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17・ブラックホール、って
17・ブラックホール、って
重力崩壊に至るチャンドラセカール限界をはるかに超え、太陽の何十倍もある超巨大天体を想像してみて。
その質量たるや、途方もない。
そんな星の最期は、想像を絶する爆縮だ。
芯部には、全質量にのしかかられた圧力で、重たい重たい中性子の塊ができていく。
・・・と、ここまでは前回に見たプロセスだ。
ところがこの大質量星は、芯部に質量を集中させればさせるほど、のっぴきならないほどの強い重力源をつくってしまう。
その反動の超新星爆発で飛び去ろうとする陽子たちをも引きつけるほどに。
そんなわけで、超新星爆発は起きず、大質量は収縮をつづける。
芯が全質量を飲み込んでしまうまで、それはつづく。
果てしなく縮みつづける、とまで言っていい。
超巨大天体が、点になるまで、だ。
「点」の数学的な定義は、「大きさがなくて位置だけがある」というものだけど、言葉通りにその姿になる。
ビッグバンを思い出すかもしれないけど、あれは物質の吐き出し口だった。
今度は、飲み込み口の特異点だ。
この猛烈重力の穴こそが、ブラックホールだよ。
つづく




