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はじめに
僕は四界を観測する。
均衡のためではなく、介入のためでもなく、ただそこに在った出来事を忘れないために。
世界は互いに遠く、
それぞれが異なる時間、理、文化、生の形を持つ。
私はそれらの出来事を記録し、変化を見届ける。
本書は、僕が観測した四界の断片である。
いずれ失われるものを、失われた後も思い出せるように。
たとえ断片であっても、それは確かに『何か』が存在していた痕跡に違いなく、僕はその証を静かに記憶し続ける。
この、断片を集め作成した本書を、
叢書『斯界等距離観測』
として残す。
本書に触れた人が、世界を紐解く手助けとなれば幸いである。
胎環の惑星『アステラ』
内部世界 衡理『セフィル』
観測者
アストリオ代表補佐 ネリス




