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白銀の英雄譚(仮)  作者: もぶいち
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王立学園 -強引な約束-

翌日は邪魔が入る事なく宿題を終わらせる事が出来た。意外だったのは、クラウンよりも早く宿題を終わらせたのはバリーであり、宿題を手伝って貰っていた。流石公爵家と言うべきか、教え方も一流で普段の脳筋っぷりとは真逆の印象をクラウンに持たせた。そこにペイトンが泣きついてきて、2人で教える以外は何も起こる事なく、週明けを迎えた。朝の畑仕事を終わらせ、支度をし学校へと向かう。途中でアックスと合流するとペイトンは公爵家2人を前にし、より一層動揺するのであった。


朝のSHR前、和気藹々とした雰囲気の中思い出したかのようにバリーが話す。


「お!そういえばよアックス。今週の土日、クラウンに稽古つけてもらうんだけどよ、お前もどーよ?」


稽古の予定は約束して無いのだが、バリーの中ではもう決まっているかのように話している。


「へぇー。やっぱりクラウンの方が強かったんだね。…でも僕はどちらかというと『魔法部』の方が興味あるかな」


「それならよ、土曜日に一緒に『魔法部』の訓練場所に行こうぜ。俺もどんなのか見てみたいし!」


『魔法部』の訓練場所は、『武術部』とは違い室内に存在する。そこには魔法障壁が展開されている場所で攻撃魔法用の案山子などが置かれている。設置などは自分達で行わなければならない為、『武術部』よりは手間がかかる。なので、『武術部』ほどの人数は居ない。


「本当は『魔法研究会』に行ってみたかったけど、何処でやっているのか情報が無くてね。いずれは見つけるつもりだけど…」


学園内のどこかに存在する『魔法研究会』は色々な魔法をあらゆる手段で見つけ出し、最終的にはオリジナルを作ることを目標にしている。言うなればオタク気質な部分が強い部活動である。だが、存在自体が謎に包まれており実在しているのかは知られていない。ちなみに、エースはその『魔法研究会』に所属していた。


「…『魔法研究会』?本当に存在してるのかね?まぁ、お前の兄貴が居たからあるんだろーけどよ」


「うーん…兄さんも『秘密の契約』を結んでるから言えないって言ってたし…。とりあえずは地道に探すことにするよ」


「へぇー。そんな部活動もあるんだね…。秘密組織みたいでなんか格好いいね!」


「おや?またクラウンの思春期がくすぐられたのかい?」


アックスがクラウンをおちょくるように話しかけると、少しだけムッとした表情を浮かべる。それを見たアックスは少しだけ笑うとクラウンを宥めながら、話を続ける。


「まぁ、それは置いといて。なら、土曜日は『魔法部』に行こうか。兄さんにも言われたし、魔法の練習もしておかなきゃね」


「…すぐ人を小馬鹿にするんだから。まぁいいや。なら、土曜日は『魔法部』の見学ってことでいいね?」


「おう!昼飯食ってから魔方陣前に集合な!…あっ!ペイトンも誘おうぜ!」


クラウン達の予定が決まった頃、ヘレーナが登校してくる。お互い朝の挨拶を交わし、その後は4人でお喋りをしている。始業の鐘が鳴り、ドランがいつもの如く気怠そうに入ってくるのを見て、お喋りは終わるのであった。


「…あー、頭痛い。…えー、今日は前配ったプリント通りの時間割だ。宿題や教科書忘れた奴は居ないよな?…ジゼル、ちゃんと持ってきているか?」


「だ、大丈夫です!」


「…なんか不安だな。まぁいいや。教科書忘れた奴は職員室まで言いに来い。…ああ、体調悪い奴とかは居ないな?居たら保健室行ってこい。そんくらいか…?よし、じゃー、今日も一日頑張るように」


その後はいつも通りの朝のSHRを終え、1限目を迎える。ドランが壇上に立ち宿題を集めろと委員長達に指示するとアックス達は席を立ち、女子はヘレーナが、男子はアックスが回収していく。何事も無く回収し終わる筈だったが、とある生徒が焦ったように『小規模空間(ポケットスペース)』内を探し、おそるおそるドランに忘れた事を伝える。ドランが「…やっぱりお前なんだな」と呆れた顔で言うと、罰として今日の宿題の量を増やされる。とある生徒はその言葉に絶望を浮かべ泣く泣く罰を受け入れるのであった。

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