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バカとカレーと転生と!  作者: 夢見る物書き
第一章 『ベルミナの街』編
6/11

第五話 サバイバルとギルド指定危険集団と『おしまい』と!

             1

翌日

「じゃ、行ってきまー…なんだよ。」

また探索に行こうとした俺の腕をキューラが引っ張って邪魔してきた。あなたがいないと寂しいのとかそういうことだろうか。

「ちょいとお待ちよニートさん。

あたしは役立たずで甲斐性無しのあんたに痺れを切らしたの。

だから、今日はあたしも連れて行きなさいよ。」

「あぁ助かるとも自称大魔法使いさん。

お前がいると怖がって酔っ払いが絡んでこなくなる。

やっぱゴキブリですら恐れる狂犬女は違うね。」

涙目で掴みかかってくるキューラに同情の視線を向けながら2人も、

「それなら私もついて行きます。

いざとなったらもう一度この街を地獄に陥れてやりますよ。」

「私も…行きます!

私だって人を守る騎士だし…

まだ目立った活躍してないし…」


気にしてたのか。


でも、この2人が来るのは結構ありがたい。

が、なんか不安な気も…

ま、刻々と治安が悪化する中俺1人というのは心許ない。最悪ニアの魔法だ。

「よし決まったな。

じゃあ、行こうか!」

「無視するなぁぁぁ!!!!!!」

俺と、1人涙目で俺の腰にしがみつく一人と読んでいいのか自信のない一人と、頼りになる仲間二人とで。

このサバイバルを生き残ろう!


           2


何やっても上手くいかない。


がらんとした牢屋の中に響き渡る問題児の泣き声と、疼くまるテロリストと、体育座りの騎士と。

最初は良い感じだったのに、なぜ…

           ※

「ヤッフー!

久しぶりの外よ!

綺麗な蝶!

青い草!

賑やか…とは言えないけど綺麗な街並み!

とにかく外よ!」

久しぶりの外にテンションが上がっているのか、飛び跳ねながらキンキン叫ぶキューラ。

本格的に頭のおかしい子に見えるし、何かの薬をやっていると思われるから、やめて欲しい。

「キューラ。久しぶりの外にテンションが上がるのはわかるけど、一旦落ち着きましょ?私達は食料を集めに行くんだよ?」

道端の花の匂いを嬉しそうに嗅いでいたお前はどうなんだ。

「そうだぞ?お前全く役に立つ気配がないんだが、大丈夫なのか?連れてきてよかったのか?」

その言葉にキューラは余裕の笑みを浮かべ…

…叩いてやりたい。

「何言ってんの任せなさいよ!何てったってあたしはゴキブリですら避けるキューラ様よ?」

「何二つ名みたいに名乗ってんだよ。

しかもちょっと迫力あるのが腹立つな。」

「あれ…?

なんかカッコよくないかしら。

泣く子も黙る盗賊団、みたいな。」

どうやらコイツは自分なりに精一杯虚勢を張ったみたいだ。

「なるほど。確かに。

ならば、このパーティーの名前は、ゴキジェット、とかでいいか?」

「この大魔法使いの名の下に100点満点をあげるわ。」

「何バカなこと言ってるんですか?

そんなの認めませんよ。

見よ!私達はその名の知れたパーティー、ゴキジェットだ!

なんて言ったら、殿方に逃げられてしまいます。」

「お前も相当バカなこと言ってると思うんだが。

って言うかお前ツッコミ下手だな。」

「この大魔法使いの名の下に0点をあげるわ。」

「この二人は一緒にすると厄介ですね…」

大切なものを傷つけられたような顔をしたニアが苦々しげにこちらを見る。


「「ヘッ。」」


「このッ!!!」

そんなニアを鼻で笑う俺達に、キレたニアが掴みかかってきた!

             3

「よし、ターゲットはあの家だ。良いな?」

「このもじもじタイツに毛が生えたような黒装束が気に入らないけど、一応準備はできたわ。」

「私も魔法の準備はできました。

こんな手段は嫌なのですが…

私が想像してたのは、自給自足で協力して生活を豊かにして…

自然の中で自由に…」

「やめろ言うな。俺だってそう言うのがしたかったんだ。」

「……」

「暮らしを守る…

皆の為に…

子供達な憧れ…

そんなの、夢だったんだ。

生きていく為には、他人から奪わなきゃいけないんだ…

ハハハハ…」


そう、俺達は生きる為に犯罪に手を染めることにした。


この小説が教育上良くないとしてバンされないか心配だが、仕方が無いのだ。殺人こそまだ起きていないものの、治安はどんどん悪化している。

「まぁそんなこと言っても仕方が無いわよ。それに、正直あたしこう言うのやってみたかったのよね。」

「そういうこと言っちゃうと私達が略奪行為に快楽を覚えているみたいじゃ無いですか…」

「……なんだろう、この惨めで虚しい感情は…」

「それは置いといて、作戦の確認だ。

ますアリアが住民に剣を突きつけ、こういう。

『おいお前ら止まれ!

俺達はニア盗賊団だぞ!!

動いたら殺すからな。』

ってな。

そしてそのうちに俺が裏から…」

それを聞いた二人が同時につかみかかってくる。

「嫌です!そんなの絶対嫌です!何で私がそんなことを!」

「ちょっと!!何で私が主犯格みたいになってるんですか!?」

「お前に関しては実際主犯格だろ!

この状況誰のせいでなってると思ってんだ?

はぁ…

アリアに関しては俺と役割を交代でいいか?」

「まぁ…私が悪…いんですよね。でも、なんかすごく釈然としませんよ!」

「私も住民を脅すよりは盗む役割の方が…

それで良いですよ。」

「そして、ニアは作戦が失敗したら、拘束魔法でヤってくれ。」

「ますます強盗じゃ無いですか…」

「ねえ、あたしは何をすれば良いの?」

「お前は何もせずに外で待ってろ。」

「あたしは最後の砦ってことね!

良いわ、任せなさい!

何かあったらあたしの魔法でボンッよ!」

すごく不安だ。

「よし、行くぞ!」

4

「すみませーん、ちょっと良いですか??」

俺は計画通り家の表から戸をノックした。

「はーい、いま開けますー」

パタパタと走ってくる住民の音。


ガチャリ


「何の用件でし…」

「へいへいそこのイカした旦那ー!

最近、女性からモテてないと思わなーい??」

「いや、妻子がい…」

「チッチッチ。

負け惜しみはよして下さい。

どうせ周りから避けられる惨めな人生を過ごしてきたんでしょう?

超モテモテの私には分かりますよ!

常時ボッチな可哀想な人のやさぐれた目つきを。

そ・こ・で。

女性からモテる香水、欲しく無いですかあ?」

「何ですか失礼な!

第一、あなたは誰なんですか??」

マズイ。扉を閉められる。アリアの侵入がバレたら…

サクラ!出番だ!

「キャーイケメーン。なんかあたしあなたを見てビビっと来たのー付き合って付き合ってー

付き合ってくれなきゃやだやだー」

「お前なんだその棒読みは!!

絶対思ってないよなぁ??

それじゃあ演技だって…」


「「あ。」」


「あんたら、グループの盗賊だな?今すぐ仲間を見つけ…」


バレたっ!

終わりを悟った俺達は目を合わせ…。


「「よし。」」


「何だお前ら…?

何する気だ?」

サクラは大声を出す為深呼吸をすると…


「キャー!!痴漢!!

誰かこの人を捕まえてー!!!!!!!!!」

「助けてくれー!!連れが下卑た無教養のおじさんに襲われたー!!誰かコイツを捕まえてくれー!!」

「なっ…お前ら何を言っ…」


「「ヘッ。」」


「このぉぉぉぉ!!」

こうなった以上おじさんには分が悪い。

俺達はアリアのところにさえ行かせなければ良いのだ。

勝利を確信した俺達が心身の苦痛だの死刑を求刑だの大声で周りの人達にでっちあげた嘘っぱちを話していると…


「キャー!!泥棒ー!!」


ラウンド2!!!

            5

家の中にいる家族にアリアが見つかったらしい。

その声に驚いた周りの隙を見て、俺達は家に向かって走る。

「あっ!!」

おじさんが俺達を指差し叫ぶが、今おじさんは痴漢扱い。

アリアを助けなければ。

「キャー!!誰かー!!」

室内では、ひたすら助けを求めるだけでどうすれば良いのかわからず立ちすくむ女性と、同じくどうすれば良いのかわからず立ちすくむアリアが対峙していた。


お前が立ちすくんでどうする。


「シンイチ!こんな時って普通どうするんですか?」

「こんな事普通の人にはねぇわアホ!この人は動けない!さっさと取るもの取って逃げるぞ!」

その言葉を合図に俺達はバラバラに家を漁り始める。

「ねぇシンイチ。どさくさに紛れてあの人の下着盗んだりしたらあたし許さないわよ。」

「そんなこと言ってる場合か!

俺達の目的は食糧だ食糧!

さっさと漁って…」


「お前ら、止まれ!」


マズイ、もう警察が来たのか!?

何が何でも早すぎる。これは…


「あたしが痴漢のおじさんを捕まえてもらうために呼んどいたわ。」


「クソッタレ!お前はどうして余計なことを!

お前のせいで全部台無しじゃねえかよぉぉぉ!」

「あたしだって良かれと思ってやったんだからそんな怒んないでよ!!

だってダメって言われなかったんだもん!」

「お前はダメって言われなかったら何でもやるのかぁぁ!!!!!!!!!」

「もうわかったわ、こうなったらやってやる!!

あたしの本気を見せてやるわよ!」

やめろ!嫌な予感がする!


『ソニック・ブラスト!』


サクラから放たれたその魔法は強力な衝撃波と爆風を巻き起こし、辺り一面を暴風の渦に巻き込んだ!


「逃げるぞお前らぁぁ!」


そうして俺達は鮮やかな盗賊デビューを果たしたのだった。

            7

その夜

「今日はあたしの素晴らしい一撃でヒキニートの欠陥作戦を成功に導いたわけだけど、こんなやり方はリスクが大きいと思うの。」

誰のせいだと思ってんだクソッタレ。

「そこで賢いあたしは考えたの。

わざわざあんな回りくどいことしなくても、あたしが家に魔法を一発打ち込んで一撃だと思うのよ。」

今日の活躍に快感を覚えたらしいサクラが過激な思想を膨らませているのが心配だ。

今度からはちゃんと褒めてやろう。

「それだとますます本物の犯罪者じゃ無いか。

まあもう手遅れではあるんだが。」

「作戦としてはありですが…サクラはそれで良いのですか?」

胸を張り、もちろんというポーズのサクラを、俺は信じることにした。

            8

翌日 また別の家の前。

『ソニック・ブラスト!』

朝っぱらからオーバーキル気味な暴力が振るわれた哀れな家は無惨にも崩れ去り、中から慌てた様子の家族が出てくる。

「ハーハッハ!

そこを退きなさい!

サクラ盗賊団のお通りよ!!

こら、頭が高いわ!」

そんな家にちょっと危険な感じで高笑いしながら押し入るサクラ。


ちょっと怖い。


『ソニック・ブラスト!』

「噂のサクラ盗賊団だ!

野郎、ぶっ潰してやる!」

『ソニック・ブラスト!』

「あれがあの…

マズイ、みんな逃げろ!」

『ソニック・ブラスト!』

「よぉし、おばちゃんがお小遣いあげる。

だから、だから…

家を壊さないでぇぇぇ!」

『ソニック・ブラスト!』

「ヒィッ!出たぁぁぁ!!」

『ソニック・ブラスト!』

「あぁ神よ。

私は信仰に厚く善良な市民です。どうか私を助けてください…」

こんなの見せられたらもう我慢できない。

いくら何でも…


「おーいサクラ!

盗賊団の名乗りあげるの俺にもやらせてくれよぉ!」

「良いわよ!シンイチに特別に任せてあげるわ!」

その言葉に俺がサクラを引き止めることを期待していた人々の顔が絶望のどん底に落ちる。


『『ソニック・ブラスト!』』


「うわぁぁぁ!!!」

           9

度重なる成功にすっかり調子に乗り、詠唱のアレンジまで始めた俺達はついに…

「おいサクラ、見ろよこのポスター。

『サクラ盗賊団を名乗る悪質な強盗に注意。

捕まえてきたものにはギルドから懸賞金500万アルジェント。

※指定暴力団』

だってさ!

ついに俺達にも懸賞金がかかったぞ!」

「フッ。まだよ。夢は国家指名手配ね。そのためにはまず…」

            10

『ソニック・ブラスト!』

またもやテロ紛いの強盗をしていた俺達は、すっかり油断していたのだろう。

…………。

「あれ。出ないわね。」

『ソニック・ブラスト!』

「……」

『ソニック・ブラスト!』

「……」


「魔力切れね。」


「今だ捕まえろぉぉ!」

なんでだよぉぉぉ!!!

11

「そして仲良く全員集合しちゃったわけか。」

「……。」

「……。」

「……。」

取り押さえられボコボコにされた俺達は、遅れて捕まったニアとアリアと廊下を挟んだ牢屋に入れられていた。

「何で…何でよぉ…

3人のために頑張ったのに…」

後半調子乗ってたろ。

まあ俺も何だが。

俺達が何とも言えない気まずさを覚えていると…


「「「「「「うぉぉぉぉ!!!」」」」」」


牢屋の外から沢山の人々の悲鳴が聞こえてきた。

























パプリカに恋をした。夢見る物書きです。


投稿頻度の遅いダメ作者ですが、面白ければ是非星ください。

『ベルミナの街編』は序盤ならではの伏線を入れる兼チュートリアルなので、次回か次次回には本格的にストーリーや仲間との恋が始まります。

アリアの活躍が少ないですが、近日『アリア編』公開。

お楽しみに!

読んでくれてありがとう!

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