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【書籍化】最強守護騎士の過保護が止まりません! ~転生令嬢、溺愛ルートにまっしぐら!?~  作者: 櫻井みこと
魔法学園二年生

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他国の王太子

 もともとゲームでは、セシリアは王太子の婚約者だった。

 それをアルヴィンのおかげで回避できたのに、今度は他国の王太子の婚約者になる可能性がでてきてしまった。

 回避できてよかったと、胸を撫でおろす。

「またアルヴィンのおかげで助かったわね」

 そう言ったが、彼の顔はまだ険しいままだ。

「それでもまだ、安心するのは早いかもしれない」

「え?」

「向こうにしてみたら、ふさわしい婚約者を見つけられなかったら、王太子の地位を返上しなければならないからな」

「そこが不思議なのよ」

 セシリアは首を傾げる。

「貴族なら、多少の年齢差は気にしないものでしょう? まして、彼は王太子なのだから」

 王太子の弟がいくつなのか知らないが、彼の年齢に釣り合う女性はいるのだから、その女性を王太子の婚約者とすればいいのではないか。

 その疑問を口にすると、アルヴィンが理由を説明してくれた。

 ローダナ王国では貴族の数の減少により、身内での結婚を繰り返してきた。弟の婚約者の候補になっている少女も、王太子にとってはとても近しい身内らしい。

 これ以上、血が濃くなってしまうのは危険なのだろう。

 だからといって普通の女性を妻にしてしまえば、魔力を持たない子供が生まれてしまう。

 魔力のない者に、王位継承権が与えられることはないのだ。

「えっと、弟なら大丈夫なの?」

「母親が違うようだ。弟の母は、他国から嫁いできた貴族だと聞いた」

「……そうだったのね。それでも、わざわざ王太子が自ら、身分を隠して婚約者を探しているなんて」

「それだけ、向こうも必死なのだろう」

「……そっかぁ」

 この世界の王族の結婚は、とても大変だ。王族の魔力の強さは、そのまま国の強さとなってしまう。だが強さばかり追求すると、ローダナ王国のように血が濃くなりすぎたり、エイオーダ王国のように王位継承者がいなかったりする。

 王太女となったミルファーも、まだ婚約者が決まっていない。その選出には、かなり苦労しているらしい。

(それにしても……)

 セシリアは、先ほどの青い髪の男性を思い出す。

 ララリのお茶会に参加していたところを見ると、彼女も候補に挙げられているのかもしれない。

 他国の男爵令嬢まで視野に入れているということは、アルヴィンの言うようによほど切羽詰まった状態なのだろう。

「そんなに大変な状況なら、アルヴィンが言うように、あまり油断しないほうがいいわね」

 内密とはいえ、ローダナ王国の王太子は、特徴的な青色の髪を隠していなかった。かの国の王太子が花嫁を探しているらしいという噂は、すぐに広まることだろう。むしろ噂を大きく広めて、候補者を募っているのかもしれない。この国は貴族の持つ魔力こそ徐々に低下しているが、貴族の数は多いほうだ。だからこそローダナ王国の王太子も、この国に狙いを定めたのかもしれない。

 きっと中には、ローダナ王国の王妃になりたいと野望を抱く令嬢もいるだろう。

「王太子の婚約者が決まるまで、おとなしくしているわ」

 一応セシリアは、魔法契約によって守られている。

 セシリア・ブランジーニが、誰からも強制されずに自分の意志で婚約者を決め、結婚するまで守護騎士として守る。

 それが、父とアルヴィンとの間で交わされた契約だ。魔法契約を破れば、双方に甚大なダメージがある。

 だがそれも、契約者である父が解除してしまえば意味がなくなってしまう。よほどのことがない限り解除されることはないだろうが、父はセシリアにそれほど関心がないのだ。

 全幅の信頼を寄せられないものに、すべてを託すのは危険だ。自衛できる手段があるのなら、そうした方がいい。

「ああ、そうだな」

 深く考え込んでいる様子のアルヴィンも、同意して頷いた。

 これから学園でもアルヴィンの背後に隠れていて、社交界も最低限のものだけにしよう。そう決める。

 ララリは不思議に思うかもしれないが、彼女ならきっと何か理由があるのだろうと察してくれるだろう。


 予想していた通り、翌日の学園はローダナ王国の王太子のことで持ち切りだった。

 ローダナ王国の王太子の名は、ニクラス。

年齢は二十二歳のようだ。

 眉目秀麗で頭も切れるらしいと、令嬢たちは頬を染めて噂をしている。

非公式の訪問だが、国同士の取り決めがあるのだろう。彼は王城に滞在しながらお茶会やダンスパーティーに顔を出しているらしい。

 そのせいか、貴族たちも頻繁に開催しているようだ。

 この国では王太子であったアレクが失脚し、王女のミルファーが王太女となってしまった。そのせいで王太子妃を狙っていた令嬢たちが行き場をなくしているらしいという話を、セシリアも聞いたことがあった。

 その中には他国とは言え、目指していた王太子妃になれるのなら、と張り切る令嬢もいるのだろう。

 セシリアにも何通か招待状が届いた。

 直接誘ってくるような者もいたが、事前に決めていたようにアルヴィンに対応を任せ、その背後に隠れていた。

(でも、さすがに建国記念のダンスパーティーには参加しなければならないわね)

 学園の行事予定を見て、溜息をつく。

 毎年、建国記念日には学園でダンスパーティーが開催される。全員参加が義務付けられている学園の行事なので、そればかりはセシリアも参加しなければならないだろう。


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