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白銀の英雄譚(仮)  作者: もぶいち
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王立学園 -秒速の捜索網 2-

「あらまぁ、まさか第3騎士団が来るなんて思いもしなかったぜ…」


転移門(ゲート)』より姿を現したのは王宮第3騎士団達であった。


「ドランか…久しいな」


ドランへと声をかけた騎士が兜を取り顔を見せる。その顔に嫌な顔をするドラン。


「げっ…ヒューイさん…。……あれ?前は第4じゃ無かったですか?」


「前に異動の辞令が出てな、めでたく昇進だ」


ヒューイと呼ばれたのは第3騎士団の団長であり、薄い青色の短髪とキツネ目の下にある泣きぼくろがチャームポイントの女性だ。ドランの学生時代の先輩でもある。


「…それで?理事長から連絡があったが進展は?」


「今のところは連絡待ちですかね…。生徒たちは先にクック団長に頼んで連れて行ってもらってます」


「私の団員も警護に回してます。他の団長にも連絡済みです」


「うむ、さすがアネモネだ。私の部下として欲しいくらいだ」


ヒューイの言葉に顔を朱に染めるアネモネ。それを冷たい目で見るドラン。


「なんだ?ドランも私の部下になりたいのか?」


「…勘弁してください。俺は平穏に生きたいんですよ…」


「そうか…、それは残念だな。お前の才能なら諸手を挙げて歓迎するのだがな」


高笑いしながらヒューイはドランをからかう。それに嫌気がさしたのかドランが無理矢理話を変える。


「それよりも!…今回のことはどう判断しているんですか?」


「……さぁな。まだ報告が上がってないのでわからん。だが、公爵家が絡んでいるのだ。大事件には変わらないだろうよ」


ヒューイが真面目な顔をしてドランの質問に答えていると『転移門(ゲート)』が開かれローブを着た人物が出てくる。


「やぁ、ヒューイ。君が居てくれてちょうどよかった。残念なお知らせと吉報があるけどどっちから聞きたい?」


「くだらん事を言ってる暇はない。さっさと用件を話せエース」


「えー?下らなくないよ?どっちが聞きたい?」


「チッ…。エース先輩、早く話してください」


ドランの舌打ちが聞こえたのか『転移門(ゲート)』から出てきた人物--エースがつまらなさそうに答える。


「ちょっとした挨拶じゃないか…。まぁいいや、まずは吉報から言うね。バリーたちの転移場所が大まかだけど判明したよ」


エースの言葉にドラン達は目を見開き驚愕する。余りにも早すぎる朗報に言葉が出ない。


「驚いた?まー、僕の団だったらこんなことお茶の子さいさいさ。何人かは魔力切れでダウンしてるけどね」


「…それで?場所は?」


「場所はポートセルム宗教国家のどこか。残念だけど、はっきり場所を探すことは出来なかったよ」


「そうか…。それで?残念な方はなんだ?」


「……今回の事件は帝国が絡んでる。最近帝国が開発した『転移妨害』の魔法道具が小屋の外で見つかった」


「なっ…!?帝国か!?」


ドラン達はあまりの事に言葉を失う。予想はしてたが、エースの確信に満ちた表情を見て動揺する。


「…エース。総統には連絡してるの?」


「当たり前だよアネモネ。だから、ヒューイが居たからちょうど良かったって言ったのさ」


「…それで?総統はなんと言ったんだ?」


「ヒューイたち第3騎士団と僕の団でポートセルム宗教国家に向かう事となった。それとアネモネ、君の団は言われてないけど、こうなったら人手が欲しい。急ぎ団員を呼び戻してくれ」


「--わかった。急ぎ団員を呼び戻すわ」


アネモネはエースに言われた通りに魔法で連絡を飛ばす。アネモネが動き出したと同時にエースはドランにも指示を出す。


「ドラン、君は生徒たちのところに向かい騎士団とともに警護に当たってくれ。それと僕との連絡を繋ぐ役割もして欲しい。アレ(・・)を使うけど覚えてる?」


「チッ………。わかりましたよ。その指示に従います」


「うん、よろしく。合言葉は昔のまんまだからね」


「………。生徒たちのところに向かいます。バリーたちをよろしくお願いします」

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