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4-2

「最近また人の国がひとつ滅んだそうだね」


「えぇ、ミレイがディルクに滅ぼされて、そこの第一皇女様が行方不明らしいですね」


「私、知ってます。確か、ジュエル様?」


「はい、その方が今逃亡中なんですよ。それであちこちから目撃情報があってディルクが困ってる様ですね」


「どうせ、シーナはどこにいるのか分かっているのでしょう?」


「…ふふふ」


「分かって、そうです」


「相変わらず情報が早いね」


「そういえば、カチュア様は恋愛小説がお好きでしたよね」


「何気に話をそらしましたわ」


「はい、好き、です」


「これ、ノイズの新作です」


「!…ありがとう、ございます」


「人の国の本は魔国には輸入できないから、カチュアが困っていた所なんだよ」


…っていう会話を毎回だいたい2時間くらいする。

内容は真面目な話だったり、普通の世間話だったりと様々だが、とりあえず私達は会話が途切れる事はそうそうないくらいには親交がある。


敬語率が高いのは癖だから気にしないでもらいたい。

私は人と話すときは自然に敬語になってしまうタイプ。

そして彼らは王族なために普段から敬語を使う様に教育されてきたためである。

さらに付け足せば3人の中で一番年下のマリアでさえ私の3倍は生きているからだ。


だが、魔王様兄妹は人を見下すような高圧的な話し方も意識すればできるようだ。

そしてそれに合わせた顔芸もポーカーフェイスも大得意らしい。


さすが王族。

レオン殿下にも見習ってほしいですね。


あの人はすぐに顔に出ますから。


「そういえば、もうすぐ…一ヶ月後くらいにガレストラで冬祭りがありますわね」


マリアが思い出したように言った。

それに対してカチュアが疑問を口にする。


「冬祭り…って、なんですか?」


「ガレストラの中央競技場で行われる武器の祭典の事です。今年1番出来のいいの剣を選んだり、武闘大会をしたりするんですが、それに便乗して屋台や露店がたくさん出るのでとても賑わうんですよ」


私が説明すると、途端にカチュア様の瞳がキラキラと輝き始めました。

そしてチラチラと自分の婚約者の方をねだるように見ます。

行きたい、という気持ちをこれ以上ないほど視線に込めている事がよく分かりますね。


そんな上目遣いのおねだりにハーブが折れないはずもなく、秋祭り日に2人がお忍びで来る事が決まった。

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