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Ad Sanction Dei  作者: るる七
6/6

狩り人

 

「ふー、ふー…」

 ブロンドの息遣いは荒くなる。額には苦痛による汗がにじみ出ていた。

 その右腕はすでにブロンドの物ではないような、いや全くの別物であると感じ取れた。

 完全に武装の変化が終わると、ズゥゥンッとヘッドの部分を地面に下す。

 そのハンマー自体、ビクンビクンと脈打ち、一つの生き物として独立しているようであった。


「おっと!あんま暴れんなよな」


 左腕でその武装に取り込まれた右腕を支える。時折、ざわつくそのハンマーは

 常時姿を変えようとしている。それは、元のハンマーという概念を崩すことのない変化であるが、

 それでもそれはブロンドから得られた情報で随時学習し、これから戦うであろう

 変異種に対しての対策を立てていた。


 変異種はそのハンマーを見て、先程感じた緊張感に答えを出したようであった。

 ブロンドはその姿を見て、言葉が通じるかはわからないが少しでもマキナのための時間を稼ごうと

 話しかけてみる。


「わかったか?こいつはお前・・だ。こいつと一体化してるとお前のことも

 なんとなくわかる気がする。まぁ、お前がこれについてどう思おうと関係ないけどな。

 ほら、来いよ。来ないならこっちもうれしい限りだが…その調子だとなぁ」


 変異種はブロンドに対しての怒りに身を包まれている様子であった。

 ブロンドに向けた3本の腕は、バキバキと骨を鳴らし、殺意を乗せていた。

 力みすぎ、マキナに切り取られた部位からは血と思われる液体が噴出していた。

 今にも飛び出してきそうな変異種に対して、ブロンドはそのかなり太く変形した右腕を

 左腕の支えとともに持ち上げ、ハンマーを上部に上げ、構える。


「ふんっ!悪く思うな。これが『狩り人』の戦い方、戦闘態勢なんだ」


 狩り人としての戦闘態勢。それはとても単純である。

 変化する武装、『レベリオ』。これを主体とした戦闘を行うだけである。

 だが、単純ではあるがそれを行える者は少ない。


 レベリオは元々、変異種・・・である。変異種を媒体としたその武装は

 狩り人と呼ばれる者にしか使えないと言われており、

 狩り人がなぜレベリオを扱えるかは今だ解明されていない。

 そもそもレベリオ自体、誰が造り始めたのか、どのようにして造られたのかですら、

 今だ謎に包まれたままである。


 キュィィィン!!


 変異種が声を上げ、ブロンドに襲い掛かる。

 ブロンドはハンマー型のレべリオを頭の後ろまで振りかぶる。

 レべリオはこれからブロンドが行うことに対して考え、対応できる姿にザワザワと姿を変えていく。

 そして変異種が迫るほんの手前で地面に向かってブロンドはそれを打った。


「うぉぉぉぉぉ!!!!メテオ、インパクト!!」


 異形のハンマーの形と化したレべリオが地面に叩きつけられる。

 叩きつけられた場所からは大きな光とともに大爆発が発生する。とても小規模なものではあるが

 確実に地面に衝突した隕石のような威力であった。その影響で渓谷一帯を爆発と爆風が襲い掛かる。

 地は裂け、所々の壁の岩が剥がれ落ち、その一帯は天災が起きたような惨事と化す。


 変異種とブロンドの姿はその天災によりその場から姿を消した。




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