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世界のつくりを説明する試み  作者: もりを
天体編
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22・ビッグバンを見たい、ったって

22・ビッグバンを見たい、ったって


光の正体である電磁波は、当然ながら、光速というスピードで進む。


どの電磁波も、天体で生成されてから人類の観測の網に掛かるまでの間に、距離÷速度という時間がかかる。


地球から1光年離れた天体を飛び出したとして、地球に到達するまでには1年がかかるので、その電磁波を観測することは、1光年先の宇宙の1年前の出来事を見ているということになる。※1


10万光年先の電磁波を観測しても、それは10万年前の宇宙の姿なのだ。


ということは、138億年の彼方の電磁波を観測できれば、ビッグバンの姿を拝めることになる。


理論上は、実際にそれを見ることは可能だ。


ところが、ある理由から、それは絶対に見られない。


その理由とは、前にも説明したところの、ビッグバン直後のプラズマ状態だ。


宇宙開闢から、陽子が電子と結ばれる38万年後の「宇宙の晴れ上がり」まで、この世界は素粒子が入り乱れる光と熱のエネルギースープ状態だったために、そこをのぞき込んだところで、どんな電磁波も単独で抽出できない。


なので、ビッグバン直後、あるいはビッグバンイベントそのものの様子を電磁波で見ることは、決してできないのだ。


だったら、電磁波でない波を観測すればいい。


そこで、重力波の出番!というわけだ。


ビッグバンは、その後の世界を構築するすべての物質が「点」にまで純化された、いわば超密度を超えた無限密度の質量塊なので、時空間のゆがみたるや途方もない。※2


そんな特異点が発する重力波を検出しよう・・・すなわち、「重力波でもってビッグバンの姿を明らかにしよう」というのが、最新の人類の宇宙観測における企てなんだった。


つづく


※1 よく例えられるところでは、「地球上で見る太陽の光は、8分前に太陽から放たれたもの」というやつ。7分前に太陽が爆発しても、情報の到達に8分がかかることから、ぼくらはその間は平気でゲームをして過ごせる。


※2 逆に、このゆがみのことをわれわれは「時空間」と呼んでるのだが。

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