12話 すったもんだのお白洲よ
三歳「お白洲って...裁いてないだろw」
セシル「うるさいわね!だったら変えてよ!!」
三歳「いや、まぁそのうちその場で裁くこともあるだろうから、そのままにしといてやるよ」
セシル「そうね♪成敗!!って言うのも[三歳]「それはもう実刑(判決飛び越えてる)だろ!」細かいわねぇ」
サクヤ「地味にネタバレだから(前書き)止めたら?」
セシル&三歳「「止めないw」」
クレア「始めます♪」
一同「「「強制だと!?」」」
「詰まってるわね」「当たり前じゃねぇか!?実験で一度も正常動作した事ねぇだろ!?」
そうなのだ。主な理由は排熱、潤滑油の持続性だろう。カーボンによる汚れ等はまだ考える段階じゃない。
「あっつ!?なんなんだよ?!これは!!」
見知らぬ声にそちらに目を向けたら、馬の骨が銃身を触って手を火傷していた。
他にも何処から出てきたのか、ぞろぞろと鴨が葱を背負ってやって来た。
「バラバババババラ゙ㇻㇻㇻ…………!!!」「「「「「「「!?」」」」」」」
「全員その場で両手を上げて膝を付け!!これは命令である!!!」
カーウィンの上げた怒声に、ほぼ全員が従い両膝を付く。
おそらく先程サミジナの傀儡が蜂の巣になる所を見たのだろう。
笑えるほど従順だ。だが流石に、これだけ居ればコソコソする奴も数名出て来る。
「パーン!!!」「「「?!」」」「次は当てますよ?」
そんな不届き者にサクヤが釘を刺す。恐ろしい程冷たい眼と、響きからは想像出来ない声音で...
「(普段可愛い声なのに)どうやってるの?それ(声音)も訓練で身に付けたの?」
「お嬢様?!それは今じゃ「お嬢様?」!?失礼しました」
大人しくなった不心得者を拘束するサクヤに、私は声を操る術を探ろうとしたが失敗した。だがやや呆れながら断ってきた彼女に私も意趣返しする。
そんな事はさておき私はクレアに目配せし、リアにも念話する。
『出番よ!』『もう出ておるではないかぇ!?』『気分よ♪』
サクヤとリアに気を取られ、そうこうしている間に
いつの間に用意したのか、優に百には上ろうかという数の衛兵モドキが機銃(良く見たら枝?に土塊が付いたもの)を手に持っていた。
それを烏合の衆となったカモネギに、標準を合わせてはビクつかせて遊んでいる。
チラッとランシェらに目を向ければ、妹はニッコリ微笑みサミジナは両手を上げながら首を振って顎で左右を指す。
その先ではモールがニヤつきながら何やら指先を動かしていた。
おそらくサミジナから衛兵モドキの制御を一部受け持ったのだろう。
「まぁ、良いだろう」『お主、そういう所は冷徹じゃのう』
一旦装甲車に戻り着替えながらそんなやり取りをした私は、満を持して外に出る。
リアの突っ込みはさておき、私は待ちに待った計画が、今日花開く喜びに打ち震えながら...カーウィンに合図を出す!
するとカーウィンは私の方に歩み寄り、少し離れた所で立ち止まって衆愚共に向かって声を上げる。
「皆の者!控え〜ぃ」「頭が高い!控えおろう!!」
カーウィンの声に合わせてアヴェイルも声を上げながら、手近にいた捕縛者の頭を抑え下げさせる。
それを見た他の捕縛者達も一斉に頭を下げる。後ろの方に立ち尽くした人影が見えるが
『アレは先程拾い上げた子の親じゃろう』『そうね』
私はリアの予測は当たっていると確信しつつ次の口上を待った。
「ここに集まった貴様らは、ネスティーなる異形を観賞すべく集まった愚か者共で相違ないか?」
カーウィンの問いかけに誰も答えず湖畔に静寂が木霊する。
「これだけの者達が居て首謀者が居ないわけなかろう!!素直に答えねば罪が重くなるだけだと何故分からぬか!!!」
その一言に肝が冷えたのだろう。先程サクヤが取り押さえた者の一人が名乗りを上げた。
「恐れながら申し上げます!私はクラウン商会で商会長を務めさせて頂いておりますヤンド=ジュールと申します!!」
その名乗りを聞いてカーウィンがピクリとする。そんなカーウィンを見て、その男の傍に居るサクヤは私を見ながらニヤっと笑った。おそらく顔を知っていたのだろう。だからこそ最初に逃げ出そうとした三人を即座に牽制出来たのだ。
「申してみよ」「はい!」
この手の交渉事には慣れているのだろう。額に汗を掻いているが、どうにかして罪を軽くしようとしているのが丸わかりだ。可能なら言い逃れも視野に入れているのだろう。だが、そうは問屋が卸さない。
『いつからクードル商会は問屋『言葉の綾よ!ってアナタ毎回私をおちょくってるでしょ?!』なんじゃ?今頃気付いたのかぇ♪』
突然気色ばんだ私を不思議そうに見てきたクレアが、私の視線で(意地の悪そうな笑みをこぼすリアを見て)何があったか理解する。そんなことよりあの往生際の悪いやつが何を言うか見るため、私は意識をヤンドとやらに向けた。
「私どもはアインス家の要望を受けてここの往路を確保していただけでして、まさか小さな子どもを贄とするような事をしてまでニス湖に潜む幻獣をおびき寄せようとしていたとは露知らず...」
そう言って言葉を濁すヤンドとやら...だが
「ちょいと待ちな!嘘はいけねぇぜ。俺達にずっと人買いをやらせといて、自分だけ逃げようってのは虫が良すぎるぜ!!」「な、なんの事ですか?私はアナタのような人たち...知りませんよ?!」
盗賊のような出で立ちの輩に言い寄られ白を切るヤンド。実際直接顔を合わしたのはこれが初なのかも知れないが、彼らの運命は変わらないという事に愚かな者共はまだ気付けないだろう。
「そこまでにせよ!」「「!?ははぁ〜」」
少し芝居がかっている(ヤンドの方)愚か者にそろそろ痺れを切らしても良い頃だろう。
私はカーウィンとサクヤに目配せして、今回の事件の詳細を記した罪状を見せるよう促す。
「手配書、下記に記載されし者共に誘拐、及び隠匿の嫌疑有り!詳細は主文にて告知」
その言葉を聞いて全身を硬直させる先ほどの者と他数名...
「は、初めから分かってたんじゃねぇか!この性格ひん曲がったクソ役人共が!!!」
暴れようとした野盗をモールが真っ先に取り押さえ、残りを衛兵モドキが行なった。それを身近で見ていたモールは面白い程驚いており、他の仲間たちも同様に驚いていた。だが...
最後に妹を見上げたら(まだ装甲車の上に居たので)サミジナの首根っこを抑えて何やら騒いでいるように見える。おそらく衛兵モドキを操って取り押さえたのはサミジナだろう。当然やらせたのはランシェだろうが...
(多分念話だろう。不慣れなため口が動いてしまうようだ)
妹もまだまだだなと私が思っているとリアが
『お主...サクヤに言われた事...盛大に忘れとるのう』
呆れまくった。まぁ姉妹ですからと自分に嘯き、ワナワナ震えているヤンドを見ていると
「も、もう知ったこっちゃねぇぇぇぇぇぇーーー――――…!!!」
そう言って自分の左腕に噛みつき何かを唱え始めた。それを見たリアが
『其奴を止めよ!?今すぐにじゃ!処しても構わん!!!』
念話で伝えて来る辺りまだ少しの猶予(詠唱時間)があるのだろう。だが[処して]の言葉がその緊急性を物語る!
「サクヤ!成敗!!」「?!御意!!!」
私の命令に従い即座に事を完遂するサクヤ。
『危なかったの。アレを起動されたら、この辺りが毒で十数年は生物が生息出来なくなっておったわ』
『嘘でしょ?!』『そんな下らん嘘は言わんぞぇ』『...はぁ〜』
そんな私たちの念話を余所に、カーウィンが沙汰を告げていた。
それを聞いた私は締めを行うべく心の準備をする。
そして...
「「「「「「「「「「ははぁぁぁぁぁぁ」」」」」」」」」」
一同が深々と頭を下げ、頭を上げたその視線の先が私の方に...ん?なんか少し上のような...
一番近くにいる者の目線を辿れば明らかに私の頭上を見ており...
「これにて、一件落着!」「「「「「「「「「「ははぁぁぁぁぁぁ…」」」」」」」」」」
ランシェが胸を貼って、一同にこの一件の終演を告げた。
これは受け付けられない。何のために私が数年費やし、十数年夢見て来たと...
『う、嘘でしょおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!』
『や、やかまっ!?うひっ?!うひぃぃぃーーー―――…っ!!!』
リアのことなんて今はどうでもいい。
両親と思われる夫婦が、装甲車を降りてきたランシェにお礼を言いながら深々と頭を下げ...
モールが息子?と覚しき幼子を両親に手渡すと、2柱にもその親子は頭を下げ...
サクヤがその親子にクードル商会の馬車で帰路に着くよう手配すると、その親子はそこでも感謝に打ち震え...
目の前の光景を何処か遠くでやってる演劇でも観ているような心境で眺める私を...
「うひぃ――――――――――――!!!お願いじゃからもうこれ以上我を笑わせんでくれぃ!!!」
念話する余裕も無くなったリアに、私に代わって臣下たちが強烈な侮蔑の視線を向けてくれたのが唯一の救いだった。
セシル「うぅ...」
三歳「泣いてんのかよ!」
セシル「だって...」
アヴェイル「あれは...なぁ...」
カーウィン「申し訳ありませんでした」
モール「「なんでアンタが謝ってんだ?」」
サクヤ「ランシェ様をワザと見逃したからでしょう」
リア「まぁ仕方なかろう。主家の娘じゃぞ?」
一同「「「「「「「じぃ――――」」」」」」」
クレア「ここでもやりますか...そして、続きますか?」
セシル「いやぁぁぁ――――!!!」
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