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隣の女の正体は…  作者: 笛鳴ことり


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退院の日

出産から5日後、、、退院の日がやって来た。



「退院おめでとうございます。何でも相談に乗りますからいつでも寄って下さいねー。」



「本当にお世話になりました。皆さんありがとうございました。」



温かい病院スタッフの方々に見送られて、私はまことを腕に抱きさとしと一緒に病院の外に出た。



すると見覚えのあるワゴン車が私たちの前に停まりそこから小川さんが出て来たのだ。



そしてすぐに私たちの周りをガタイの良い男たちが取り囲んだ。



「お花ちゃんと届いた?綺麗だったでしょ?」



「何しに来たんだよ!」



「今日はかおりさんとまことに用があって来たの。」



「何で母さんが名前知ってんだよ。」



「そんなのすぐに病院のスタッフの子が教えてくれたわ。うちの会員さんなのよ。うちの会員さんは家の近所はもちろん、日本全国にいるんだから。

分かったら早く乗りなさい!」



最初はさとしは抵抗していたが、力でかなう訳もなく渋々私たちは車に乗った。



暫くすると見慣れた景色が見えて来た。



「ここって、、、。」

     


「そうよ。私の家よ。」



私は以前のことが一気に蘇り震えが止まらなくなった。



もう絶対に関わってはいけないくらいこの人は、、、この人は危険な人なんだ!



「かおり。俺がついてるから。」



「うん。大丈夫。」



大丈夫なはずはない。以前ここでどれだけ私が危険な目に遭ったことか、、、!



今すぐにでも逃げなきゃ!



そう心の中では叫んでいたけれど、小川さんの付き人さんが中にいるのが見えて、少しだけ安心し不本意だったけれど仕方なく入る事にした。



「さぁ入って。」



部屋に入るとベビーベッドを始めとするベビー用品がそこら中に置かれていた。



「何で?!」



私はびっくりして思わず声が出てしまった。




「何でって、、、。当たり前じゃない。まことは私の孫なのよ。いつでもまことがここに来れるようにみんなで準備したのよ。」



「もう俺たちには関わらないでくれってそう言ったろ?何で分かってくれないんだ!」



「さとし、、、さっきも言ったけどあんたには用はないの。かおりさんと話がしたいから席を外してちょうだい!」



さとしは別室に行き、小川さんと付き人さんそして私とまことの4人だけになった。



「かおりさん。今まで本当に色々と悪かったわ。ひどいことをして本当にごめんなさい!!

実はね、、、、、私病気で、、、。アメリカで治療を受ける事になってるの、、、。でも私はもういつどうなるか分からない。それでね、、、あなたに教団の教祖をお願いしたいの。あなたにはその素質があるわ!一目見た時から思っていたの。数々の困難があってもあなたはまことをお腹に宿し無事に産んでくれた。

きっとあなたは教祖として皆を導く力を持っているはずよ!」



「そんな、、、私にそんなこと出来るわけありません!帰ります!」



そう言って玄関に向かおうとした時、付き人さんが引き留めにやって来た。



「お願いします!教祖さんがいなくなると私たちは行き場を失います。これからどうやって生きて行って良いか分かりません。マミさんをお許しになったあなたを見て、とても寛大な愛に満ちた方だと尊敬しておりました。そんなあなたに私たちは導いてほしいのです。そして沢山の人に尊敬されるお姿をまことさんにも見せてあげてください。」



とてつもない涙の訴え、そして付き人さんの背後に沢山の信者の皆さんの姿がそこに見えた気がした。



「今日はもうこの子もいるので帰らせて下さい。」



さとしと私はすやすや眠るまことをしっかり抱いて帰路に着いた。


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