ゴルヴァー市街地
あらすじ
剣士であるコングラー・ディルメンクと魔法使いのトムファー・イルアーは、魔王を倒す前に、東西南北にいる4人の『理の支配者』を倒す旅に出た。
2人は最初の街である『カロナの街』に着き、旅の準備を進めた
気になったら前回とかもっと前のやつとか読んでみてね。
じゃ、本編へGO!
「ん?」
カロナの街を出た2人は、眼前に奇妙なものを発見する。
「あれ、スライム……だよね?」
コングラーは困惑した顔でトムファーに聞いた。
そのスライムは、普通のスライムではなく、そこにあるはずのない、形のある腕が真ん中の少し膨らんだところから、天に向かって一本生えていた。
「ああ、あれはスライム亜種だな」
トムファーは冷静に答える。
「スライム亜種?」
「ああ。普通スライムってのは、決まった形がないドロドロしたやつのことなんだが、たまーに腕とか足とか、決まった形のなにかが生えてるやつがいるんだ。そんな感じの、普通とは違う奴らをまとめて亜種って言ってるんだ」
「へー、そうなんだ」
すでにコングラーはスライムの前に立っている。
「ああ、ちなみに言っとくが、普通のスライムより強いからな」
「えっ!先に言ってよ!」
途端、スライムから生えている腕が、コングラー目掛けて振り払われた。
「うわっと!」
すんでのところでコングラーは回避できたが、剣を握っている右手に少し傷を負った。
「いてっ」
立て続けに、スライムはコングラー目掛けて攻撃する。
「うわっ!ひゃっ!あぶな!」
「おーい、がんばれよ」
トムファーは笑いながらコングラーに言った。
「ねえ!トムファーも手伝ってよ!」
コングラーは相変わらず、スライムから逃げ続けている。
「はいはい」
トムファーの左目が光り、スライムの動きが止まる。
「よかった……止まった……」
そして、コングラーはスライムの腕ごと、体を一刀両断する。
「ふぅ……」
スライムは大気に溶け、後に腕が残る。
「おっ、腕が残ったか、運がいいな」
トムファーはそれを拾い上げ、バッグの中にしまう。
「疲れた……」
「おつかれ」
2人はまた歩き出す。
歩いて、寝て、起きて、また歩いて、魔物と戦って、たまに街に寄って、どんどん北へと進んでいく。
弱い魔物はコングラー1人で、強い魔物はコングラーとトムファーの2人で、戦う。
蛇と鳥が混ざったようなやつ、ただの黒い球、単眼の巨人、水でできた棒状のやつ……上げ出したらきりがないほど、2人は戦い、勝ち続けてきた。
当然亜種にも。
残念ながら、その過程は割愛する。
三ヶ月後、2人は、最も北にある街、『ゴルヴァー市街地』に辿り着いた。
このあたりは豪雪地帯で、年がら年中雪が降っている。
『ゴルヴァー地域は四日で五日分の雪が降る』なんて言葉が残されているくらいだ。
「よーやく着いた」
「ここが、ゴルヴァー市街地?」
「ああ、『時の支配者』がいるところに最も近い、ここで準備をしよう」
2人は街の中に入る。
活気は無い、が、殺気はある。
さすが最前線といったところか。
2人はギルドがある建物に入る。
人はいない。
「すまん、『時の支配者』の住処までの行き方を知りたいんだが」
受付でトムファーが聞いた。
「『時の支配者』ですか……わかりました、こちら地図になります。どうかお気をつけて」
2人は地図を受け取る。
どうやら『時の支配者』は洞窟の中にいるらしい。
「さて、今日は寝て、明日挑もうか」
2人は建物の外に出て、宿に向かう。
勿論、ギルド会員無料の宿だ。
宿での様子も割愛する。
翌朝、2人は目を覚ます。
「さあ!行こうか!」
「うん!」
いよいよ初めての支配者との戦いが、始まろうとしていた。
読んでくれてありがとうございました!
今回初めて割愛したんだけど、めんどくさくなった訳じゃないからね!
感想とか書いてくれると泣いて喜びます!
じゃ、またいつか!