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バカとカレーと転生と!  作者: 夢見る物書き
第一章 『ベルミナの街』編
5/11

第四話 エゴイズムと狂気の住民と惨状と!

            1


もうホント疲れた。


前回も俺の疲労独白から始まった気がするが、それは俺がそれほど疲れているということだ。決して手抜きではない。

ニアの魔法が大地を焼き尽くし、愛しあう二頭を引き裂いた後。

俺達は、別の意味で大変な試練に直面していた。

            ※

クエストを終えた俺達がギルドの扉を開いた瞬間。

「「「「「「ッ!!」」」」」」

サッとギルドの人々の血走った視線が俺たちのもとに集まり、ギルドが静まり返る。

街を救ったヒーローを見る憧れの視線だろうか。

それはもう熱い…

例えるならば…

そうだな。

親の仇を見るような。そんな視線で…

「ねぇあたしちょっと急用思い出したから帰るわね…

じゃあ、晩御飯作っとくから!

それじゃ…」

俺は逃げようとする卑怯者の首をガッと掴む。

「ちょっと何よ。あんた放しなさいよ。

早く帰らなきゃ…

ちょ放…

放せっつってんの!

痴漢よー!!

へんたーい!

誰かー!!」

「アホかお前ぶっ飛ばすぞ!!!

もうこの後の展開なんてだいたいわかる。

俺達がギルドに吊し上げられて、責められて、お前が泣き喚いて、ニアがギルドに魔法をぶち込んで全部ブッ壊れ、俺たちは指名手配されるんだ!!

な?そうだろ!?

大体チー牛の俺がこの世界に来て成功しようなんて考えたのがおかしかったんだ!!

俺がそんなうまくいくわけないだろ??

あぁもういいさ!

おいニア!いっそなことコイツらごと全部ぶっ飛ばしちまえよ!!!!!!!!!

もうどうにでもなれ!!」

俺の言葉に危険を覚えたのか、一斉に飛びかかってくる連中。

必死の抵抗も虚しく、俺達は取り押さえられた。


もうホントおかしい。


「「「「「テロリスト!テロリスト!」」」」」

俺達を糾弾する声。

「「「「「恥を知れ!テロリスト!」」」」」

俺達を非難する声。

「「「「「くたばれ!!テロリストめ!」」」」」

声を揃え、一つになる仲間達。

柱に縛り付けられた俺の空っぽの脳内には、その声だけが虚しくこだましていた…。

ごめんなさい神様ごめんなさい。美女達と楽に魔王討伐して、温い人生送って。

そんなこと考えてた俺が間違ってたんです。

だから…だから…


俺を元の世界に戻して下さい。


俺は切実に願った。

2

捕まった愉快な犯罪者予備軍の俺たちは、取り調べを受けていた。

「おい、おっかしーだろこれ大体!!

何でモンスター倒して街を救った俺たちが捕まって取り調べ受けなきゃ何ねーんだよ!!

なあおい!

言ってみろよゴラ!!」

「そーよ、そーよ!!

そこのニートはともかく、あたしは神聖なるなんか凄い神パワーで、あんたらみたいな穢れた冒険者達を救ってあげたのよ!

今すぐこの縄を解きなさいよ!」

「街を救った!?

何を言ってるのですかあなた達は…

あなた達が放った魔法のせいで街と外を囲う堀にかかる橋が壊れ、今この街は物資の補給が止まった状態なんですよ??」


へ?


            3

どうやら、こういう事らしい。

モンスターや魔王軍の活動が活発なこの辺りでは、街とその周り少しを外界と隔離し堀を作り、強力な結界を張っている。

そして、外界との唯一の窓口である橋も、普段は騎士が守っているらしい。

それが、俺達が橋を壊したことで物資の支給が来なくなり、今街はパニック状態、というわけだ。

そんなの堀に新しく橋をかければいい、と思うかも知れない。

だが、橋と堀は何百年も前に古代技術で作られた数百メートルもの幅があるものなので、作るのが難しいのに加え、橋を作る為の材料の確保がそもそもできないそうだ。

いよいよ犯罪者じゃないか。俺達。


コレはまずいぞ。何千人もの人々、しかも荒くれ者の冒険者達も含むが缶詰にされたのか。

いずれ食糧もそこを尽きるし、この街に流れる川は細い奴一本だけなのだから、水もいずれ無くなる。

そうすればいずれ暴動が起き、殺人や略奪が横行する。

そして橋が作られる目処も立たない。


あれれ、あれ!


まずくないか。


            4

一旦仮釈放された俺達は、この先どうするかについて真剣に議論していた。

「ハイハイ!

いっそこの街ごとぶっ壊して夜逃げするってのはどうでしょう!」

「却下。」

「ハーイ!

我が必殺の魔法で街の住民を脅して毟り取るってのはどうでしょう!」

「それも却下…

と、言いたいところだが、いざとなったらそれだ。」

「「「うわぁ…」」」

おいニア。お前だけは自分で言ったんだから引くな。

「えっとぉ…

花を摘んでプレゼントして許してもらう…

とか?」

「論外。それならサクラの方がまだマシだ。」

「わかったわ!

それなら皆、荷物をまとめて夜逃げの準備をしてね!

そしてニアはギルドに魔法を撃ち込み、騒動が起きている間に、私達は先に逃げ、あとでニアと合流。

いいわね!」

こういう時だけやけに計画的なサクラの髪を引っ張って制止させる。

「やめんか!!

これは俺達が起こした厄介事だ。自分の尻拭いは自分でするってことぐらい小学生でもわかるぞ?

それに一番の問題は橋がかかってないのに、どうやって逃げるかってことだ。

お前そこまで考えてるのか?」

と言うとサクラは一瞬何の事?と言う顔をし、今思い出したかのように。

「あ、そうだった!

でも、それなら作ればいいんじゃない?

何でそんなこともわからないの?の?」


人の話を聞け。


俺がギルドの職員さんから聞いた話を教えてやると。

「え?それってヤバいじゃない!!何やってんのよニアのバカ!!もうおしまいよ!私達このまま干からびて死ぬんだわ!」

「だからさっきからヤバいって言ってるだろうが。

今部屋にある食料は持って2日、3日ってとこだぞ。」

「「「え…」」」


             5


サバイバル生活1日目

今日から食料と日用品の奪い合いもとい生き残りをかけたデスゲームが始まる。

今この街は、食うか食われるかの野生の状態だ。

正義だの倫理だの言っている余裕はないのだ。

もっとも、そんなもの俺には元からないのだが。

とにかく、ここは過酷な世界だ。

何とか生き延びなければ。

俺が食糧を求めて肉屋に行くと、店は荒らされ、店主のは身ぐるみ剥がされ素っ裸で転がされていた。

酷い。

俺も覚悟を決めなければ。

俺は唯一残っていたサクラがホルバーだと言いふらしていた部位を頂き、カウンターにお金を置いておいた。

これは過酷なサバイバル生活で貴重な命綱となるだろう。

肉を手に入れた俺は八百屋に行った。

またも店は荒らされ、店主のじいちゃんは柱に縛り付けられ、口にキュウリを嵌められていた。 


いい気味だ。


いつもトマトの事をトゥマトトゥマト言いやがって。滑舌悪いんだよ。毎日言われる身にもなってみろ。


俺はそんなおじいちゃんの口からキュウリを引っこ抜き、ポケットに突っ込んだ。

間違えて入れ歯もとってしまったが気にしないことにした。

入れ歯を取られたじいちゃんがフガフガ言っていたが、気にしないことにした。

そして次に俺は広場に向かった。人が集まる広場は喧嘩も多発しているだろうが、情報収集は戦争の基本だ。

そう。

これは戦争なのだ。

多少の喧嘩に巻き込まれるくらいは…

「はぁ…?」

俺はこの世界を舐めていたようだ。

広場では魔法使い達がいくつかの陣営に分かれ食糧を巡って争い、爆発魔法や、レーザー魔法。実に様々な魔法が飛び交っていた。

そして広間の隅には酔っ払いがたむろし、喧嘩やら何やらをしていた。

広場の中心には、おにぎり1個とトマト2つをめぐって生存競争という名の破壊活動を続ける魔法使い共。

広場の隅には、野良犬に尿をひっかける酔っ払い。

うん。家に帰ろう。

夜ご飯はキュウリと肉の鍋だった。

鍋を食べたサクラが入れ歯が入ってると喚いていたが、気にしないことにした。


サバイバル生活2日目

俺は今日朝早くから探索を開始し、広場へと向かった。

こんな朝早くなら魔法使い共も…

よし、いないな。

まあ俺はそれよりも酔っ払いの尿の水溜りがたった1日でなくなっていることが気になるのだが。

蒸発するにはだいぶ多かったし‥.

そういえばこの街は水も不足しているんだったな。

そんな事を考えていると。

登る朝日に向かって土下座をし、何やら拝んでいる集団とエンカウント。


怪しい。


俺は遠くから様子を伺うことにした。

その団体の中心にはローブを被った、教祖と思しき人が厳かな雰囲気で信者達に熱弁を振るっている。

やっぱ怪しい。

「汝ら敬虔なる信者よ!

我らが今直面している試練。

それは神からの警告である!!

そう。我がラサーク教の御神体、ノーハ神を信仰しながら、ピーマンを食べたものがいる!」

「なんだって?」

「背教者だ…」

「そんな残酷なことをするなんて…!」


なんのこっちゃ。


「我が愛する子供達よ。

我が教の教義を述べよ。」

信者達が声を揃える。

「ノーハ神はピーマンを嫌い、チョコレートを好む。なので、信者はノーハ神と精神を共有しているので、信者はピーマンを決して食べてはいけず、チョコレートは高級品なので年に2回お供えすること。」

また随分とガキっぽい神だな。

というかもう付き合ってられない。

そう思ったその時。

信者の1人の目玉がギョロリとこちらに向き…

「汝、真の救済を求めるものよ‥」

「ピーマンに除草剤を

 チョコレートに牛乳を」

「汝、真の救済を求めるものよ…」

「ピーマンに除草剤を…」

逃げなきゃ…

「…?

何故逃げるのです?

今は食糧も水もありませんが、信じるものには大量のチョコレートが…」


「「「降ってくるのです!!」」」


やだ怖いこの人達。



「うわぁぁぁぁん!!!

変な奴らに犯されたぁぁぁ!!」


命からがら助かった俺はキューラみたいな事を叫びながら、宿に逃げ帰り、1人楽しそうに編み物をしているサクラに泣きついていた。

「なになに?急に抱きついてどういうつもり?

さては、段々と治安が悪くなっていく街で、ついにやられちゃったんでしょ?

それも男の荒くれ冒険者に。

よしよし。可哀想に。

まずは風呂でも入って…」

「何ややこしい妄想してんだ非モテ処女が!!」










気づいたらボッチ。夢見る物書きです。

勢いで書いている作品なので多少粗さや雑さがあるかもしれませんが、どうかお許しを。



伏線があったりなかったり…?

やっぱありません。




読んでくれてありがとう!

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