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『元気の源はお姉さま、なのですっ!』

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今回も乃愛視点での物語となっておりますので、ご注意ください!

 親をどうやって説得しようか、自分なりに色々考えてみました。

 ……けど、やっぱり自信なんてぜんぜんありません。

 だって私、親に真面目に意見したことなんてほとんどないし、そもそも自分から話しかけに行くのも得意じゃないんです。


 でもでも! ひまり先輩とあんなに真剣に話しちゃったんだもん。ここで何もしないなんて絶対できない!

 ……とは思うんですけどね? いざ想像してみると「何をどう言えばいいのか分からない」っていう。

 うーん……困ったぞー。


 とりあえず寮に入りたい理由をちゃんと考えなきゃ。私の気持ちをそのまま伝えたいけど、それで伝わるかっていうと……たぶん「一時の感情でしょ」って言われて終わっちゃう気がする。

 うぐぐ……。人を説得するって、こんなに難しいんですねー。


 でもでも! お姉さまに会ってからの私は確実に変わってるんです。

 ほんの少しでも「変わろう」って思えるようになったのは、お姉さまのおかげ。

 はあ……お姉さまって、すごい。可愛いし優しいし、男装姿は最高にかっこいいし。ずるい。好き。もう大好き。

 もしお姉さまが男性だったら即お付き合いしてたかも。……いや、女性同士でも私は全然構わないんですけどね?


 それに、恋をすると景色がカラフルになるってよく言うけど……あれ、本当なんですね。毎日がこんなに眩しくて、心臓がぎゅってなるなんて、今まで知らなかった。

 この気持ちは絶対本物だ。だからこそ寮に入って、お姉さまにもっとふさわしい自分に変わりたいんです!


 とはいえ……まずは親を説得しないと始まらない。

 難しいよ~……はあ。お姉さまに慰めてもらいたい。頭ぽんぽんしてもらいたい。ぎゅって抱きしめてもらえたら、一瞬で全部どうでもよくなるのに。

 でも甘えてばかりじゃ駄目ですよね。お姉さまには内緒で進めて、入居が決まったらびっくりさせたい。きっと喜んでくれるはず!


 ……同室は無理そうだけど。ひまり先輩がちゃっかりお姉さまの部屋に出入りしてるし、私も通っていいんですよね?! 絶対怒られない! ……はず。

 ああ、早く寮に入りたいなあ。毎日お姉さまに会える可能性が増えるとか、それだけでご飯三杯いけます!


 よーし、頑張るぞ!

 ……とは言ったものの、やっぱり不安は消えない。ここはやっぱりひまり先輩に相談しておくべきかな。ひまり先輩、おしゃべりだから内緒の件はちょっと危険だけど……でも何もしないよりはいい。


***


 というわけで、お昼休み。私は二年生の教室に突撃しました。

「ここでいいんだよね……?」と自分に小声で確認してたら、声を掛けられる。


「あれ、乃愛じゃない? 二年の教室に来てどうしたの?」

「あ、沙耶先輩! ひまり先輩を探してて……」

「あー、中入る? それとも呼んでこようか?」

「呼んできてもらえれば助かります!」

「了解ー」


 ふう。やっぱり上級生の教室って緊張する……。知らない人ばかりだし、すごく大人びて見える。私、浮いてないかな……?


「なんだー? どしたんだよー?」

 のそのそと教室から出てきたのは、少し不貞腐れ顔のひまり先輩。

「せんぱーい! 今日親に話そうと思ってるんですけど、中々成功させれる気がしなくて……。やっぱり先輩に相談しといた方がいいかなーって!」

「なんだよ、そんな事かよー」

「えええぇっ?! 先輩が手伝ってくれる約束だったじゃないですか~!」


 ああ、やっぱり頼りない……。


「そーだったなー。腹減ってるから、飯食いながらでいいか?」

「もちろんですっ!」

「じゃ、ここで話せばよくね?」

「いやいや、それは駄目です! 朱里お姉さまには内緒にしたいんです!」

「なんでだよ? あいつだって喜ぶだろ?」

「ここぞって時に自分で頑張れるようになりたいんですよ! それに、お姉さまには決まってから驚かせたいんです!」

「ふーん……なるほどな~」


 そんなやりとりのあと、私たちはお弁当を持って再集合することになりました。


「で、どの辺が不安なんだ?」

「えっと……私が寮に入りたいって言うと、親が難しい顔して理由を聞いてきそうで」

「まあ普通だな」

「ですよねー……。しかも私の親、少し堅い感じで……。だから余計に苦手なんです」

「意外だな。お前って親のこと好きそうに見えるけど」

「好きか嫌いかで言えば好きです。でも、普段からあんまり話さないし……。話す時もどうしていいか分からなくて」

「なるほどなー」


 ひまり先輩は腕を組んで「うんうん」と唸る。


「そんな相手にいきなり大事な話って、重すぎません?!」

「だからさっさと声かけろって言ってんだよな~。まーでも分かるよ。良い展開が想像できないんだろ?」

「そうなんです! 先輩なのに珍しく分かってるじゃないですか!」

「珍しくは余計だっ! ……でもな、不安なのは“自分がちゃんと変われてないかも”って思うからだろ。だったら言えばいいんだよ。“変わりたいから寮に入りたい”って」

「えええ……そんなシンプルでいいんですか?」

「シンプルが一番だろ! どうせ考えすぎたって伝わらねーし」


 むむ……先輩、意外と正論……。

 なんだかんだで頼れるのかも?


「で、親の反応が微妙でも気にすんな。まずは言うこと。大事なのは“最初の一歩”だ。お前なら大丈夫だって」

「……分かりました! やるしかないですね!」


 そうやって気合を入れ直した私は、その後お姉さまの元へ直行しました。

 だって、やっぱり最後にお姉さまの顔を見たら元気百倍ですから!



***



「お姉さま~!」

「あ、乃愛。どうしたの?」


 ああ、今日も世界一可愛い……。その笑顔だけで生きていけます。抱きつきたい……けど我慢。お姉さまは嫌がらないけど、喜んでる感じもしないから、どうすればいいか分からないのです。


「お姉さまとお話したくて来ちゃいました!」

「ん、いいよ」


 ……尊い。今この瞬間、世界で一番幸せなのは私に違いない。


「えへへ……お姉さまが学園に来てから数日経ちますが、どうですか? 楽しいですか?」

「んー、楽しいかな? 慣れないことも多いけど、来れてよかったと思う」

「それは私も嬉しいです! お姉さまにはやっぱり笑顔が似合いますから!」

「そう? 私は乃愛の笑顔が好きだけどな。太陽みたいで、場が明るくなる」

「~~~っ!! そ、そんなこと言われたら嬉しすぎます! じゃあ私、一生お姉さまを照らしますからね!」

「じゃ、その時は頼もうかな」


 はああ……好き。やっぱり大好き。

 お姉さまがそう言ってくれるなら、どこまでも照らしてみせます!


「お姉さま、もし明日全部自由にできるって言われたら、何します?」

「え? うーん……ゲームして、漫画読んで、寝て……かな」

「ふふっ、意外と普通なんですね」

「普通が一番幸せだと思うよ。自分で選んでやりたいことをやれるのが大事でしょ?」


 ――その言葉が、胸に刺さった。

 そうだ。自分で選ぶことが大事。だから私も、自分で選んで「寮に入りたい」って言わなきゃ。


「はい! 私も自分で選んで、未来を掴める人間になります!」

「うん。その方がいいと思うよ。私も乃愛の選ぶ人生、見ていたい」

「っ……! はいっ! 絶対見ててください! 頑張りますから!」


 よし。決めた。

 今日こそ親に話す。

 お姉さまの笑顔を守れる私になるために!

次話で乃愛視点は一旦終わり朱里に戻ります!


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