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世界のつくりを説明する試み  作者: もりを
生命編
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18・セントラルドグマ、って

18・セントラルドグマ、って


遺伝学と進化論における最先端の解釈によると・・・というか、ダーウィン進化を現代的に展開させたドーキンスさんの意見によると、生物とは、ゲノムが操る遺伝子伝達(継承)機械であるらしい。


生命体の振る舞いのすべては、遺伝情報が命ずるところのただひとつの目的、すなわち「種の存続」を行動原理とし、ぼくやあなたはただそのためにこの世界で活動させられてるんだ。


そのシステムを禅的に煮詰めた福岡ハカセの説明(動的平衡論)がわかりやすくて面白いので、ここに紹介する。


「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず・・・」は、鴨長明さんの有名な言い回しだけど、要するに、長良川は大きなくくりでひとつの川と見えるけど、その中身の水分子の構成はいっときも同じじゃなく、ひと月もたてば、中身の水はそっくり入れ替わって別ものとなる。


なのに長良川は、長良川という形質と、いわばアイデンティティを保ちつづける。


生命体も同じで、日々の新陳代謝を繰り返して細胞を入れ替え、ひと月もたつ頃には、全身の全構成分子をすっかり別ものに更新する。


現時点でのぼくは、ひと月前のぼくとは物理的に別の存在であり、ひと月後にはまた別人に入れ替わる。


なのに、ぼくはぼくだ。


その「ぼく」と言いきれる根源はなにかと言えば、ゲノム=遺伝情報なんだ。


つまり、まず情報がそこにある。


形なきぼくの情報が、生命機械に命じ、必要な構成物を物質界から集めさせ、ぼくの肉体を形づくる。


その形質(姿かたちと中身のソフト)は、遺伝情報のアウトプットそのものなわけだけど、重要なのはそいつをつくり上げる設計図であって、その内容を守ることがぼくの肉体、すなわち生命機械の仕事となる。


・・・という相互関係こそが、生命のセントラルドグマだ。


だとしたら、箱(物理的実体)と中身のゲノム、どちらを先に世界に出現させるべきだろう?


つづく

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