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世界のつくりを説明する試み  作者: もりを
生命編
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5・深海底熱水噴出孔、って

5・深海底熱水噴出孔、って


最原初の生命たる自律式循環機構の生まれ故郷として最有力視されてるのが、深い深い海の底だ。


ここには、生物のからだをつくる素材と、ねぐらと、メカニズムを駆動させるエネルギーがそろってるんだ。


ここを拠点に、この書きものでは生命体(地球生命※1)の創造を試みる。


さて、さっき生命の種を「自律式」の機構と書いたけど、このときにはまだ彼※2には自分「自身」というくくり・・・つまり外界との隔壁はなく、海底の環境にオープンなメカニズムだったと思われる。


そのイメージから、この書きものでは、閉じた系に生命の材料を入れて揉むやり方ではなく、生命現象をつくった後にそれをカプセルに入れて環境から独立させる、というプロセスを踏む。


では、いよいよ生命創造のオペレーションに入ろう。


深海底に穴が開き、地中のマグマに熱せられた水が噴出する場所がある(太古からあったが、今もある)。


何百度もの熱水を爆裂噴出させるホットポイントだと、か弱い原初生命にはシリアスな問題が生じるので、周辺に存在する比較的いい湯加減の水を汲み出してくれるエリアに、観測地点を位置取ろう。


この水は、硫化水素を主成分とする上に、鉄などの重金属まで混じったヤヴァい泥水だ。


そのため、穴の周囲に高い煙突(チムニーと呼ばれる)が築かれていく。


チムニーは、細密な硫黄や鉄粒子が積み重なったものなので、スポンジのようにスカスカな構造をしてる。


言い換えれば、微細な孔が無数に開いてるんだ。


そこは、生命に必要な「閉じた系」とまでは言えないが、マンションの個室のような小部屋とは言えないだろうか。


つづく


※1 宇宙には、われわれ人類の常識や生命の概念からはるか逸脱した生命体が生息してる可能性があるため、水を元にした地球オリジナルな生命の形態を「地球生命」と呼ぶことにする。


※2 この後に胚胎されることになる最初の地球生命を、この書きものでは「彼」と呼ばせてもらう。

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