詮索
小川さんは何かを隠している。
そうに違いない!
昨日もまた以前のような音が聞こえたし、、、。
2階に誰かいる?
息子さんが1人いると言っていたから、もしかしてあの音は息子さん?
でもだったらあんな風に誤魔化す必要もないだろう。
何かおかしい。絶対におかしい!
いつの間にか私の中で小川さんは要注意人物と化していた。
以前の私なら忙しくて隣の人のことなんて気にも留めなかったのに、今じゃ真実を明らかにしようとしたり、さとしの後をつけるだなんてサスペンスドラマさながらの生活を送っている。
でもそこにはさとしと私の大切な未来が関わってくるかもしれない。
やっぱりここではっきりしておこう。
さとしに色々言ってもきっと相手にされないだろう。
まずはあの2階の部屋にどうにかして上がれないだろうか。
そう考えて協力者を近所の人から探すことにした。
あのパーティーに来ていた木村さん夫婦だ。
2人とも大体40代くらいだろうか。
(ピンポーン)
「はーい。大森さん!ちょっと待ってね。」
「急にすみません。ちょっと聞きたいことがありまして、、、。」
「さぁ上がって。」「お邪魔します。」
旦那さんは趣味の釣りに行っていて奥さんが対応してくれた。
2人は旅行が大好きらしい。旅行先で撮った色んな写真が沢山壁に飾られてあった。
「うわー!この写真素敵ですねー。」
「富士山に登った時の写真なの。登山も好きでね、、、。
そう言えば大森さんの聞きたいことって何なの?」
「あのー小川さんの事なんですけど、、、。
息子さんがいらっしゃると聞いて、見かけたことはありますか?」
「あの人自分のことあんまり話さないから。
ほらー会う時は必ずみんなでパーティーみたいな感じでお酒も入ってるし、お互いしんみりするようなことは話さないかなー。息子さんのことはあまり良く知らなくて。」
「そうですか。なんか人のこと聞き回ったりして私変ですよね。このことは忘れてください。」
「ごめんね、、、力になれなくて。
でも、、、あんまりもう詮索しないほうがいいかもね。」
そう言った奥さんの顔が小川さんのあの時の目を思い出させた。




