Au debut
夏休み。
後をせいいっぱい遊べるように、と緋奈陏は緋叶の部屋で一緒に宿題を片付けていた。
だが真夏の暑さに扇風機一つ窓全開の部屋はとんでもなく暑くて緋奈陏はいつの間にか寄りかかっていたベットの上にうつ伏せに寝ていた。
「うーぁぁー。あづーいー」
「…お前な。」
ちらっと振り返った緋叶はため息をつく。
暑い暑いと口にするのは今日1日朝からずっと聞いていたがいざ振り向くとせっかく出してやった机の前にはおらずぐうたらしている弟に緋叶は呆れ顔。
「…宿題終わったなら部屋に戻れよ」
「あとまだ読書感想文残ってる」
机の上を見るとぶ厚い本とまだなにもかかれていない真っ白な原稿用紙が置いてあった。
じゃあ早く書け、と言えば緋奈陏は本を読むのが面倒くさいと汗で顔にはりつく髪の毛をわしゃわしゃとかき回しながら言う。
仕方がなく緋叶はその本を手にとり、ページを開く。
「……は?」
一行目を読んで緋叶は声を漏らす。
緋奈陏も気になり兄の隣に行き本を覗き込んだ。
─"この物語は、あなた達が作る物語です"─
そうかかれており、後は真っ白。
そう、なにもかかれていないのだ。
「…なんだよこの小説」
「自分で話を作れってこと?」
「…つか、これお前が自分で選んで買ってきた本だったよな?」
えへ?と笑う緋奈陏に緋叶は軽く彼の頭を叩く。
どうせならもっと簡単なものを選んでこいと言えば
これが一番面白そうだしそれに・・・(てんてんてん)と色々返ってきた。