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最底辺の俺が、観測スカウターを使ってエリート学園にはびこるスクールカーストの頂点を目指す  作者: 京太郎
第四章:演劇『現代版高校ハムレット』

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【18】憎しみの相関図

18-1◆絶体絶命と覚醒の光◆

翌日の放課後のチャイムが鳴り終わったころ

2年4組の教室に異様な空気が流れ込んだ。


教室のドアが静かに開く音がした。

そこに立っていたのは、坂元要介。

轟木一派のNo.2。

いつもは落ち着いた雰囲気を漂わせている彼が、今日は違った。険しい目つきで、教室を見渡す。

その視線が俺の肩に突き刺さる。


「音無。ちょっと来いや」

一瞬、空気が止まった。


周囲のクラスメートたちが、俺と坂元を交互に見ている。

なにが起きたのかは分かっていないが、何か“普通じゃないこと”だけは察しているようだった。


俺は椅子から立ち上がり、無言で坂元に従った。

足が震えていた。


向かう先は、新校舎の屋上だった。

先日、轟木たちと対面した、あの場所だ。


既に屋上には、轟木剛造がいた。

フェンスの影から陽光が差し込み、彼の輪郭を際立たせている。


「来たか」

そう言った轟木の声は、冷え切っていた。

その背後には、坂元と、取り巻きの男たちが数人。


俺は小さく息を飲み、距離を保ったまま立ち止まる。

「……三好がな、お前のことをいろいろ言ってたよ」


轟木が静かに切り出す。

その声は穏やかに見えて、底が見えない。

「おまえら中学からずっと反りが合わなかったらしいな。

あいつお前のこと、ずっとウザがってたってさ」


……しまった。そこまで、調べられていたか。


「だからって、三好に復讐するために、長峯を使ったのか?」

「え???違います……僕は、ただ……」

「おまえ、なんで“長峯が奨学金で入った”って知ってた?」

心臓が跳ね上がった。


「……そ、それは……」言えない。

そもそも、話すわけにはいかない。


俺が持っているこの特殊能力 “観識スカウター”のことを。

これは、誰にも話したことのない秘密だ。

家族にも、山中にも、一度たりとも口にしてこなかった。

それほど異常な力――他人の感情や記憶・数値を、視覚的に“観測”できるこの能力。


常識で説明できる代物じゃない。


だからこそ、言えない。

そして仮に――仮に話したとしても、信じてもらえるはずがない。

「は? 人の頭ん中、見たって?お前正気か?」


そんな反応が返ってくるのが目に見えてる。

目の前にいる轟木も坂元も、信じるような連中じゃない。

いや、信じられたら、それはそれで地獄だ。


信じたとしても「それを使って長峯を利用した」その通りだ。

――結果は同じ。それは事実だからだ。

経緯が何であれ、行為の結果として「俺が長峯を使い、三好に罠を仕掛けた」という構図は変わらない。


奏「どう答える???」

ミラー「完全に積んだな 奏」


……追い詰められていたのは、三好だけじゃなかった。

今は俺の方がずっと、言い訳もできない立場に立たされている。


言ったら終わり。言わなくても、終わり。

逃げ道が、どこにもない。


喉の奥が、鉄のように重くなっていく。

言葉にならない言葉が、そこに引っかかって出てこない。

ただただ、脈拍だけが、速くなっていた。


俺の呼吸は一瞬止まり、唇が震えた。

逃げたい。何もかも投げ出したい。


でも――俺は、逃げられない。

誰にも聞こえない祈りが、空へと消えていく。


奏「ミラー、頼む!助けてくれ」

ミラー「誰も助けには来ない。追い詰められたな」


周囲の視線が、刃のように俺を刺してくる。

逃げ場はない。

目の前にいるのは轟木剛造、その背後には坂元要介。

他の子分たちも、すでに戦闘モード。

言い訳が通じる空気ではない。


轟木がゆっくりと歩を進めながら、静かに口を開いた。

その声は冷え切っていて、妙に落ち着いていた分だけ、余計に怖かった。

「おまえ、あのとき、長峯の奨学金のことも、三好のメモのことも、何のことかわからないって言ってたよな」


坂元が一歩前に出て、俺の顔を真っ直ぐに見据える。

眼光が鋭く、何もかも見透かされているようだった。

「俺らは、お前が嘘をついているとほぼ確信している」


心臓の音が、耳の奥で反響する。

全身がじっとりと汗ばんでいく。


言葉が出ない俺に、坂元が一歩近づく。

「はあ?はっきり言えよ!」


乾いた音が響いた。坂元が、俺の頬を軽くはたいたのだ。


「……!」

叩かれたというより、「線を越えた」と感じた。

真っ白になりそうな意識の中、必死で言葉を探す。


――そのときだった。

右目に、異変。頭の中に鳴り響く無機質な機械音。


「……っ!」

視界の中心が、ぼんやりと光り始めた。

観識スカウターが、今までにない輝きを放つ。


まるで、何かが――覚醒するかのように。


《観識スカウター:新機能解放》

《LEVEL UP》

《人間関係相関図・観測モード、起動》


視界の中に、無数の線が現れる。


赤、青、灰色。

それぞれが人物の名前を結び、網の目のように張り巡らされていく。


(三好と坂元……は赤。坂元と轟木は太くて青。轟木と長峯も……太くて濃い青?)

そのすべてが、“意味を持った繋がり”で構成されている。

利害、忠誠、恐れ、友情――。

名と名をつなぐその線の一本一本が、まるで生きているかのようにうごめいていた。


(……これが、“人間関係相関図”?)

観識スカウターの新機能。

それは、今この場で俺が“生き残る”ための、唯一の光だった。



18-2◆跳び箱に刻まれた屈辱◆

轟木たちに囲まれたまま、俺は観識スカウターを作動させ続けた。

新機能──人間関係相関図を、轟木剛造に向けてスキャンする。

轟木剛造を中心に展開される相関図。


そこに表示されていた意外な名前。

《大槻理人》──洛北祥雲高等部バスケ部 顧問。


その名と轟木の名前から伸びる赤い太線が、激しく点滅していた。

(……この二人、強く対立してる?)


だが、その線の“意味”まで、まだ読み解けない。


「おまえが認めなくても、どうでもいい、お前がクロってのは、もう俺らの中で確定してるからよ」

坂元の声。次の瞬間、強烈な蹴りが俺の腹に叩き込まれる。


「……がっ!」


《大槻理人?!》

地面に崩れかけながらも、視界の片隅に自分自身と大槻との“記憶”がよみがえる。

思い出したのは、1学期。


あれも「逃げ場のない時間」だった。

体育の授業。いつもの先生が休みで、代理として現れたのは――大槻理人。


洛北祥雲のバスケ部を率いる“伝説の指導者”。

普段は授業なんか持たない。そんな男が、俺たちの前に立っていた。


「今日は跳び箱、8段な」

大槻の声はよく通る。けれど、どこまでも冷たい。


跳び箱を前に、足がすくむ俺。

けれど、大槻は言った。


「音無、行け」

助走に入ろうとしたその瞬間――

その瞬間、大槻が笑った。


「ははっ。お前、ビビりすぎて走り方がチキンなんだよ」

ざわめく生徒たち。俺は顔を伏せるしかなかった。


「おいみんな、今日から《チキン音無》って呼んでやれ」

どっと笑いが起こる。


次の瞬間、それはもう“あだ名”として教室に根を張った。

「その構えと助走じゃムリだな。見とけよ、お前ら。“怖がってるやつ”の跳び方ってやつを」


体育館の空気が、凍りつく。

クラス全員の視線が、俺一人に突き刺さる。

跳んだ。けど、跳び箱の上で体が潰れて、落ちた。


「ほら見ろ。勇気はあるけど、実力が伴ってない奴ってのは、こうなる。大事な教育だぞ」

大槻は笑っていた。


その声が、今でも耳に残ってる。


二回目。

「音無、次は跳べるよな?さっきの失敗から、ちゃんと学んだよな?」

あれは授業なんかじゃない。“公開処刑”だ。


再び跳ぶ――けど、また落ちた。

膝の痛みも、声にならない笑いも、全部が焼きついた。


「失敗を恐れてる時点で、人生負けてる」

床に座り込んだ俺を見下ろして、そう言った大槻の目。

あれは、指導者の目じゃなかった。


「もう一回行け。失敗は恥じゃないってとこ、次は見せてみろ」

そう言われて、何度も跳ばされた。


三回、四回、五回――。全員の視線を浴びながら、転び続けた。


もはや授業ではなかった。

あれは――処刑だった。


それでも大槻は満足げだった。まるで自分の“演出”に酔っているように。

跳び箱の脇、床に座り込んだ俺の手が、かすかに震えていた。

膝の痛みなんてどうでもよかった。

胸の奥が、冷たい泥のように重かった。


その時、ふと思った。

――こいつ、何なんだ?

初対面だぞ?

こっちは何もしてない。逆らったわけでも、侮辱したわけでもない。

それなのに、なぜここまで――徹底的に貶められなきゃいけない?


(この人間、どこかが壊れてる)


そう確信した。

教師として? いや、人として――何かが、根本的に破綻している。


俺は黙って立ち上がった。

何も言わずに、静かに、でも確実に心に刻みつけた。


(絶対に忘れない)

あのとき、あの瞬間。

俺の中で、大槻理人という人間は、“憎しみの対象”になった。



18-3◆脚本家がカマをかける◆


俺の思考中でも、当然、彼らは待ってくれない

坂元の蹴りが、わき腹に突き刺さった。


「くっ……!」

(……ミラー、見ての通り、大ピンチだ。だが、新しい機能が発動してる。これ、どう使えばいい?)

『お前にも轟木にも、大槻とは因縁があるようだな。そこに活路がある。』

(そんなこと言ったって、どうやって――)

『思い出してみろ。轟木を以前スキャンしたときのことを。』


思い出せない。けど――

もう一度、俺は轟木の顔を見つめ、スカウターを再起動する。

倒れ込みながらも、俺は視界の端に浮かぶインターフェースを見つめた。


《観識スカウター:新機能解放中》

《キャリア・ディグ:ACTIVE》

《Target: 轟木 剛造》

《脅威レベル:A+(接触回避推奨)》

《部活動:元柔道部(1年時 廃部)》――


(……元柔道部?1年時 廃部?)

『それって何か大槻と関係がありそうでは?』

「お前は俺らを利用して、三好を制裁させた!」


轟木の怒声が飛ぶ。坂元が怒りに任せて俺の襟元を引き上げる。


(落ち着け……ここで潰されてたまるか)


坂元も続く

「…お前のやり方は汚すぎる。長峯を危険に晒しそして俺たちを利用する。一体何が目的だ」


俺は、ゆっくりと立ち上がる。恐怖を押し殺して、ただ轟木の瞳を真正面から見据えた。


ミラー:『お、かっこいいじゃないか。どうする?』

奏:(ありがとう。ミラー。元柔道部1年時に廃部、これと大槻との関連。カマをかけてみる)

ミラー:『まず論点をすり替えろ。そしてお前の機転を見せてくれ』



奏「…目的?そんなものはない。ただ、分かっただけなんです」

轟木「……何が分かったってんだ?」

「この学園では、“正義”だけじゃ何も変えられないということです。違いますか、轟木さん」


轟木「……!」

奏「本当に才能のある人間が、真っ直ぐに生きようとしただけで――全てを奪われる。そんな理不尽を、俺は見てきた」

俺は一瞬、目を伏せた。まるで、何かを悼むように。

「……たとえば、あんたの柔道部のようにな」

轟木「……お前、大槻と柔道部の例の事件のことを言っているのか」

ミラー:『お、もしかしてビンゴ???』


静寂が落ちた。

轟木の眉がぴくりと動く。


轟木の脳裏にあの日の光景が鮮烈にフラッシュバックしたのを、俺のスカウターは見逃さなかった。

【思考残響観測:起動】

【Keyword:柔道部、大槻、絶望】

【深層記憶ディープ・メモリーへのアクセスを検知。…再生します】


俺の脳内に、轟木と大槻の因縁、その全てが流れ込む。

そのあまりにも、壮絶な真実に俺は一瞬息を呑んだ。

だが俺はその動揺を、完璧に隠し切った。


「僕も大槻には少し、痛い目にあってますからね」

言葉を選びながら、静かに笑った。

「もし“大槻を潰す”っていうなら……俺、協力できますよ」

風が吹いた。何かが、静かに動き始めた気がした――。


18-4◆影の帝王との悪魔の契約◆

俺の脳裏に、焼き付いた跳び箱の記憶。

その屈辱と憎悪の炎が、俺の中の恐怖を焼き尽くした。


俺は、顔を上げる。

そして目の前の影の帝王、轟木剛造を真っ直ぐに見据えた。


「…僕と、あなたは手を組むべきだ。轟木さん」

俺は切り札を、切った。

「僕もあなたも大槻理人を、憎んでいる」


しかし轟木は、首を縦には振らなかった。

彼の瞳には、意外なほどの理性が宿っている。

「馬鹿、言うな。確かに俺は大槻を潰したい。だが俺の復讐に今のバスケ部を巻き込むつもりはねえ。

長峯には、俺が果たせなかった夢を、バスケで叶えてほしいんだ。

バスケ部を常勝軍団に育てたのは、明らかに大槻だ。その事実は変わらねえ」


(……くそっ)

切り札だと思っていた「共通の敵」のカードは、あっさり無効化された。

俺は大きな勘違いをしていた。

この男はただの不良じゃない。

轟木剛造――こいつは、“理想”のために“現実”と妥協し続けてきた男だ。


轟木「バスケ部を無傷にして、大槻だけを葬る。そんなことが可能だと思うか?」

そう問いかけられた瞬間、俺の背筋を冷たい汗が伝った。


轟木「俺らも何度も考えたんだ。おまえに何か策略はあるのか?」

――策略?あるわけがない。俺の脳内は、まだ真っ白だった。


ミラー:「どうする脚本家先生。お前の脚本は、まだ白紙だぞ」

奏:「うるさい。帰ってから、じっくり書く」


だが、今は演じきるしかない。

俺は顔を上げ、轟木の鋭い瞳をまっすぐに見返した。

奏「僕の脚本通りに進めば、大槻だけを社会的に抹殺し、バスケ部には一切の被害は出ないと約束します」


坂元が鼻で笑った。

「は?お前、その場しのぎのハッタリかましてんじゃねえぞ」


ミラー「そのとおりだな 奏」

奏「わかっている。黙っていてくれ」


「僕のやり方は、あなたたちとは違う。暴力なんて野蛮な手段は使いません」

俺は一歩前に出た。

「もし、轟木さんが大槻を殴って大ケガを負わせたとします。どうなります?あなたは即退学です。そして長峯くんはあなたを決して許さないでしょう」

「僕は――“情報”と“心理”で、大槻を自ら破滅させる。その脚本を、僕は今まさに書き始めてる」

もちろん、真っ赤な嘘だ。今の俺にはまだ、漠然とした構想すらない。


だが、俺は絶対的な自信を装って言い放った。

いや、この場を乗りきるにはそれしかなかった。

轟木は、沈黙のまましばらく俺を睨みつけていた。


そして――

「……面白え。気に入ったぜ、音無奏」

口元に、獰猛な笑みが浮かんだ。

「乗ってやるよ、お前の脚本に。成功すりゃ儲けもんだ。どうせ諦めていたことだしな。

ただし、長峯やバスケ部に少しでも被害が出たら――そのときはお前の心臓、俺が直にえぐり出してやる。それでいいな?」


「……はい」

俺は静かに、だが確かに頷いた。

こうして俺と、学園の影の王との間に――

歪で、危険すぎる同盟が生まれた。その場しのぎの“嘘”によって。

第十八話お読みいただきありがとうございます。

作者の京太郎です。


今回は主人公音無奏の今まで語られなかった過去の傷に少しだけ触れてみました。

誰もが心の奥底に忘れられない屈辱の記憶を持っているのではないでしょうか。

彼のその小さな絶望が巨大な復讐の物語へと繋がっていきます。


学園の影の支配者と手を組んだ主人公。

しかし彼の目の前には現在進行形の戦いが待っています。

次なる舞台は「学園祭の演劇」。

太陽王天宮との共作です。

果たしてどんな演劇になるのか???


面白いと思っていただけましたら

下にある【★★★★★】での評価

そして【ブックマーク】での応援

よろしくお願いします。

皆様の声が何よりの力になります。


それではまた次の話でお会いしましょう。

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音無おとなし 彩葉いろは

キャッチコピー:

《“正論”で弟を殴る、唯一の現実主義者》

■ 基本情報

年齢:19歳

音無奏の三歳上の姉

京都市内の大学に通う女子大生

実家暮らし。アルバイトもこなしており、現実社会での経験値は高め

■ パーソナリティ

一言でいうと「現実主義者」

面倒見はいいが、口が悪くズバズバと物を言う

正論で弟を追い詰めるタイプで、心配していても素直に出せない

大きな特徴は、“普通”であることが最強の武器という点

彩葉は、異能も策略も持たない。

ただし、彼女の持つ「世間一般の常識」と「シンプルな価値観」は、奏にとって最も効く“現実の一撃”になる。

■ 奏との関係性

奏が唯一、素を見せられる相手

奏の計略や観察力は、家ではまったく通用しない

奏がどれだけ頭を使っていても、彩葉に「で?」と冷たく切り捨てられると一瞬で無力化する

奏にとっては“最大の天敵”であると同時に、“最も安心できる場所”でもある

■ 物語における役割

① 「外界」の視点を示す存在

彩葉は『洛北祥雲学園』の閉じた世界を知らない。

だからこそ、彼女の言葉は常に読者の視点に近い。

「あんた、自分の教室が世界のすべてだとでも思ってんの? 馬鹿じゃないの?」

この一言が、奏を縛る「教室リーグ」の異常性を際立たせ、

読者に“外の世界”の広さを再確認させる。

② 奏の「人間性」を引き出す鏡

学校では冷徹な観察者である奏も、家ではただの生意気な弟。

彩葉に言い負かされたり、宿題を手伝わされたり、冷蔵庫のプリンをめぐって言い争ったりする。

この姉弟の掛け合いが、奏というキャラクターをより立体的にし、

緊張感のある物語に“呼吸”を与える。

③ 物語のテンポを整える緩急装置

『教室リーグ』の心理戦や権謀術数の連続の中で、

彩葉との何気ない日常会話は読者の休憩ポイントになる。

テンポよく交わされる掛け合いが、次の山場へのブリッジとして機能する。

④ 偶然の「助言者」

彩葉は意図的に奏を助けるわけではない。

ただ、大学生活やアルバイトの愚痴の中で放たれる何気ない一言が、

奏にとって重要なヒントになることがある。

「結局、一番声がデカい奴が勝つんじゃなくて、

“一番周りを納得させた奴”が勝つんだよね、世の中って」

こうした“偶然の助言”が、物語の戦略を動かすきっかけになる。

■ プロフィールまとめ

音無彩葉は、特殊能力もスクールカーストも知らない、

ただの“普通の女子大生”。

しかしその“普通”こそが、奏を最も突き刺す武器になる。

異能も計略も効かない相手だからこそ、

彩葉とのやり取りは、奏の本音をもっとも鮮やかに引き出してくれる。

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