プロローグ 見栄と限界と臨終と!
どうも!夢見る物書きです。
初投稿!
すごく馬鹿馬鹿しくて面白い(?)異世界転生を書きました。みなさん!読みましょう!
そして布教しましょう!
俺が最期に見た景色はカレーだった。
俺の汗やら涙やら鼻水やらがトッピングされた食べかけのカレー。
最期くらいもっといいもの見たかったなぁ。
俺の最期を看取ったのはチー牛2人だった。養豚場にいそ…おっと口が滑った。
最期くらい美女に囲まれていたかったなぁ。
なんだか俺って…
最期まで残念な奴だったなぁ…
ある夏の昼下がり。俺は唯一の友人2人とド田舎の畦道を近所のカレー屋目掛け歩いていた。
2人は下田と山下。
俺達はとあるアニメのイベントで出会い、会話をしているうちに、自分達が同じ学校の同じクラスだと気づき、今に至っている。
そんな俺達は今、この中で誰が1番モテないか、を真剣に議論していた。
「山下じゃねえか?お前いつも教室の隅でゲームの攻略本読んでて暗いしw」
と、下田が言う。
きっとそれはほんの冗談のつもりだったのだろう。
ところで、トイレの個室でアイドルの写真集眺めてるお前はどうなんだと言いたい。
「いっつもアニメの服着て来て女子に引かれてるのも知らずに学校を徘徊してるお前はどうなんだよ?
その服見せびらかしてるつもりかもしれないけどお前巷でキモT徘徊男として有名人になってるぞ?」
それは事実だが、お前もそのTシャツ持ってるだろ。
「「何を!!!」」
背比べをするどんぐりさん達は喧嘩を始めた。
ポカッ!ボコッ!バコッ!のにゅーん!
アニメでしか見ないケンカの音してんな。
てか最後の音はなんだ?
揉み合う2人はバランスを崩しそのまま…
「「「あっ…」」」
ボチャン。
田んぼに落ちた。
泥まみれの2人を安全圏から眺める俺。
2人は顔を見合わせると…
ん?これマズイ流れだ。
俺を田んぼに引き摺り込んだ。
ボチャン。
そうして無事(?)カレー屋に辿り着いた俺達は、店内で厚いもてなしを受けていた。
具体的には、掃除をしていたバイトに声をかけたら悲鳴をあげながら逃げられたり、注文しようと声をかけた店員が失禁しながら気絶したりだ。
いい男というものは泥まみれで魚のフンがついていてなんか変な臭いがしてもモテるのだ。
モテるのだ。
モテるのだ…
あのぉー…
泣いていいすか?
店長に出入り禁止という面白いジョークを言われた俺達は、店内でもせせこましい争いをしていた。
「お前お子様カレー食ってんの?
そんなんだからモテないんだよ。」
それは関係ないと思う。
お前こそそんなこと言ってるからモテないんだよ。
「は?
本気出してねぇだけだし。
あと別にモテなくねぇし。
お前黙れし。」
お前も張り合ってんじゃねえよガキか。
そんなことを思いつつ1番ガキっぽい俺が2人に渾身のドヤ顔を見せる。
「き〜み〜た〜ち〜w
いつまでも争ってる暇があったら激辛カレーの一つでも食べれるようになったらどうだい?w」
そう。俺はこの店で1番辛いキモい激辛カレーMAXを頼んだのだ。
それを見た2人は押し黙り、顔を引き攣らせる。
フッ。勝ったな。
それを見た俺は満足そうにカレーを口に運ぶ。
かく言う俺もこんなもの食べたことはないのだが、本気で我慢すればなんとかなるだろう。
て言うかなんとかならないとやばい。
パクッ。
そのカレーは思ったより辛くなく、俺は余裕でカレーを飲み込んだ…
訳なかった…
即座に俺の舌に激痛が走り、俺は悶え苦しむ。
あ、やばいこれ
アカンやつや…
バタッ。
俺は下らない見栄で死んだ。
そうして気づいたら
ここにいた。
これが噂の異世界って奴だろうか。
多分そうだな。うん。
ってえ?
俺はもう一度死ぬのではないかと言うほどの眩暈を覚えその場に座り込む。
来てしまった。
憧れたあの世界に。
いや、この世界に。
なんと言うことだ。
これは本来喜ぶべきことなのだろう。
だが俺には喜べない事情があった。
服装も体の状態もあの時のままなのだ。
お金は使い果たしてしまったし、何より体が泥まみれだ。
これ、風呂とかで死んだ人は裸のまま右も左もわからない状態でこの世界に飛ばされ、輝かしい異世界生活を牢屋から始めることになったのではないだろうか。
転生させる前に神とかから装備や能力を与えるべきだと思う。
そこんとここの世界は雑なのだろうか。
「ひとまずギルド的なものを探してみるか…」
そう考えた俺は重い腰をあげ、不安しかない異世界生活の第一歩を踏み締めた。
モチベになるので星欲しい!(ダジャレじゃないよ)
星5つくれたらあなたの元へキモT徘徊男が行きます