音
ブロンドに話しかけられたマキナは少し硬直をしていた。
ブランドを見たことで何か思うことがあったのだろうか。
少なくとも好意的な態度は取ることが出来なかったマキナはそれ相応の表情を取り、
ブロンドに話しかける。
「…ひさしぶりだな…ブロンド。王国軍は…抜けた…のか…」
「あぁ。あそこじゃ俺の目的は達成できないってわかったんだ。
それにあいつらに従う義理もねぇし、お前も急に消えちまったしな…。
まぁ、あそこにいる意味がなくなったんだ。だから俺はこうやって民兵団を作り上げ、
変異種狩りに勤しんでるってわけだ」
そうブロンドは、ハキハキとしゃべる。
それは今までの自分の軌跡を自慢げに話すようであった。
それを聞き、マキナは反対にどこか残念そうな表情を浮かべる。
「意味がなくなったっていうのは…どういう意味だ?」
「そのまんまの意味だよ。子供んとき、罪を被せられた俺は、人生の半分以上を
あの国のあそこで過ごした。マキナも居たからわかるよなぁ?」
マキナは目線をそらし、少し歯を食いしばる。
「俺はただ復讐したかったんだ。あの国…『ヘブン』に。
俺らがされていたきたことはは公にはさらされないし、記録には結果しか残らない。
それを証明するために王国軍に入ったが…まぁ知ってるよな」
「あぁ…。あそこは王国軍の監視下、所有物だった。娯楽と実験の場、道具としての…」
マキナはブロンドに視線を戻す。
「そうだ。王国軍に入って俺はそれを知った。お前はヘブンで変異種の研究をしているうちに
このことを知った。まあ、急にいなくなるとは思わなかったけどな」
「それは…」
マキナは続けて話す。
「ブロンド、お前に聞きたかったことが…」
「どうした?」
「どうして私の研究を…」
ギュィィィ――――――ン!!!!!
その時、地を響かす「音」が聞こえた。
あまりの音の大きさに周りでは倒れる者も体を丸くして耳をふさぐ者もいた。
建物にはひびが入り、周囲にある割れるものはとことん割れていく。
マキナもブロンドも耳を塞ぎ、うろたえる。
「ぐぁがぁ、な、なんだぁ…」
「うっ、ぐっ…」
間もなく二人とも膝を着く。
体が音で震える。そしてそれは身に害を及ぼす。
タラリと手から血が流れる。だが、それは手からではなく塞いでいる
耳からのものであった。そしてそれがきっかけとなったか、
今度は目から、そして鼻からも血が流れる。
「あ…。ブ、ブロンド…」
マキナはブロンドのほうをぼやけた視界で見る。
そこには抵抗せずにただ倒れるブロンドの姿があった。
私もいずれ意識が飛ぶだろう。
そう思い、せめても、と音を発する方向に目をやる。
血と振動、薄れる意識でほとんど見えない視界であったが
それでもそこには見えるものがあった。
そこは先程、巨大な変異種がいたところ。
その視界には黒いモノと白いモノ、この二色だけでただ埋め尽くされていただけだった。
マキナはそれを見て、身を沈める。




