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魔法帝国の黄昏  作者: MAKIYA
 後継者の条件
17/24

17 一族の実力者 1

久々の更新になりました。

なかなか話が進まないじゃないか!とお怒りの向きもあるとは思うのですが、何といっても背景が複雑な話なので、どうかご了承くださいませ。


「ははあ・・・この寒いのにご苦労だな」

「何を言っている。自分の家だろう」

「う~ん、3年ぶりだからなあ」

「❝だから❞じゃないのか」 


 帝都から3日、バージェス公爵領領都から1日の距離にある一族の重鎮、ハデイユ侯爵家では、次期侯爵が久しぶりに帰館するとあって、出迎えにも力が入っていた。何と言っても帝国でも指折りの名家。主だった使用人だけでも数十人、庭師や備品管理人を加えると百人以上が両側にずらりと並ぶ。

 久方ぶりの実家の出迎えに、何とも間の抜けたやりとりをしてるのは、言わずと知れた、当の次期侯爵ロベルトとその主アルシンダ。

「これだから先触れを出すのは嫌なんだ」

 仰々しさを嫌うアルシンダは、おまえのせいだと言わんばかりに、並んでウマに乗る従者を睨みつけた。

「省略したら、それはそれでうるさいぞ」

「何かにつけて大袈裟なんだ」

「来る必要があったのか」


 侯爵家に行くと告げた時から反対姿勢を貫いていたロベルトは、不満も露だ。無理もない。

 バージェス一族の筆頭分家当主だった、先代ハデイユ侯爵は、跡取り息子を次代の公爵の側近へと差し出したが、決して主たる公爵家の方針に賛成していたわけではない。むしろ、反対の立場だったからこそ、牽制のため、若しくはあわよくば、次期公爵の意識を己の都合の良い方へ向けようと、8歳にもならない長男に諸々言い含めた。わざわざ嫡男を選んだのは、その方が公爵家の疑惑を躱せるだろうと踏んでのことだ。

 だが、満を持して送り出したはずの息子は、見事に期待を裏切った。というか、あらゆる意味で規格外の幼い少女に、全面的に味方した。

 失敗を悟った彼はロベルトの廃嫡を考えたが、既に主家の公爵家は当主不在の状態で、緊急事態でもないのに、そんな重大案件を審議できるはずもない。あの手この手で爵位継承前のアルシンダを屈服させようとしたが、自身が屈辱的な傷を負うだけでなく、息子の右目まで失うという散々な結果に終わった。救いは、ロベルトが実家に寄り付かないせいで、侯爵としての実権が、未だ手の内にあることくらいだ。

 そんなこんなで、この帰館は二人にとって全く有難いことではない。だから、ロベルトはしつこく食い下がる。


――――こんなところに来るべきではない――――

 彼の鋭い隻眼は、雄弁にそう物語っていた。





以前ほど長くはなく、千文字程度で投稿していこうと考えています。

その方が、少しはこまめに更新できるかも、と苦肉の策です。

先は長いけど、ラストは決まっているので、頑張って完結させるつもりです!

どうぞ、よろしくお願いします m( )m

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