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世界のつくりを説明する試み  作者: もりを
生命編
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3・奇跡の環境、って

3・奇跡の環境、って


前回に挙げた三つの条件をひとつひとつクリアしていけば、晴れて生命体のいっちょ上がり!というわけだ。


が、もちろんそう簡単にはいかない。


なにしろ、地球には(ある意味、この世界には)まだ鉱物しかないんだから。


材料として与えられてるのは、酸素、炭素、鉄・・・なんていろんな種類の元素のみと言っていい。


これらを組み合わせて、この読みものでは生命体を誕生させ、細部をつくり込んでいく。


胸躍る話じゃないの、成功すれば、われわれはほぼ神さまってわけだ。


さて、生命誕生のプロセスを具体的に考えるに先立って、この地球が浴する奇跡のような待遇に思いを馳せてみる。


まず、水だ。


太陽に近い天体では、水は蒸発して宇宙に散逸してしまい、逆に太陽から遠い天体では、永遠に凍りついて流動性を失ってしまう。


地球はその間のせまいせまい「ハビタブルゾーン」という、水が柔軟な液体でいられる距離に軌道を取ることに成功した。


しかもこの位置なら、太陽から酷烈でもか細くもなくちょうどいい熱と光、すなわち「日光」という(事実上)果てしないエネルギーをもらえる。


この読みものでちょくちょく出てくるエントロピーの法則は、閉じた系におけるエネルギー量は「多い→少ない」の一方通行!と要約できるけど、閉じてるように見える地球の系は、実は宇宙空間に向けて開かれてて、太陽との関係でエントロピーを融通してもらえる事情から、エネルギーが「少ない→多い」に向かい得る!というありがたい立場を許されてる。


このことは、生物がエントロピーの不可逆のルールを破るように見える・・・つまり、散乱したものを整頓する※1ことができる特異な存在であることと無関係じゃない。


水と日光の存在!これは奇跡への第一歩だ。


なぜなら生命体の誕生は、極論すれば「液体の水に溶け込んだ物質が太陽からのエネルギーを得て形を変えた」という一言に尽きるからだ。


つづく


※1 何度も言うけど、自然にまかせれば整頓されたものは散乱する一方(例えば、こぼれた水はコップには戻らない)で、これがエントロピーの増大なんであり、これは基本的に不可逆だ。

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