牧畜もやってるから。あと最近は魔石の発掘とかかな?」

 「採掘もしてるのか?」

 砂漠の民が鉱山で地面を掘っている姿は想像し難い。ハルトは思わず聞き返した。


 「すこしだけだよ。私たちに採掘の技術なんてほとんどないから。少し堀だけで結構出てくるから大きい鉱脈なのは分かるんだけどね。西の人間に技術を教えてもらおうっていう話もあったんだけど、クラリスとは紛争になっちゃったからね……。」

 アイーシャは残念そうにつぶやく。


 「そう言えばどうしてクラリスと砂漠の民の間で紛争が起こったんだ?交易もしてたんだからそこまで険悪な仲じゃなかったんだろう?」

 ハルトの疑問にアイーシャが答える。


 「大森林の領有権だよ。砂漠の民は昔から大森林の資源を利用していたんだよ。でも大森林はクラリスの領土でもあるんだ。砂漠の民は私有権の概念が薄いから、今までクラリスが領有権を主張しているなんて気づかなかった。クラリスの方も、大山脈を越えてまで大森林の資源を利用しようなんて考えなかったから、砂漠の民が大森林の資源を使っていることを知らなかった。間抜けな話だよね。でもクラリスの人口が増えたことで大森林にまで手を出すようになってきた。砂漠の民も人口の増加で大森林の資源を利用する機会が増えた。それで衝突したんだよ。」

 

 砂漠は資源、特に水や木材が少ない。大森林の資源は生命線だろう。クラリスも西方では五指に入るほどの人口を有する。クラリスも大森林の豊富な資源は確保したいのだ。

 

 「一時は大山脈はクラリスの領土、大森林は砂漠の民の領土っていう方向にまとまり掛けたんだけどね。どこまでが大山脈で、どこからが大森林で揉めてね。ちょうどその時に砂漠の民の誘拐事件が起きて……それで講和条約は破談になっちゃったっていうわけ。」


 それは運が悪い。ハルトはクラリスの議員に同情する。砂漠の民の言い分を認めて大分譲歩したはずなのに、馬鹿なクラリス人が奴隷狩りを起こして今までの頑張りを台無しにしたのだから。


 「以来、砂漠の民はクラリスとの対話を拒否してる。爺さんたちは頑固だから……。」

 

 アイーシャは遠い目をする。故郷にいる砂漠の民の指導者に思いをはせているのだろう。ここでハルトは疑問に思う。砂漠の民がクラリスとの対話を拒否しているということは、国交断絶状態にあるということだ。いったいクラリスはどうやって東方と交易をしているのだろうか?ハルトはそのことに行いてアイーシャに聞いてみる。


 「砂漠の民もクラリスと交易ができないと困るんだよ。何しろ収入の大部分は交易だからね。だからこっそりと交易をしている人がたくさんいる。爺さんたちはそれを黙認してる。取り締まったら餓死者が出るしね。それに爺さんたちが食べてる高級品は大体クラリスを経由して手に入れた物だから。」


 砂漠の民にも事情があるようだった。つまらない意地を張らないで、お互い譲歩して講和した方が利益が出ると考えてしまうのはハルトが異世界で、部外者だからだろう。


 「なるほどね……。おっと、そろそろ帰らないとな……。戻るか。」

 「そうだね。そう言えば新しく奴隷を買ったんだっけ?」

 「ああ。受け取りに行かないとな。」

 

 ハルトは本を閉じて立ち上がって、アイーシャと一緒に図書館を出る。


 「俺はユージェックのところへ先に向かうから、お前は工場の方に行ってくれ。フードは深くかぶれよ。奴隷狩りに見つかるとめんどくさい。」

 「うん。分かってるよ。」

 

 アイーシャはそう言ってフードを深く被って、ハルトと別れる。ハルトはアイーシャを見送ってから奴隷商館に向かった。


_____


 しばらく歩いていると、緑色の服を着た人間が3人もハルトとすれ違った。砂漠の民だ。


 (そう言えば最近よく見かけるな……。アイーシャと何か関係があるかもな。)


 そんなことを考えていると奴隷商館にたどり着いた。ドアを開けて、受付にユージェックを呼ぶように言う。しばらくするとユージェックが現れた。


 「アスマか……。奴隷ならこっちだ。」

 そう言うユージェックはかなりやつれていた。1か月前より悪い。1か月前に起きた『いろいろ』はまだ解決していないようだ。


 「お前、最近寝てないだろ。」

 「ああ、いろいろあってな……いろいろ。」

 そう答えるユージェックの顔は青い。とはいえ、ハルトがいくら心配しても仕方がない。


 しばらく歩くと。牢に着く。

 「ほら、奴隷だ。確かめろ。」

 投げやり気味にユージェックはハルトに資料を渡す。ハルトは牢に入っている子供と資料を見比べる。

 

 「確かに受け取った。」

 ハルトは奴隷の子供15人を工場に運んだ。


______


 「さて、奴隷の数は60人に増えた。作業の効率化を図るためにグループ分けをしたいと思う。」

 ハルトは子供たちを集めて、宣言した。


 「まず料理班だ。今は4人だが、2人追加する。エミル、お前をリーダーにする。ちゃんと5人を指揮しろ。」

 「は、はい。」

 エミルが緊張気味に返事をした。


 「次に荷馬車班だ。今まで北東出身者4人には馬車を動かすのを手伝ってもらっていたが、今日からそっちを専門にしてもらう。リーダーはソルだ。」

 「はい……。頑張ります。」

 ソルはぎこちないキリス語で返事をした。


 「残り50人は5つの班に分ける。リーダーはイン、ウルス、キル、クロル、サウル。お前らは普段通りに石鹸を作れ。生産数が一番多い班の班員には給料の大銅貨を1枚増やす。」

 ハルトがそう言うと、子供たちの目が輝く。ハルトが解散の命令をだすと早速石鹸を作り始めた。

 

 作業速度はいつもよりも早い。ハルトの目論見道理だ。


 料理、荷馬車、製造の三つに分けて仕事を整理する。製造班はさらに5つの班に分けることで競争を促す。これで石鹸の製造効率は飛躍するはずだ。


 「ハルトさん……。ユージェックさんみたいな顔をしていますよ。」

 ロアに指摘されて、ハルトは顔をもとに戻す。アイーシャが笑って言う。


 「いや、いいんじゃない?私、悪巧みしてるハルトの顔好きだよ。」

 ハルトはそれに苦笑いする。褒めているのか貶しているのか分からない。おそらくほめているのだろうが。


 「さて、俺は遅めの昼食でも食いに、ウンディーヌでも行くか。ロア、お前も来るか?」

 「そうですね。私も行きます。」

 「ずるいなあ。私も行きたい。」

 アイーシャが駄々をこねる。アイーシャは人目があるところに行けない。


 「仕方ないだろ。あと1か月もすれば奴隷狩りも諦めるだろうから。その時に行こう。」

 「そうだね……。」

 ハルトがそう言うと、アイーシャが少し寂しそうな顔をする。ハルトは疑問に思ったが、ロアに袖を引っ張られたのでそのままアイーシャと別れた。


____


 「それで、何か私に話したいことがあるんですか?」

 ウンディーヌに入って席に座り注文を済ませると、ロアが唐突に切り出した。

 

 「まだ何も言ってないのによくわかったな。」

 「ハルトさんの考えてることならなんとなく分かります。アイーシャさんも食事をとっていない状況で、アイーシャさんがいけないウンディーヌで食事をとろうなんて、普段のハルトさんなら言いだしませんから。」


 確かに言われてみればそうだ。少し不自然だったかもしれない。ハルトは少し反省した。


 「大したことじゃないけど……最近砂漠の民をよく見かけないか?」

 「確かに最近多いですね。」

 ハルトに言われて、ロアも思い返す。最近よく緑色の服を見かける。


 「間違いなくアイーシャ関係だと思うが……お前はどう思う?」

 ロアはしばらく悩んでから答える。


 「私もそう思います。でもだとしたらなんでアイーシャさんは私たちに何も言わないんでしょうか?アイーシャさんも気付いているはずです。」

 「思ったんだが、あいつ家出したんじゃないか?それなら説明がつく。」

 

 アイーシャの言い分が正しければ、とっとと砂漠の民と一緒に家に帰ればいい。だがアイーシャは砂漠の民と接触しようとしない。むしろ避けている。つまり帰りたくないのだろう。アイーシャが家出娘だったら、砂漠の民はアイーシャを連れ戻しに来るだろうし、アイーシャは砂漠の民から逃げようとするだろう。


 「となると、奴隷狩りから逃げてるっていうのは嘘だな。」

 「結論を出すのはまだ早いですよ。後でアイーシャさんを問い詰めればいいんです。」

 ロアはそういって串焼きに齧り付く。ソースが口の端に付くが、ロアはそれに気付かず食事を続ける。ハルトはそれが妙に気になったので、ハンカチでロアの口を拭ってやる。


 「ん!教えてくれたら自分でやりますよ!」

 そう言ってハルトからハンカチを取り上げて、自分で口の端を拭く。顔が赤い。


 「お前赤面症だよな。」

 「余計なお世話です。」

 ロアはさらに顔を赤くする。その様子が面白かったので、ハルトは思わず笑った。

 

 「あ!お兄ちゃん、お姉ちゃん。久しぶり!!」

 大きな声を上げて、マリアが近寄ってくる。相変わらず元気がいい。


 「おい。店の中だぞ。あまり大きな声を出すな。」

 ハルトは一応注意しておく。マリアは一瞬ムッとした表情をしたが、納得したようにうなずく。ちゃんと躾が行き届いている。

  

 「マリアちゃん。最近砂漠の民を見かけるけど、何か知らないですか?」

 ロアがマリアに尋ねる。10歳児がそんな事情を知っているはずがないが、聞いておいて損はない。


 「誰か探してるみたいだよ!お店に来ても、忙しそうに周りを見回してるし。中央広場でも噴水の前でずっと人ごみの中を見てたし!」

 有力な情報を得られた。これでアイーシャ家出説の可能性がさらに高まった。


 「それがどうしたの?」 

 不思議そうに首をかしげるマリア。とても可愛らしい。

 「いや、何でもない。少し気になっただけだけだ。」

 そこまで興味がないのか、マリアは深く追求せずに話題を変える。


 最近の勉強の様子や、石鹸の感想、商売の調子など会話を続けていると、マリアが唐突にハルトに聞いた。


 「そう言えば赤ちゃんってどうやったらできるの?」 

 ハルトは飲んでいた水を吹き出しそうになる。マリアの顔はふざけているという風ではなく、純粋な興味からのようで、キラキラと目を輝かせている。


 「コウノトリさんが運んでくるんだよ。」

 ハルトがテンプレで誤魔化すと、マリアはため息をつく。

 「輸送経路じゃなくて、製造方法を聞いてるんだよ。」

 (このクソガキ!)

 思わずイラッと来る。いったいどこでこんな生意気な言葉を覚えたのか……。おそらくロアだろう。


 「マリアちゃんはもう10歳だから誤魔化すのは良くないと思いますよ。ハルトさん。」

 「じゃあお前が説明しろよ。」

 ハルトがそう切り返すと、ロアは頷いて言う。

 

 「分かりました。私が説明します。」

 そのあまりに軽い返答にハルトは少し驚く。ロアなら顔を真っ赤にして、「乙女に何を言わせようとしてるんですか!」くらいの反応を見せると思ったのだが。


 「いいですか。赤ちゃんは子宮で、男性の精子と卵子が結びついてできるんです。」

 本格的に説明をしだす。マリアは興味しんしんだ。


 「どうやって男の人の精子が女の人の子宮に入るの?」

 純粋な目でロアを見つめながら質問する。果たしてこれにどうこたえるのか、ハルトはロアの顔を思わず見る。


 「それはですね……キスです!」

 ハルトは思わず椅子から転げ落ちた。ハルトはロアを引き寄せて耳打ちする。

 「お前それ、本当に言ってるのか?」 

 「え!何か違いました?」

 きょとんとした顔をする。ハルトは思わず額に手を当てた。


 「おお!さすがお姉ちゃん。物知りだね!あ!私そろそろお仕事だから行くね!」

 元気にマリアは去っていく。ハルトはマリアが去っていくのを見送ってから、ロアに改めて聞く。


 「お前本当にキスしたら子供ができると思ってるのか?」 

 「お父さんが教えてくれました。間違いありません。あ!ハルトさんとキスした後、ちゃんと生理きたんで妊娠はしてませんよ。」

 ハルトは本当のことを教えてやるべきか悩む。だがロアはもう14歳だ。さすがにこの年で知らないのは問題だろう。


 「いいか。子供はな……」

 ハルトは軽く性行為について教えてやる。ロアの顔はタコが茹で上がるように赤くなっていく。


 「というか知らないのにどうして俺をベッドの上で挑発してきたんだ?アイーシャに破廉恥って言われた時も、お前そんな関係じゃないって言ったよな?」

 「いや、その……なんとなくです。」

 「何となくか。すごいな。お前天性の変態だな。」

 ハルトがからかうと、ロアはさらに顔を赤くした。おどおどとした表情で、ハルトを見つめて言う。

 

 「ハルトさんは……その……私とそういうことをしたいんですか?」

 難しい質問をされる。肯定すれば白い目で見られ、否定すれば女として見てないという意味になってしまう。ハルトは慎重に言葉を選びながら答える。


 「そうだな……したい、したくないで答えたらしたい。男だからな。でもお前がしたくないのに強要するほど俺は鬼畜になった覚えはないからな。今まで一緒にいたのに手は出さなかったろう?信用してくれ。」

 ハルトの言葉を聞いて、納得したのか安心した表情を見せる。


 「ところでハルトさん。」

 「何だ?」

 「寝てる時に私の胸を揉むのはやめてください。今成長期で痛いんです。」

 痛くなかったら問題ないのだろうか?ハルトは少し疑問に思う。


 「すまんな。記憶にない。無意識にやってるかもしれん。でもお前だって俺の首筋とか耳とかしゃぶってくるだろ。お互い様だ。」

 特に夏は酷かった。おそらくアイスを食べる夢でも見てたのだろう。


 「そうですね……じゃあお互い様ということで。少し長いしてしまいましたね。仕事に戻りましょう。」

 ロアとハルトは立ち上がった。


_____


 その夜。


 「なあ、アイーシャ。お前俺たちに隠してることないか?」

 ハルトはアイーシャに切り出す。アイーシャはびくりと体を震わせてから返答する。


 「な、何のことですか?」

 目が泳いでいる。これは黒と見た方がいいかもしれない。


 「最近さば……」

 ハルトが問い詰めようとしたその時k、ドアをノックする音がした。ハルトはアイーシャにクローゼットへ隠れるように指示して、ドアを開ける。


 「ようアスマ。夜遅くにすまんな。」

 やつれた顔のユージェックがそこにいた。

 「急いでいるんでここで用件を済ませるぞ。」

 ユージェックはそういって口を開いた。


 「アイーシャという砂漠の民を探している。知らないか?」

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