表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/9

パラレルワールドへ

 気づくと、俺は、白い霧が立ち込める中で、倒れていた。

 ゆっくりと起き上がると、


「お前は、誰だ!」


 若い女性の声が聞こえる。しかし、その口調は中年男性のようだ。


 その声の方へ顔を向けると、女神と思わしき人が居た。

 そして、その後ろには、霧に隠れた神殿のようなものが見える。

 ここは天国か? 俺は死んだのか?


「…………ええと……本を開いたら、いきなりここに飛ばされて……」


 俺は恐る恐る答える。


「……本? アイツ、やらかしたな。ゲートを適当に保管しおって……」

「ゲート?」

「そうだ。お前はパラレルワールドのゲートを開いてしまったのだ。残念ながら、あと30年は戻れない。ウチの世界の者がやらかしてしまったようだ。すまない」


 女神は軽く頭を下げる。


 マジか……。家族や友達の思い出が頭の中を駆け巡る……。


「代わりと言ってはなんだが、私のできる範囲で、お前の希望を一つ叶えた上で、我々の世界へ送ってやろう」


 ……これは、定番の異世界転生なのか?


「……それは、最強魔法の能力を付与するとかですか?」

「魔法? そんなものはない。我々の世界は、お前達の世界のパラレルワールドだ」


 残念だが、良かった。また、家族と会えるのか。


「ただし、お前達の世界と異なり、性的なものへの捉え方が男女で逆転している」


 男女逆転? もしかして……俺は興奮を抑えきれず、


「そ、それは、男女貞操逆転ですか? ハァ、ハァ」


 息を荒立てながら訊く。


「…………まあ、そういう言葉で表現する者もいる」



 よっしゃーーーーーー!!!



「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ……」

「…………」


 女神は引いているが、興奮が収まらない。


 スクールカースト3軍といえども、俺の容姿はそこまで悪くない。穴モテならぬ、棒モテできるはず!


 いや、待て。


「さっき、望む形にと言いましたが、イケメンになることも可能ですか?」

「過去を多少変えるのが大変だが、それは出来る。やってやろう。お前の望みはそれで良いか?」


 マジか!


「ハァ、ハァ、不老不死とかできますか?」

「残念ながら、世界のルールを超えることはできない。あと、叶えられるのは一つだけだ」


 男女貞操逆転なら、イケメンは前世の美人だ。


 若い頃は、いろんな美少女とヤリまくり、飽きたら金持ちの女を捕まえる。


 超イージーモードの人生を送ってやるぜぇ!


「それではイケメンに。ハァ、ハァ……」


「…………容姿端麗になるので良いか? ただし、他のパラメーターが下がるが……」


 異世界チートではないらしい。


「そうなんですか……どのくらいですか?」

「こちらで決めるより、お前が決めた方が良いだろう。これがお前の現在のパラメーターだ。これを割り振れ」


 唐突にゲームで出てくるようなステータス画面が現れた。

 俺のステータスは、すべてにおいておおよそ平均レベル。


 前世では、美人に学歴や金は必要ない。男を魅了できればそれでよし!


 俺は、『容姿』の比重を大きくし、『学力』や『家柄』をメインに他のステータスを下げた。


「それでよいのだな。それでは、転送するぞ」


 女神がそう言うと俺は意識を失った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ