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言いたいことはそれだけですか。では、始めましょう  作者: 井藤 美樹
第二章 新米王女殿下の初仕事

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第十三話 新米王女殿下は独立しても困らない



 元々、ベルケイド伯爵領は王都からかなり離れた場所、王国の端の端にあるど田舎の辺境地だ。つまり、切り離された場所にあるの。なので必然的に、ほぼ独立している状態と言っても大袈裟じゃないわ。


 だから、独立宣言をしても特に困らない。


 だって、自国の民を数年潤すだけの食料は常に備蓄しているし、魔物討伐に関しても、王国に力を借りなくても自分達で対処出来るしね。反対に、王国の奴らが来ても全く役に立たないわ。却って、お金を要求されるし、問題は起こされるし、ほんと邪魔なの。


 外貨に関しては、魔物討伐でゲットした魔物の牙や皮、臓物、魔石を売ればいいし、豊富にある鉱物の原石や加工物を売れば、十分得られるわ。


 なので、独立しようがしまいが、生活自体は全然変わらない。呼び名が変わるだけなの。反対に、王国に巻き上げられていた分がなくなるから、それだけで懐はかなり潤うわ。ドブに捨てなくて済むのだから。


 困らないとはいえ、個人的な面で見れば、やるべき事は沢山あるわ。まず、最初にやるべき事は、やっぱりあれかな……


「……取り敢えず、結界を張り直さないといけないわね」


 ベルケイド王国の国旗を見上げながら、声を弾ませ私は言った。だって、やっと王国から解放されたのよ。人質生活もおさらばしたしね。


「そうだな。間違いなく、王国の貴族達が我先に押し寄せて来るな。面倒くさい」


 ベルケイド辺境伯からベルケイド王国国王になったお父様は、口では面倒くさいと言いながらも、声は私と同じで弾んでいた。王太子になるラリーお兄様は、今、魔物の討伐に出て留守だ。


「普通に結界を強化するだけじゃ駄目だろ? どんな結界がいいんだ?」


 私がご機嫌なのが嬉しいのか、イシリス様はニコニコしながら訊いてきた。


「そうですね……ベルケイド王国に悪意や敵意、害意を持つ者を入れないような結界がいいですね」 


 ずっと、そんな結界が張れたらと願っていた。


「そうだな。ベルケイド王国は生まれたての国だからな。内部から崩壊させられたら堪らん」


 私の案に、お父様も賛同してくれた。


「イシリス様、結界をベルケイド王国全体に張って下さい。これで、あの王国の貴族の大半が排除出来るわ」


(下手したら、全員かも。後、難民もね)


 別に、難民を受け入れる事に難色を示しているわけじゃないわ。ただ、自分の国に毒虫を入れたくないの。見た目だけで、毒虫かどうか判断するのは難しいし、なら、始めから結界を張って判別した方が効率的だし、正確だよね。冷たいと思われるかもしれないけど、今一番大事にしないといけないのは、ベルケイド王国の国民なのだから。


 入れない者は入れない。ただそれだけ。


「分かった」


 そう答えると、イシリス様は本来の姿に戻り、空に向かって遠吠えをする。声は魔力の波紋となり、ベルケイド王国全体に広がっていった。


(これで、無事結界を張り直したわね。いつ見ても圧巻だわ。それに綺麗)


 さて、どれくらいの人が結界を通り抜けれるか、それはそれで楽しみよね。ほんと、私って可愛くない性格しているわ。


「「……陛下、ミネリア王女殿下」」


 荷物の整理の目処(めど)が付いたのか、リアス様と宰相様が声を掛けてきた。


「リアス様、元宰相様、ベルケイド王国はどうですか? 思っていた以上の田舎でしょ」


 王都に普通にあるような、洒落た建物や公園なんてないからね。


「良い国ですね……道が整備され、生活水準も高い。何より、民が笑っています。それが一番素晴らしい」


 元宰相様の心からの賛辞に、私は満面な笑みを浮かべる。やっぱり、彼を連れて来て正解だったと確信したよ。それはお父様も同じのようで、嬉しそうに頷いていた。


「嬉しい事を言ってくれるな、元宰相殿。これからは、我がベルケイド王国を支えてくれ」


 お父様は豪快に笑いながら、元宰相様の背中を叩く。すっごく痛そう。


「陛下、力加減を考えて下さい」


「悪い、悪い」


 注意して、やっとお父様は叩く手を止めた。


(都育ちに、全く。絶対、痣になってるわね。後で、打ち身の薬草届けないと)


「田舎なもので、皆豪快な人間ばかりですから、早く慣れて下さいね。あっ、でも、無理はしないで下さい」


「「畏まりました」」


 元宰相様とリアス様は頭を下げる。


「元宰相様は陛下の下で。リアス様は、私の教育係をお願いしたいのだけど、駄目かしら?」


 私のお願いに、リアス様は驚いている。


「私が教育係ですか?」


「ええ。一応、独立したわけですし、そうなると、私は王女になるでしょ。他国との付き合いもありますし、リアス様の力をお借りしたいの。なので、お願いしたいの」


 リアス様なら安心して任せられる。っていうか、リアス様以上の教育係はいないでしょ。


「畏まりました。ミネリア王女殿下を立派な王女にしてみせます」


 リアス様の目がキラと光った気がする。ちょっと早まったかもと思ったのは内緒ね。



 最後まで読んで頂きありがとうございます。

 第二章始まりました。

 舞台はベルケイド王国です。

 新米王女殿下の奮闘記を楽しんで頂けたら嬉しいです。聖獣様とのイチャラブも。

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