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世界のつくりを説明する試み  作者: もりを
生命編
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11・細胞膜、って

11・細胞膜、って


陽子勾配とは、ふたつの隣り合うエリアにおいて、分子が持つ電子の数に多い少ないがあり、電子(-電荷)の、あるいは陽子(+電荷)の相互エリア間の移動が発生しうる状況のことを言う。


つまり、水が高いところから低いところに向かうように、ふたつのエリアの間で、電子、陽子の流れができるんである。


もっと簡単に言えば、電気はそうして流れるんだ。


そのエリア間に、幕を設けてみる。


電子と陽子の河のような奔流を堰き止めるわけじゃなく、微細な粒子が通り抜けられるチャンネルを設けて、浸透圧のように膜間を行き来できるように。※1


生命をつくる条件のひとつである「軽めにオープン気味な閉じた系」をつくり上げるために、まずこんな薄膜が欲しいわけだが、うってつけの便利な素材がある。


マッチ棒のような形のリン脂質は、アタマ部分は水に吸いつき、しっぽ部分は水から逃げようとする、不思議な物質だ。


これを二本水の中に放り込むと、しっぽ同士が水を避けてお互いにくっつき、逆にアタマ部分は水を求めて外に向く。


これをたくさん水面に浮かべると、しっぽ同士をくっつけたパーツの横隊(つまりアタマ部分が横に並ぶ)ができ、この帯をくるりと一周させれば、内外二層の二次元の輪となる。


さらにこれを水に沈めれば、隊伍が内外二層の三次元の球体になる。


これはいい、こいつは細胞膜として利用できそうだ。


なんと言っても、この「閉じた系」ときたら構造上、パーソナルな空間を完全に遮断してるわけじゃない。


びっしりと敷き詰められたリン脂質の間隙をこじ開けて内外通過チャンネルを設ければ、物質の・・・例えば陽子などの出入りも可能だ。


採用!


そこで振り出しに戻るが、膜の内外に陽子勾配をつくって、陽子にここをくぐらせてみたい。


この機構を用いたエネルギー生産装置を発明すれば、チムニーから独立できるかもしれないぞ。


これを自律式にすることは可能だろうか?


結果論になるけど、それを実現したのが、現代にすればミトコンドリア、太古にすればメタン生成菌、ということになる。


つづく


※1 ここもまた説明が逆で、微細な粒子が通り抜けられるメカニズムのおかげで、浸透圧という現象が起こる。

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