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この物語の主人公

 ここにこれから書かれる彼はは負け組だ。負け組の定義にも様々あると思うが彼は負け組だ。

 なぜなら、彼は貧しかった。物質的に貧しいというのは違う。彼は現代の日本に住んでいる一般的な日本人だ。テレビ局に貧困層の一員としてのドキュメンタリーに取り上げられるほど貧しいわけでもない。むしろ家庭的には裕福といってもいいだろう。

 ことばを変えるなら精神的に貧しいというべきだろうか。彼には思い出がない。忘れているのではない。

「ない」のだ。成功体験もないし、あるいは顔を赤くするような恥ずかしい青春の失敗談もない。ただ無為に過ごしたのだ。彼のこれまでの人生はいわば色のない人生、無色の無だ。無からは何も生まれない。無は、0である限り、いくらかけても0のままである。

 これから語られる物語は、その0が1になる物語である。

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