ソフトクリーム(ゆいこのトライアングルレッスン・放課後)
初めまして。4月生まれと申します。2021年9月17日放送の、『下野紘・巽悠衣子の小説家になろう』の企画の(ゆいこのトライアングルレッスンTHE MOVIE)に応募した作品です。採用にはなりませんでしたが、人生初の作品となる超短編ストーリーです。私なりの3人の一コマを昇華させたく、一部加筆して投稿させていただきました。あたたかい目で一読していただけたら幸いです。
今日は終業式。明日からは最後の夏休みが始まる!
その放課後、まだ委員会が終わらないひろしを学校近くの公園でたくみと待つ事になった。
公園へ向かう途中、可愛らしいキッチンカーが停まっているのを見つけた。
(お!ソフトクリームじゃん!ゆいこ、食べようぜ!)
(わ!美味しそう!…あ、でもひろしを待たなくていいの…)
の、声をよそに買いに走るたくみ。
(ほい!ゆいこの分!)
そう言って、真っ白なバニラのソフトクリームを渡してくれた。
公園のベンチに座り、冷たく甘いソフトクリームを堪能する事となった。
(やっぱ、ミックスうめーよなぁ!)
(バニラも美味しいよ!)
なんて、他愛もない会話の後、
(ねぇ…ひとくちちょーだい?)
答える間もなく、たくみが私のソフトクリームに口をつけた。
急に近付く彼の横顔にドキッとしてしまう。
そんな胸の内をよそに今度はたくみがソフトクリームを差し出してきた。思わず反射的に食べたものの、動揺を隠せず一瞬俯いてしまった。
(なあ…)
ハッとして顔をあげると、たくみの指先が私の唇に。
(ついてる。)
そう言いながら、指ですくいとったクリームを舐めた。
今度は顔が赤くなるのがハッキリとわかった。
なにこれ…どうしよう…
私の意識とは裏腹に落ち着き払ったような声で、
(ひろしに取られる前に食べちゃえよ?)と囁かれ、一層顔が熱くなる。振り払うようにたくみの目線を辿ると、ひろしが走ってくるのが見えた。
早く鎮まれ!私の心臓…
そう思いながらも、溶けだしたソフトクリームを見つめる事しか出来ないでいた。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
3人を想像して組み立てて作る過程はとても楽しい時間になりました。
また新しい作品も投稿出来たらと思っています。