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召喚された異世界、ユニークスキル《ゲーマー》で夢だったケモ娘を全力で育てるストーリー  作者: DxAsis


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3/3

Ep.2 抑えきれない欲望

「今日からここがお前の家だ。厳密に言えば、俺が住む場所すべてがお前の家になる」



 誇るように両手を腰に当てながら、デュランは目の前にある二階建ての建物を仰ぎ見ながら言った。



「とはいえ、ここは俺のものでもない単なる宿屋だ。いつかは緑広がる平穏な地に家を建てる。それまではここで頑張ろう」



 傍らにいる獣人の娘を見遣る。

 購入から数時間が経つ。彼女は未だ前を向いていない。枯れた表情で、不満さえ見せない。希望のない瞳。

 まだ目を合わせてくれない。



「まあ、ゆっくり行こう」



 デュランは獣人の娘を連れて、宿屋の部屋に入った。

 そこは路地裏の奥にある安宿だ。贅沢を求めない客だけを歓迎する場所で、身を潜めて動きたいデュランには都合がよかった。壁は薄く、床は軋み、部屋の家具はどれも古い。

 ベッド、机、椅子――すべて一人用。

 他の宿と比べれば、内装はかなり粗末だった。

 だが。

 獣人娘は、どこか興味深そうに部屋を見回していた。

 ぼさぼさに乱れた白い髪の奥から、赤い瞳がそっと覗く。

 その視線が止まったのは、部屋を照らすランタンだった。

 炎が揺れるガラスの中。

 その光を、不思議そうに見つめている。

 暗闇に慣れきっていた分……光が、珍しいのかもしれない。



 通路へ続くドアの前で立ち止まっていた彼女の背中を、デュランは軽く押した。

 ドアを閉め、鍵をかける。

 押された小さな背中は、てくてくと恐る恐る部屋へ足を踏み入れた。

 きょろきょろと辺りを見回す。

 その赤い瞳は大きく見開かれていた。耳は不安そうに伏せられ、尻尾も小さく丸まっている。

 デュランは姿勢を低くし、静かな声で言った。



「今日は無理に話しかけないから安心しろ。今はひたすら体と心を休めろ。お日様がやってきたら、どこかで美味いものでも食いに行こう」



 獣人娘は何も答えなかった。

 だが――ほんの一瞬だけ、目を合わせてくれた。

 怪訝そうな視線。それでもデュランは、十分だと思った。

 怯えて当然の状況であり。

 その警戒心は、彼女がまだ生きる意志を捨てていないという、良い兆候(ちょうこう)でもあるのだから。



「とまぁ、その前にだな。……うん」



 デュランは鼻をつまんだ。



「くしゃい。寝る前に水浴びだ」



 長いこと履きっぱなしの湿った靴下のような匂い。

 これでは可愛いものも可愛がれなくなる。

 デュランは獣人娘をシャワーへ連れていった。

 シャワールームは部屋の奥にある小さな別室だ。

 中に入るとその狭さに思わず眉をひそめてしまう。

 二人で使うには不便な広さだ。だが、文句を言っている場合ではない。

 ボロ雑巾のように汚れた獣人娘の服を脱がせ、シャワーの下に立たせた。


`````` 

この世界のテクノロジーは、デュランが住んでいた世界と非常に近似(きんじ)している。

温水が出るシャワーや電子レンジといった家電製品が存在し、街全体で電力システムが稼働している。

衣類の発展も同様だ。

`````


 デュランは出し惜しみせず、シャンプーを白い髪に垂らした。

 そして泡が立つまでゴシゴシと洗う。

 尻尾はとんでもなく汚れていた。

 毛と毛がくっついて固まり、指を通すだけでも一苦労だ。

 カチカチで、ごわごわしている。

 とりあえず尻尾にもシャンプーを垂らす。

 根元を軽く握り、そのまま手を滑らせた。



「――ひゃぁっ!?」



 突然、彼女はびくっと背筋を伸ばした。



「む、痛かったか?」



 突然、彼女はびくっと背筋を伸ばした。

 かと思えば、呻くような声を漏らし、背中を丸める。

 顔を覗き込むと、何かを必死にこらえるように歯を食いしばっていた。



「……くすぐったいのか?」

「っ……!」



 そう言いながら、そっともう一度触れてみる。

 反応は予想通りだった。全身を強張らせ、そのまま固まる。

 しばらくして。

 彼女は小さく身を震わせながら、かすれた声で言った。



「っ……くすぐったい……!」



 小さく、こくりと頷く。




「かわいい……」

「……?」

「こほん、なんでもない」



 デュランは思った。この子を選んで正解だった。

 



「だが! 洗わなければ綺麗にならない。クックック、我慢してもらうぞ? それ!」

「ああっ! やァッ!」

「大人しくしろ~、洗えないぞ~」

「んん~~~っ! はぁっ!」



 尾部(びぶ)の感受性については理解した。

 だが、その具体的な特性についての疑問が、デュランの好奇心をくすぐる。

 別の触り方も試してみた。

 撫でるようにもんだり、軽く握ってみたり――

 とにかく様々な触り方を確かめていく。

 そして、しめに。

 雑巾を絞るように、にぎにぎと尻尾から水を絞り出した。

 程よい力加減で続けていると――

 ふっと、獣人娘の体から力が抜けていくのが分かった。

 湿った吐息をもらし、

 しばらくすると……

 ぺたりと、その場にへたり込んだ。



「よく頑張ったな。もう終わったぞ」



 獣人にとって尻尾は、ある意味弱点なのかもしれない。

 目の前で力なく座り込む彼女の姿を見て、デュランはそう思った。

 そんな獣人娘を見つめながら、デュランの中で

 愛情と欲情が複雑に混ざり合う。

 そしてそこから、不届きなイタズラ心が芽生える。

 可愛すぎるのがいけない。

 デュランは彼女を

 性奴隷(ドロール)などにするつもりはない。

 とはいえ――夢だった獣人(ケモ)娘を前にして、自分を完全に抑えきれるほど聖人でもない。

 それでも。自制する努力は惜しまない。

 デュランは何もせず、シャワーを終えた。


 が――しかし。

 深夜になった狼は、むくりと深夜に起き上がった。

 獣人娘がようやく寝付いた深夜。

 抑えきれない欲望が、ついに表へ溢れ出る。

 ずっと張り詰めたままだった()()の塊を、眠る彼女のあどけない寝顔の前に晒してしまった――。

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