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世界のつくりを説明する試み  作者: もりを
生命編
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23・細胞分裂、って

23・細胞分裂、って


たくさんの細胞からできたぼくだけど、かつては小さな小さな生殖細胞だった。


父ちゃんの精子細胞がくっついた母ちゃんの卵子細胞。


ふたつがひとつになったこの一個の受精卵が、最初期のぼくの姿。


ぼくは、もともと母ちゃんと父ちゃんだったわけだ。


ぼくは実際に、父ちゃんと母ちゃんの肉だったんだ。


ふたりにつくられたんじゃなく、ぼくはこのふたりだったんだよ。


それがいつの間にか分かれて、ぼくというアイデンティティを獲得して、ぼくになった。


父ちゃん細胞が這い込んだ母ちゃん細胞が分裂し、さらに分裂活動を繰り返すうちに、父ちゃんと母ちゃんのアイデンティティが打ち消え(忘れ去られ、と言ってもいいかもしれない)、別個性であるぼくちゃん細胞になったわけだ。


父ちゃんと母ちゃんをさらにさかのぼると、(ふた組の)じいちゃん細胞とばあちゃん細胞に行き着く。


ぼくはかつて、じいちゃんとばあちゃんと、別のじいちゃんとばあちゃんという、四人だったんだ。


さらにさかのぼる。


ぼくのご先祖さまは、すべてがぼくのかつての姿だ。


ご先祖さま細胞はおさる細胞から分裂したものだし、おさる細胞は原初哺乳類細胞から分裂したものだし、さらにさらにさかのぼれば、ぼくは原初真核生物に行き着き、もっともっとさかのぼれば、最原初の単細胞=彼にたどり着く。


最もシンプルで、必要最小限の装備しか持たない、スタートアップな原形質の細胞に。


この原形質が細胞分裂をした瞬間に、生命体は生命体の体を成し、彼はぼくになったんだ。


つづく

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