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白銀の英雄譚(仮)  作者: もぶいち
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王立学園 -演習 2-

無理矢理リーダーとなったクラウンはドランへと報告しに向かった。心に怒りを溜めながら。ドランはクラウンの姿を見つけると意外そうな表情をしていた。


「ほーん…。お前がリーダーになったのか?意外だな。そういうのは嫌がるもんだと思ってたよ」


「本当は嫌なんですけど…。みんながなった方がいいって勧めてきて、断れなくてこのザマです」


「お前はもうちょっと断る勇気を持った方がいいぞ?お前ん所は…ああ、ジルが次期当主だったっけか?そんなんじゃ、他の貴族たちにいいように使われちまうぞ?」


「…仰る通りです。次からは断るようにします…」


「断れないのが眼に浮かぶよ…。まぁ、それじゃお前がリーダーってことだな。わかった。んじゃ、パーティに帰ってパーティ名を決めてこい。6年間使うパーティ名だからな。恥ずかしくないような名前をつけろよ?」


「パーティ名…?」


「ああ、お前の兄ちゃんたちも学生の頃はパーティ組んでたからな。確か…ノームさんは『紅蓮の獅子』で、ジルは『赤き道化』だったかな?今思い出せば恥ずかしい名前だが、俺らの中では有名だったんだぜ?」


「…なんとなく想像が出来ます」


「まぁ、ノームさんはすげー強かったし『獅子』って言葉が似合ってたな。ジルの『道化』も後方支援になると、俺らの代よりも素晴らしかったぜ?」


「そういえば…アックスのお兄さんも居たんですよね?」


「……あの糞は最悪だったよ。確か『狂気の影』ってパーティ名だったな。………マジで糞だったんだよ!」


「ヒッ…。す、すいません。嫌な記憶だったみたいですね…」


「ああ、嫌な記憶だよ…。ま、そんなことはどうでもいい。とりあえず、まともな名前をつけろよ?将来思い出して、ベッドの上で声だしながらゴロゴロしたくなければな。ほら、はよパーティに戻れ!」


「はい、ありがとうございました」


ドランの元から戻る途中、クラウンは考える。


(嫌なことを思い出させてしまったなぁ。あとでしっかり謝りに行こうっと。それにしてもパーティ名か…)


自分の中で色々案を出しながら、バリー達の元へと戻る。深刻な顔をしていた為かバリー達に心配される。


「おいクラウン!なんかあったか?」


「またアイツになんか言われたの?」


「もう我慢できないわ。本当に痛い目に合わせてくる!」


「あたしの……に。ちょっと出かけてくるね。すぐ戻るから」


「待って待って!何にも言われてないよ!」


先程の事件があったからか、クラウンが深刻な顔をして帰って来た事をロッゾにまた嫌がらせをされたのかと4人は勘違いする。だが、クラウンの必死の説明により事態は収束していく。


「あー、またあの糞野郎にちょっかい出されたのかと思ったぜ!」


「クラウンの顔がね…。さっきと一緒だったから、勘違いしちゃったよ」


「私ったら、物騒な言葉を使ってしまいましたわ!」


「心配させないで!本当にもう!みんなが心配するような顔をするのが悪いのよ!」


「ええっ…。真面目な顔したらダメなの…?」


「あんたの真面目な顔はいかにも泣きそうな顔なのよ!」


ミリィの言葉にバリー達は頷く。そんなに泣きそうな顔だったのかと思い、次からは凛々しい表情で考え事をするとクラウンは心に決めた。


「それで?…何を悩んでいたんだ?」


バリーはクラウンの表情に何か重大な事があるのではないかと思い、慎重にクラウンへ尋ねる。いつものバリーらしくない行動に首を傾げながらクラウンが答える。


「うーん、悩んでいたというか…考えてたというか」


「それはパーティについてのことかい?」


「そうだね。ドラン先生からチーム名を考えろって言われてさ。どんな名前がにしようかなーって考えたんだ」


「それはリーダーが1人で考えろって言われたのかしら?」


「ううん、違うよ!みんなで考えた方が良いと思うし…。どんなのが良いかなー程度の考えだよ」


「ならさ、みんなで考えればいいじゃない!あんたが1人で考えても反対意見があったら使えないし!」


「1人で決めるつもりはなかったよ?ぼくあんまりそういうセンス無いからさ」


「…例えばどんな名前を考えていたんだい?」


「………漆黒の翼……………」


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