ぼくのゆめ
きのう、先生が「あなたの夢を作文にして提出しなさい」と課題を出しました。
ぼくには夢がありません。
今の人生に満足しているので、夢も目標もありません。
公務員にでもなって、てきとうに生きていたいです。
でも正直にそう書くと、怒られてしまうので、僕は自分の夢を嘘でもいいから作って書くことにしました。
僕の夢は困っている人を助けることです。
そのためにまず、政治家になりたいです。
政治家になって、大臣になって、総理大臣になって日本の困っている人全員を助けたいです。
そのためにまず、若者を年金や介護で苦しめている老人を全員殺したいです。
老人にはいい人もいっぱいいますが、少子高齢化やヤングケアラー、IT化の遅れ、女性の社会進出、夫婦別姓、大企業の中抜き、硬直化した憲法改正論議、パワハラの横行、技能実習生問題、キャッシュレスやマイナンバーの不浸透、増大する社会保障費等山積する日本の課題を解決するためには老人の削減は不可欠だと思うからです。
これを実現したら若者の民意が反映されやすい息苦しくない日本社会がやってくると思います。
ついでにお酒のお酌や全員右に倣えの就活、年賀状等の文化も滅ぼしたいです。
老人を全員殺したらマスコミやネット正義マンを黙らせるためにAIとロボット兵を駆使した完全管理社会を構築したいです。やつらはヒューマニズムに訴えて日本を停滞させるガンです。マナー講師同様滅ぼすべきです。
こうして素晴らしい社会ができあがりました。もう僕に歯向かうものはいません。
僕は総理大臣から一個ステップアップして王様になりたいです。
王様といっても現代の王様ですからスーツを着ています。ちょび髭も生やしちゃって。
国民は僕の天才的なスピーチに拍手喝采です。ある程度国民を洗脳する必要もありますから、電通や博報堂の広告マンは殺さないで生かしておきます。
あとは酒池肉林ですね。芸能事務所からは日替わりでアイドルをよこしてもらうつもりです。
音楽も好きなのでロックバンドもやりたいです。憧れのミュージシャンをバックバンドに。
小説を書いて国民全員に読ませたり、映画を自分主演で監督したり、AV男優もやってみたいですね。
ゲームも作りたいな。PS5の画質でたけしの挑戦状作りたい。
こんな所ですかね。とりあえず教科書くらいには載りたいです。
無難にスポーツ選手とか宇宙飛行士にしておけばよかったかな。
夢や目標がなくても許される世界が来ないかな。