王立学園 -前途多難 5-
食堂へと到着し、クラウン達は場所取りをしてから食事を取りに行く。本日のメニューは『カレーライス』である。席に着き、クラウン達は食事を開始する。クラウン達の『いただきます』の行為にアックスは疑問を浮かべていたが…。一杯目が終わり、おかわりをするかどうかを話し合っている時、見慣れた人物が食堂へと入ってきた。
「おーい!ヘレナ、ミリィ!こっちこっち!」
バリーが大声でヘレーナ達を呼ぶ。ヘレーナ達がバリー達を見つけると嬉しそうに近づいてくる。
「助かったわ。ちょうど席を探していたの。同席してもいいかしら?」
「全然構わないよ。午後からはパーティ組むし仲良くなることは大事だしね」
「そういやそうだったな!ところで、俺おかわりに行くんだが、お前ら一緒に行かないか?」
「あら?それなら一緒に行きましょ。ミリィも行くでしょ?」
「もちろん!もーお腹ペコペコ」
「クラウンたちはどうすんだ?」
「あ、バリーたち行ってていいよ?ぼく場所取りしておくから」
「いいのかい?それならお言葉に甘えてお代わりしてくるよ」
「いいよー!場所取られてたら困るし、なにせまだ食べ終わってないからさ」
「じゃー、おかわりしてくるわ!よっしゃ、お前ら行こうぜ!」
「クラウン、サラダとか持ってきましょうか?」
「大丈夫。おかわりの時に持ってくるからいいよ」
「………ふん。お礼なんて言わないからねっ」
「……はい」
バリー達はクラウンにお礼を言いながらカレーを取りに行く。ミリィだけは言わなかったが。
(…ええ?別にお礼なんて要らないけどさ、言葉に出す必要はないんじゃない?…やっぱり苦手だなぁ…)
そう考えながら、食べ始めるクラウン。丁度食べ終わった頃、バリー達が戻ってきた。
「ごめんね、待たせちゃったね」
「ううん。ちょうど食べ終わったところだよ」
「おいクラウン!これ見てみろよ!超大盛だぜ!?」
「うわぁ…。すごい量だね…。食べきれるの?」
「クラウン、バリーの食欲を軽く見てはダメですわ。バリーは平気でこの量食べ切ると思いますよ」
「たくさん食べるのは良いことなんだけどね…。栄養が脳味噌に行ってくれればいいんだけどね」
「キャハハッ。アックスそれは言い過ぎよ!少しくらいは栄養いってるものね!」
「……お前らが俺をバカにしているのだけは伝わったぞ。というより、俺はそこまで馬鹿じゃねーよ!」
「まぁまぁ、落ち着いて。冷めないうちに食べたら?」
「それもそうだね。クラウンはおかわりしに行くのかい?」
「うーん、混雑してるしもうちょっと時間置いてから行こうかな?」
「それがいいかもな。結構俺たちも並んだからな!よーし、食べるぞー!」
バリー達は美味しそうにカレーを食べる。だが、ミリィだけは一口食べ険しい表情を浮かべる。
「あら?ミリィどうしたの?」
「…ちょっとあたしには辛いかな?………甘口とか無いのかなー?」
「ああ、そういやミリィは辛いの苦手だったな」
「へぇー。ミリィ…様も辛いの苦手なんだね」
「…なによ。苦手だったら悪いの?」
「いや…。ぼくも辛いの苦手でさ。甘口を今も食べているんだよ。良かったら一緒に行かない?ぼくおかわりしにいくんだけど」
「………行く。でもあんたが食器持ちなさいよ!」
「ええ?さっき自分で持ってきてたじゃないか」
「レディーに対しては優しくしなさいよっ!そんなことも出来ないわけっ!?」
「…はぁー。いいよ、持ってあげるよ」
「………ふんっ。なら行くわよ!早くしなさい!」
クラウンとミリィはある程度の距離を保ちながらカレーを取りに行く。席から離れていく2人を心配そうに見つめるヘレーナ達であった。




