王立学園 -波乱の遠足 23-
ヘイゾウの言葉にカンタは頷くと、そのままクラウン達と談笑する。バリーとヘイゾウ、カンベエは武術について熱く話し込み、アックスとクラウン、カンタは魔法について色々と語り合った。馬達も充分休息が取れた頃、ヘイゾウが号令を出す。
「そろそろ出立の準備をしろ!隊形は先程と同じ!日が暮れるまでに『ヤツシロ』に着くぞ!」
兵士達が各々準備と隊形を整える。クラウン達も邪魔にならないよう行動に移る。クラウンとカンタは札を回収し終え馬に乗り所定の位置に着く。その時馬車の中からクラウンに声がかかる。
「クラウン、昨日の果物少しくれない?マユリが食べたいって言ってるの」
ヘレーナが窓越しにクラウンに話しかけると、クラウンは小規模空間から果物を取り出しヘレーナに手渡す。ヘレーナが受け取ると感謝を告げ窓を閉める。馬車の中からは嬉しそうな声が聞こえる。
「クラウン…、その…今のじ、女性は?」
「え?ヘレナのことですか?ぼくの友達ですよ?」
カンタが目を泳がせながらクラウンへと問いかけ、それにクラウンが答える。ぶつぶつと小声で何かを言いながらカンタは顔を赤くする。
「あのー…?どうかしたんですか?」
「い、いや?別にななんでもないよ!」
カンタの慌てように首を傾げるが、自分の世界に入ってしまったカンタは気にも留めない。その時前方から声が聞こえ進み始める。クラウンに肩を叩かれ現実世界に戻ったカンタは慌てて馬を進めるのであった。
夕方になり、辺りが黒に染まり始める頃クラウン達一行は街に辿り着いた。大都市と言うほどでもないが、それなりに大きい。周囲は壁に囲まれ、門の入り口には武装をした兵士が10人程立っている。先頭にいるヘイゾウが兵士達に話をし、懐から何かを見せると兵士達は頷き街へと迎え入れる。見知らぬ土地に飛ばされ、満足のいく食事も取れなかったクラウン達はちゃんとした所で休めるという事に大喜びするのであった。
次からは新章に入ります。雑に纏めてる感じが酷いので手直しはいずれします。遠い未来の自分に丸投げです。早く俺ツエエエエって状態にしたいなぁ。




