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世界のつくりを説明する試み  作者: もりを
生命編
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19・生命の初期設定、って

19・生命の初期設定、って


前述したセントラルドグマを実質的な現場作業に置き換えると、DNAにコードされた塩基配列を(文字通りに)解き、その設計図通りにアミノ酸をタンパク質の形に編み上げる、という一連の部分になる。


そこに、非常に難解な問いが隠されてる。


すなわち、「卵が先かニワトリが先か?」問題を究極的にさかのぼった、「ゲノムが先かタンパク質が先か」という点だ。


タンパク質を編み上げるのは、ゲノムである。


ゲノムをコードするのは、タンパク質(からできた核酸=DNA)である。


だとすれば、このどちらが先に生まれたんだろう?


結局、生命誕生の物語とは、このメビウスの輪を解くということに他ならない。


また太古の深海底に戻るけど、ここに築かれたわれらが故郷であるチムニーにおいて、母なる自然はただただ自分の持つポテンシャルと偶然の力によってタンパク質を形づくり、それを複雑に構成し、組織化して、「彼」の姿を・・・相貌を立ち上げたんだった。


そんな彼は、ただの土人形なんだろうか?


彼の中にゲノムが組み込まれていなければ、彼が以降に成そうとするダーウィン進化は期待できない。


進化とは、ゲノムの組み替えのことを言うんだから。


ひとたび生命が誕生し、単純な原形質として起動してしまえば、高等生物(例えば人類)にまで進化させることはわりと簡単・・・でもないが、少なくとも納得しやすい説明はつく。


が、進化前の最初期、スタートアップに至るまでの工程の説明は、困難の極みだ。※1


果たして意思なき自然現象は、彼にゲノムを発明させたんだろうか?それとも、ゲノムに彼をつくらせたんだろうか?


つづく


※1 ビッグバンと同じだ。人類はその「点」以降の論理的説明はできるが、それ以前になにがあったか、何者がそれを起こしたのか、を知ることはとても困難なのだ。

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