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世界のつくりを説明する試み  作者: もりを
生命編
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20・タマシイ論、って

20・タマシイ論、って


「肉体にタマシイを込める」という霊的な言い回しは、科学的には「物質にゲノムの機能を持たせる」と言い換えられそうだ。


そのプロセスは昔から、神さまの思し召しと考えられてきた。


しかし、無機物同士の噛み合わせからはじまったわれわれの積み木細工は、ついに生理のメカニズムを大構築した。


素朴な石ころは、深海底で長い長い歳月をかけて揉まれた末に、自律式の機能体という高みにまで発展したんだ。


このやり方で、さらに創発を何段階も推し進めれば、必要最低限の情報を内蔵したゲノムを出現させることは可能だろうか?


ゲノムは霊的なものじゃなく、物質世界の物理現象と化学反応を用いた緻密なネットワークだ。


現代に生きる高等生物が獲得した「混沌の極限」と言いたくなるゲノムだって、上記のシステムをただ多様で多面多角的に複雑化させたものにすぎない。


だったら、そいつの最もシンプルで原初的な形と様相を、この物語で再度つくり上げてみようではないの。


・・・と勢いこんでみるが、いやはや、なんと壮大で困難な事業をはじめてしまったんだろう、この書きものって。


それでも生命は、すっからかんだった最初の時点で、この最重要にして最難解な「内容物」を持ったんだ。


とすると、ぼくらが思考実験でつくり上げたソフトなしの空っぽのハードが、自力でソフトをつくり上げたわけか。


でなければ、先立つことハードなしの剥き出しのソフトが自然界から与えられてて、それがハードをつくり上げるしかない。※1


しかし、指示書があっても機械がなければどこからも手をつけられないし、機械があってもそれを動かす指示書がなければそもそも起動ができない。


このごちゃごちゃに入り組んだプロセスの、いったいどの時点で「生命」は目を覚ましたんだろう?


ところで、ぼくらが生きた後の「死」という世界は、生まれて「生」をはじめる前の世界のことだよ、という死生観がある。


その暗闇に展開するのは、おなじみの量子場だけど、またそこに立ち帰るしかないのかなあ・・・(読者のうんざり顔が目に見えそうだ)


つづく


※1 「ソフトがハードをつくる」というのが、現代を生きるわれわれ生命体の順序だ。

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