表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/32

5 地の司

冬祭りまでは残り3週間。

その間にする事はたくさんある。

主に変装について、というのが何か納得できないところだが。


ローブを着たら良いのだろうか。

だが、それだと戦闘中に捲れるかもしれないし、王や貴族が見ている中でそんな格好をしていたら不敬罪とかなんとか言われるかもしれない。

却下。


じゃあ…仮面?

いや、これもローブと同じ理由で却下だな。


じゃあ…魔法で姿を変えるとか?

それは嫌だから幻覚の魔法?

いや、それはさすがの私でも魔力が持たないと思う。


えー…、どうしよう。

もういっその事、魔法で原因の大会ごと潰してしまおうかな。

でもそれはカチュア様悲しむだろうなぁ…。


それに大会は悪くないしなぁ。

根本的な原因はエリシアに見つかりたくないからだけど、彼女も悪くないし。

でも何か言われたら困るし。

魔法で会場を壊す訳にもいかないし。


どうしようかなぁ……。


………………あれ?


魔法?

で、言われたら困る、といえば……。


……口封じの魔法…………?


「……」


うわぁ!!

なんで、気づかなかったの、私!

そうだよ、口封じの魔法だよ!!





_*____*_





と、結論づけたのが2時間前。

さっきまであんなに着るのが嫌だったローブと仮面を着けて王城に忍び込んだのが30分前。

何時の間にかエリシアの部屋が変わっている事に気づいたのが20分前。

傷ついた心を癒すために、たまたま見かけた黒猫を愛でる目的で追いかけ始めたのが5分前。


そして今、


「貴様、何者だ」


後ろから剣を突きつけられています。

正直に言います、大ピンチです。


顔とか容姿は足首まであるローブと、エリシアを驚かせようとしてつけた真っ白のバタフライマスク(一回つけてみたかった)のおかげで分からないと思いますし、一応短剣を二つ所持しているので大丈夫と信じたいのですが、実は私は今魔法を使えない状態なんです。

多分見つかったときに発動したと思われますが魔力封じの結界を張られたようで、必死に解除しているところです。

全く、王族は無駄にいいもの使ってますからね、時間がかかるのですよ。

っていうか魔法で姿を隠していたはずなんですが、彼は私にどうやって気づいたんですかね。


ふふ、皆さん、私の背後にいるの誰だと思います?

城の窓に映って見えたその人は、『サクラ』の大切な常連客であるレディオン殿下ですよ。

ほんっとになんの冗談ですかコレは。


「答えよ、貴様はどこの間者だ。言わなければ即座にその首をはねるぞ」


時期王としての威厳威圧が溢れる低めの声でレディオン殿下は言った。

こんな声、出せたんですね、吃驚です。

あ、なんか川柳っぽい。


なんて現実逃避をしないで、私。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ