1章 1話 見知らぬ天井
これは【異世界人Vチューバーになる】の外伝になります。
(...ここは?)
気が着くとベッドの上に居た。
眩しいと感じながら起き上がろうとしても何故か、つんのめったような感覚に囚われるだけで一向に起き上がれない。
「っあぅ...たっ!」
自分の喉から出たであろう声に自分で驚く...
更に目の前に突き出した自分の手の小ささに(はぁ?!)と思った瞬間
「あら?お目覚めになられたのですか?」
と聞いたことの無い言葉で話し掛けてくるメイド風の女性に抱き上げられた。
「メル?リアが起きたの?」
メルと呼ばれた女性は僕を抱いたまま振り返り「はい。奥様」と答えその女性の下に歩み寄る。
「リア♪私の可愛い娘♪」
奥様と呼ばれた女性から出た言葉に僕は驚くも、前後のやり取りで予測出来た為そこまでは動揺しなかった...が...
聞いた事も無い言葉を赤ん坊の状態で理解してる事、性別が逆転してる事、それ以前に(生まれ変わってる?)って事とか情報が多過ぎる!!!
驚きまくっていると(コンコン)とノックする音がしてメイドが扉を開き恭しく頭を下げる。
「リアは起きておるかの〜♪」
部屋に入るなり此方に歩み寄る中年男性に
「御義父様、おはよう御座います」
と奥様と呼ばれた女性が挨拶すると
「おはようシェリアよ。息災か?」
とデレた顔を紳士的な笑みに変え挨拶がてら体調を気遣う。
「お気遣いありがとう御座います。産後二月程経ちましたし頗る健康に過ごさせて頂いております」
(母の名はシェリアというのか)
そんな事を思っていると
(コンコンコン)
と少し早いノック音と共に
「ヴェルノア様は此方にいらしておりますでしょうか?」
と問う声が...
「儂はおらぬと(ガチャ)メルぅ〜…」
「何故居留守を使おうとするのですか!あれ程時間は無いと申し上げたではありませんか!!」
騎士の鎧に身を包んだ男はメルに一礼し祖父らしき中年男性を睨め付ける。
「ヤーシスよ、少しばかり「駄目で御座います!!到着が遅れているならば迎えに征くのが臣下の務め!」...相変わらず石頭よのう...」
結局祖父は僕を抱き上げる事も出来ず顔だけ見ながら
「また来るからの〜」
と悲しげにヤーシスと呼ばれた騎士に連れて行かれた。
「兄様は相変わらず騒がしいですね」
そう言ってシェリアは立ち上がり窓辺に寄って
「良い天気ですね」
と微笑みながら赤ん坊に語りかけた。
人生楽ありゃ...(続く)