表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白銀の英雄譚(仮)  作者: もぶいち
42/119

王立学園 -午後の授業 2-

「えー、委員長、副委員長も決まったということで次の時間はパーティ決めをしたいと思う。だが、午前中の実力でのパーティ編成をして欲しい。俺は今からすぐ午前中の結果をまとめるので、しばらく自習しておいてくれ。あー、別にお喋りしてていいからな。外には絶対に出るなよ!以上!」


そう言うと、ドランは職員室へとさっさと戻る。生徒達は近くの友人達とパーティ編成について話をしている。パーティ編成の意味を知っている生徒は少数ではあるが、知らない生徒に教えたりしている。クラウンも知らない1人だ。


「パーティ編成ってなんなの?教えてアックス」


「パーティ編成っていうのは、3年生になると『課外活動』があるんだ。魔物の討伐とか、採取とかだね。もちろん、魔物っていっても小鬼(ゴブリン)とか(ウルフ)みたいな弱い魔物のことだよ。採取は薬草取ってくるとかそんなの。それをソロでやると最悪死人が出るかもしれないから、パーティを組もうってことさ」


「それとな、パーティを組む事によって色々な可能性がわかるんだぜ。ま、俺ら公爵家は他国との戦争とかの時軍を動かす立場だからな。誰が何を出来るかってのも把握しとかなきゃならねえ」


「あとは将来にも関わってきますわ。騎士団や魔術団、それに冒険者になったとしても個々では出来ませんからね」


クラウンの問いかけに、アックスやバリー、ヘレーナまでもが答えてくれた。さすが公爵家と言うべきか、パーティ編成の重要さとその先を見ている。尊敬の眼差しをバリー達に向けるクラウンに、恥ずかしそうに笑うバリー達。照れ臭そうにアックスは言葉を繋ぐ。


「まぁ、爵位持ちは上に立つ場合もあるからね。後継者となるともっと要求される場合があるしね。…パーティ編成って意外と重要なんだよ」


「パーティの重要さはわかったけど、それってやっぱり攻撃重視とか考えたほうがいいの?」


「そんな事はねーぞ。基本的にバランス良く編成するのが基本だ。考えてみろよ。攻撃に特化している奴らで組んだら誰が傷を癒すんだ?その逆もしかりだ」


「そうですわね。熟練度も関係してきますけど、特化型は私達では対処が色々難しいと思いますわ」


「僕たちは学生だし、そんな難しいことはしないと思うから、バランスよく編成したほうがいいと思うな。それこそ軍とかになれば、色々特化型を作らないといけないけどね」


「なるほどー。それじゃ、ぼくたちはバランス良く編成したほうがいいんだね!」


「まだお互いの事を知らないから、仲のいいパーティを作るってのもありだよ。後々、役割を分ければいいし」


「勉強になるなぁ。みんな頭良すぎ!」


「まぁ、正直に言いますと私たち公爵家でパーティを組むことになると思いますけどね」


「ええー?それじゃぼくは違う人と組むのかぁ。残念だなぁ」


「まだわかんねーぜ?午前の結果で実力別になると思うし。俺的にはクラウンと組むのもアリだな」


「確かに。クラウンは剣術は多分評価高いと思うし…。魔法はわかんないけど」


「えー?ぼくそんな強くないと思うよ?あの時の記憶も無いし…」


「いーや!あの動きには正直俺も勝てねーぜ。ちょっとどころじゃ無いくらい強かったぞ!」


「私は少ししか見てないですけど…。団長さんといい勝負してましたわ」


「うーん……。実感が湧かないなぁ」


「ま、僕たちとパーティ組めればいいね!クラウンなら大歓迎さ」


「そうだね!そうなることを祈っておくよ!」


クラウンはあの時自分の記憶は無いので、半信半疑である。だが、バリー達は最初から見ていたのでクラウンの実力を理解している。ただし、理解といってもキレた状態だけの話であるが…。

終業の鐘がなっても、生徒達は話を続ける。それはバリー達の言ったパーティ編成についての事であり、この機会に、バリー達と仲良くなろうとする生徒達もいる。始業の鐘がなっても席に着く事なく、各々話を続ける。鐘がなってから15分後、ドランが資料を持って入室してきたときにようやく、話が終わるのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ