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世界のつくりを説明する試み  作者: もりを
天体編
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おしまい・マルチバース、って

おしまい・マルチバース、って


1光年先の星が1年前の姿としてしか観測できないのと同様に、ぼくが見るあなたの姿もまた(ごくわずかに)過去のものだ。


あなたから光が放たれ、ぼくの瞳が受信し、視神経が信号化し、脳が像を立ち上げる。


すべてが光の速さで進められる(神経節間だけは科学物質のやり取りでブレーキが掛かる)が、光の速度は有限だ。


光の放出と脳内の起像が極めて同時に近いとは言え、ぼくの見るそれはあなたの過去の姿なんだ。


だとしたら、あなたの現時点での実体はどこにあるのか?


どこにもない。


それはまだ観測されてないので。


こうして、ぼくの観測のおかげで量子場を収縮させ、実体化できたあなたは、現在へ、さらには未来へと向かう枝分かれした場の選択肢、すなわち波動関数ののたうつ確率の中に置かれる。


次の瞬間、ぼくは再びあなたを観測して、あなたの実体を時間という連続粒の中に一連の流れとして立ち上げることになるが、この刹那には厄介な不確定性原理が働いてる。


量子は揺らぎ、確率の中でさまざまな状況を重ね合わせてるのだ。


あなたの現在には、ぼくが観測しなかった量子状態の現在も含まれてしまう。


こうしてあなたは、無限に分身していく。


世界もまた、無限に枝分かれしていく。


そのパラレルな相は、ぼくの観測の外にある。


ただひとつの「ぼくが見てる世界」以外は、だ。


宇宙の観測できないエリア(そこにはあるものの、実体化がされてない場のひろがり)と同様に、別の世界で過ごすことになったあなたは、永遠にぼくの目に触れることはない。


いや・・・別の世界のあなたは、別の世界のぼくに見つめられているにちがいない。


そこであなたは実体化し、あなたに見つめられたぼくも実体化してるのだろう。


どうもこうして世界は「マルチバース」の構造にできてるらしいのだよ、ユニバース(ひとつの普遍的な世界)なんかじゃなく。


結論だけど、やっぱ世界ってのは無限の無限の無限で、人類ごときの考えが及ぶところじゃない底の抜けた曼荼羅絵巻なんだ、ってことかな。


おしまい

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