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友達

【ラーズィニア企業連合国】

複数の企業が合わさって形成された新興企業国家。

荒廃都市から南西に位置する。


エクセラ・メカニクスが国のトップを担っており、周辺国家と比べても発展がめざましく存在感を現している。


自動販売所を設置したり一部地域を管理下に置こうとするなど、荒廃都市への干渉を何度か行っている。

  ──────────────────

        ??? 19:00

    ラーズィニア企業連合国 ???

  ──────────────────


白、白、白。


辺りを埋めるのは、ただの、それだけ。


私は……どうしてここにいるんだろう。

私は……何をしていたんだろう。

私は……誰なんだろう。


………………


…………………………


静寂。


誰も、何も、答えてはくれない。


……さみしいな。


せめて……友達が欲しい。

私だけの……友達が。


………………


……………………


────ロロロ………


…………?なんだろう。

何か…………聞こえる。


こっちに、来てるの……?


────ブロロロロ……!


……来る…………!


───パリィィィン!…………


何かが、向こう側から壁を破って飛び出してきた。

白が、音を立てて崩れていく。

割れた壁の破片の中、宙を舞っていたのは──


──1台の、大きなバイクだった。


そのバイクは、宙を舞いながら姿を変えていく。


2本の脚、2本の腕、そして1つの頭。

そしてそのバイクは、人の形となって、私の前に着地した。


「……あなたは、だれ?」


私は、その大きな機械の人に尋ねる。


「……私は、先進(Advanced)機動(Mobile)統合型(Integrated)戦闘(Combat)支援(Utility)システム(System)


「"アミクス(AMICUS)"とお呼び下さい。お嬢様」


彼が私に跪く。


「……お嬢様?」


「はい。私は、貴女様……"イヴ・フロウライト"様によって造られた、貴女だけのアニマータ。私は貴女の友であり、従者であり、剣であります」


「さぁ、ご命令をどうぞ」


……状況は飲み込めない。

しかしわかる事はあった。

彼の名前はアミクスで、私の名前はイヴ。


そして──


「居たぞ!侵入者だ!9番の収容室に居る!」


「不用意に撃つなよ……!9番を殺す訳にはいかないからな……!」


──ここに居ては、いけないという事。


「ねぇ。アミクス」


「はい」


「私をここから連れ出して」


私は彼に命令した。


彼は、ゆっくりと立ち上がり、振り返る。

そして、右腕を銃に変形させ、フェイスカバーを展開した。


「イエス。マム」


銃声と硝煙と割れたガラスにまみれた世界。

私は、友達を得た。

【アニマータ】

高位の思考能力を持つ人型ロボット。早い話が「感情を持つロボット」である。

アニマータ毎に性格も異なる。


人類史に突然現れた様な存在であり、ブラックボックス的要素があまりにも多いのが特徴。

例えばアニマータの中枢コンピュータはものすごく緻密で難解な構造をしている。特にその中枢コンピュータ内に入っているAIの製造や改造は未だに不可能とされている。


内部構造が明らかに異なるために"ニヒルマータからの突然変異"といった説は否定されているが、結局のところ誰が生み出したものなのかは未だに不明。


数十年前に"アニマータ・クライシス"を引き起こした事で現在では殆どの地域でアニマータを稼働させたり製造する行為が禁止されている。


荒廃都市内には稼働停止したものや徘徊している個体が居る事があり、ある者はそれらを回収して売り払い、ある者は修理を試みたりしている。


現在徘徊している個体はほぼ全て思考能力に異常をきたしており、ロクに会話も出来ない上に目についた人間を無差別に襲ってくるため危険。


【ニヒルマータ】

自立稼働する人型ロボットで、高位な思考能力や人格を持たないものを指す。


アニマータと違い何の規制もかかっていない為、ある時は兵士として、ある時は警備員として、ある時は作業員として幅広く運用される。

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