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白銀の英雄譚(仮)  作者: もぶいち
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王立学園 -午後の授業 3-

「はーい。遅れてすまん。まとめるのに時間がかかってな。どうだ?パーティ編成について、色々情報交換できたか?パーティ編成はこれから重要になるから、しっかりと考えてくれ。…それじゃあ、午前中の結果がまとまったので発表していく。実力順にS・A・B・Cとなっているぞー。ああ、現時点での評価なのでもちろんCがSになることはありうるからな!その逆もしかりだ。ではまずCの者から発表していくぞー」


ドランは手元の資料を見ながら生徒の名を呼んでいく。後にパーティを組むので、名を呼んだ生徒には各自分析表を渡していく。C、Bが終わりAの者へと移る。


「それじゃAのやつだなー。えー、スファレとジゼル、リリーとアルミナスの4人だ。分析表渡すから取りに来てくれ」


呼ばれた4人はガッツポーズをし、嬉々として前へと向かう。クラウンはいまだ名前を呼ばれていない。


(え?ぼくまだ呼ばれてないんだけど…。も、もしかしてSなのかな?)


「はい、じゃーSのやつを呼ぶぞー。バリー、アックス、ミリィとヘレーナの4人だ。ま、安定だな。前に取りに来てくれー」


生徒達もわかっていたように、4人を見ている。だが、何名かは不思議そうにクラウンを見ている。バリー達もクラウンが呼ばれてないことを不思議に思いながら、前へと取りに行く。


「えー…以上が評価になるのだが、1人だけ特殊な奴がいる。クラウンのことなんだが…」


ドランの一言に、生徒達の視線がクラウンへと集まる。クラウンは呼ばれなかったことと、1人だけ特殊というに不安を感じていて、顔面蒼白となっていた。


「あー…、お前の剣術は担当者がSをつけたんだが、お前の身内ってことで評価は低く見積もった。それと魔法についてはA+と評価している。ただ、担当が糞なのか但し書きが多く、総合的にBであるとかちょっとよくわからん。ただ…」


「……ただ、何でしょうか?」


「エイム団長が、お前が暴走…キレたとき抑えれる奴が必要だと言っていてな…。申し訳ないんだが、バリー。お前、クラウンとパーティ組んでくれ。というより組め。お前しか現状抑えれる奴がおらん」


「ああ、俺は問題ないぜ!確かにキレたら他の奴が止めれなさそうだしな」


ニヤニヤとクラウンを見ながら了承するバリー。他の生徒達もキレたら危ない事を知っているので納得している。


「ならよろしく頼む。他の生徒には悪いが、クラウンがキレても大丈夫ならパーティ組んでくれ」


ドランの物言いにクラウンはひどく落ち込む。実力的にはAだが、性格に難ありと言われてショックを受けていたのだ。その落ち込み具合を見てアックスが声をかける。


「クラウン元気だしなよ。実力的には申し分ないんだし、僕も君とパーティ組むから安心してよ」


「そうだぜ!キレたときは俺が抑えるし、何より俺はお前と組めるから何にも問題無しだ!」


「…ありがとう。でもやっぱりショックが大きいよ…」


「気にしないで。僕もクラウンと組むのは嬉しいからさ」


「…うん、ありがとう」


クラウンは心から2人に感謝を告げる。二度とキレはしないと心に決めながら。


「じゃ、今からパーティ編成してもらうんだが…。その前に、2つ大事なことを言うぞ。まず、パーティ編成は5人1組で作ってもらう。実力関係無くな。もちろん、同じ評価同士編成してもいいが、出来る限りバランス良く編成してくれ。…そして、公爵家。お前らは例外だ。上からお達しがあったんだが、公爵家は公爵家同士で組めとのことだ。他の奴らには申し訳ないが、公爵家と組むのはダメということだ」


ドランの言葉に生徒達は落胆する。この機会にミリィやヘレーナとお近付きになろうと考えていた生徒の落胆ぶりは尋常では無かった。

そして、例外処置として必然的に公爵家と組むことになるクラウンは驚愕するのであった。

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