混乱の渦
「早くこの女を捕まえて!!」
その一言と共に一斉に体格の良い男たちが急に現れ、さとしを刺した女を取り押さえワゴン車に乗せ、そのまま走り去って行った。
「さとし!!大丈夫?!」
そこにはさとしをとても心配し寄り添う小川さんの姿があった。
「あなたたち!!一体何をしていたの?!さとしとかおりさんに何かあったらどうするつもりよ!!」
「マミさんは入院中でまさかこんな所に現れるなんて思いもしなかったんです。本当に申し訳ございません!!」
「うるさい!!今日であなたたちはクビよ!!今すぐ消えてちょうだい!!」
「母さん、言い過ぎだよ!て言うかもう俺たちに関わらないでくれって言ったよな?何で後をつけ回すようなことをしてんだよ!もううんざりなんだよ!」
「母さんって、、、小川さんがさとしの、、。」
情報量が多過ぎてめまいがしてパニック寸前の私に気づき、小川さんの付き人のような人が近くのベンチへと私をゆっくり移動させてくれた。
「かおりさん、驚かせてしまって本当にごめんなさい。さとしを刺したあの女はアミって言ってね。
さとしの元奥さんなの。
私の家は先祖代々宗教団体の教祖をしていてね、、。
私がその後を引き継いでいたの。
そしてさとしが生まれた。でもさとしは昔っから私たちに嫌悪感が凄くてね、、、。
だからさとしの子どもに跡を継がせようと、、そう思ったの。ちょうどそこに現れたのがうちの会員さんでもあるアミさんだったわけ。
2人はすぐに惹かれあったわ。でもアミさんったらメンタルが弱くてすぐ病んじゃって、、、。
体も弱いし中々子どもを授からなかったの。」
「あんたがアミを追い詰めたんだろ?!」
もう訳がわからない、、、!!
さっきの襲いかかって来た女がさとしの元奥さん?!
さとしは初婚だと言っていた、、。
もう何も信じられなくなり叫び出しそうだったけれど、そんな時でもお腹の子の温かさを感じて理性をどうにか保てていた。
「かおり、、、帰って話そう。」
さとしは私の体を気遣い車に乗せ、お互い無言の中帰路に着いた。




