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世界のつくりを説明する試み  作者: もりを
生命編
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27・生命誕生、って

27・生命誕生、って


われわれ全生命体の希望である「彼」は、ついに単純な活動機械にゲノムを搭載し、生命現象を獲得した!


塩基の配列は、彼がすべきことをコードするに至った。


それは、「生きていく」上において必要不可欠で、かつ、最小限度の情報だ。


内容は、シンプルだ。


「壊れたら、直せ」「部品の集め方は、こう」「つくり方は、こう」・・・


彼は、生きよう、とはまだ考えることができない。


生きる、の意味がまだわからないんだから。


だけど、死なないようにせよ、というゲノムの命令に従う。


そして、さらに重要な命令がある。


「すべての部品を集め」「もうひとつの自分をつくり上げ」「増やせ」・・・


その命令すらコピーし、次の世代に渡す。


こうすれば、自分が滅びても、系をつなぐことができる。


原初にして、なんという知性の奥深さだろう。


彼は、まだまだ荒削りではあるものの「閉じた系」「新陳代謝」「増殖」という最低限の条件を備えた装置内で、その操縦桿を握ったんだ。


ここに至るまでのハード&ソフトの構築作業は、前駆体のいわば「なんちゃって進化」によるものだった。


外界からの干渉による分身・散開と、成りゆきまかせにした塩基の切り貼りからは、自発的な活動などは生まれようがなかった。


だけど、彼はその高みにたどり着いた。


もちろん、彼はまだ意識などというものは持ち得ないものの、とにかく自律式の循環機能を・・自分の内側だけで回せていく独自世界を手に入れたんだ。


彼だけが、それを手に入れた。


彼以外の誰もそれを実現できず、他の実験体の系は、ことごとく滅んでいった。


つまり、今ここに、彼による万世一系の生命が誕生したんだった。


つづく

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